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関東の梅雨明けは遅れる見通し しばらくは低温も

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
7月23日~29日の予想平均気温。北日本中心に低くなる確率が高い。(気象庁HP)

関東地方の梅雨明けは平年だと7月21日頃ですが、今年は遅れる見通しです。しかも、しばらくは真夏らしくない気温の日が続きます。

冷風を送るオホーツク海高気圧

オホーツク海高気圧から、冷たく湿った空気が南下する。
オホーツク海高気圧から、冷たく湿った空気が南下する。

18日(月)に九州~東海の梅雨明け発表がありました。関東も晴れて暑かったのに、梅雨明けが発表されなかったのは、オホーツク海高気圧が今週後半に現れることが分かっていたからです。

オホーツク海高気圧は、北海道の近くに現れ、北から冷たい風を送り出します。また、その北風は、三陸沖などの海上を南下するうちに湿り、関東以北の太平洋側では曇りやすくなります。

関東では今週後半、梅雨空が戻り、気温が低くなります。特に21日(木)~22日は、日中でも22~24℃前後の涼しさです。

梅雨明けの見通しは?

東京の週間予報。
東京の週間予報。

来週(24日・日曜~)になると、オホーツク海高気圧は次第に弱まります。関東の梅雨明けの可能性もなくはない気圧配置となってきます。

ただ、南から張り出すはずの夏の高気圧は、来週も強まってきません。そのため、梅雨明けはさらに遅れる可能性がありますし、仮に明けたとしても、安定した夏空と真夏の暑さが連日続くということは、7月中はなさそうです。

「猛暑」「冷夏」の一言で表すことに無理がある

では、これで不順な夏が決定かというと、8月になって夏の高気圧が強まり、急に猛暑がやってくることも十分に考えられます。

たとえば、2007年は7月に夏の高気圧が強まらず、「冷夏か?」と騒がれ、関東の梅雨明けは8月1日にずれ込みました。ところが、梅雨が明けたとたん、連日の夏空と猛暑となり、8月なかばには、当時の国内最高気温40.9℃を熊谷・多治見で記録しています。

そもそも、夏を一言で表すことに無理があるのです。

昨年は、7月下旬~8月上旬はかなりの猛暑でしたが、8月中旬からは不順な天候となりました。

ワンフレーズでまとめられるほど、夏の天候は単純ではありません。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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