Yahoo!ニュース

台風16号、本州接近の可能性高まる 3連休に列島横断のおそれ

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風16号の進路予想図

台風16号が、発達しながら北上を続けています。16日(金)~17日(土)頃に沖縄に接近し、その後は東へカーブして本州付近へ。週末からの3連休に、列島各地に影響をおよぼすおそれがあります。

台風16号は迷走しない

台風16号は、秋台風らしいカーブを描いて、沖縄へ接近、本州付近へと進む見通しです。

8月は、日本の南でUターンしたあと岩手県に上陸した10号のように、迷走した台風もありましたが、季節が進み、上空の風の流れが完全に変わりました。

今は、上空の強い西風(偏西風)が本州付近を流れていて、台風16号はその流れに乗ります。このパターンは、経験上、予想進路が激しく変わることは少なく、迷走など、妙な動きをする可能性は低いと考えて良いでしょう。

ブレの少ない計算

17日(土)の雨と風(矢印)の予測。沖縄付近の渦が台風16号。
17日(土)の雨と風(矢印)の予測。沖縄付近の渦が台風16号。
18日(日)の雨と風(矢印)の予測。東シナ海の渦が台風16号。
18日(日)の雨と風(矢印)の予測。東シナ海の渦が台風16号。

スーパーコンピューターの計算がベースとなっている現在の天気予報で、人間が担当していることの一つが、コンピューターの計算の「確からしさ」の判断です。

台風16号は、発生する前から、「カーブを描いて日本へ接近」ということが計算され続けていました。予測がコロコロ変わらないことを、計算が安定している、と言います。つまり、そうなる可能性が高いと見ることができるわけです。

予報円の見方

気象庁が発表している予報円は、台風の中心がどこに進むかの予想を表した円です。当然、先に行くほど誤差が大きくなり、円は大きくなります。

ただ、誤差とひとことで言っても、台風それぞれに特徴があります。今回は、コースがガラッと変わることは考えにくく、進むスピードの誤差に注目したほうが良いでしょう。

現時点の19日の予報円で見るなら、円の北端や南端に位置する可能性は低い一方、西端や東端に位置している可能性は十分に考えられるということです。

接近のタイミングは、まだ変わる可能性あり

台風16号は、金曜~土曜に石垣島など先島諸島に接近し、日曜(18日)~月曜(19日)には九州~本州付近を東へ横断する可能性が高くなってきています。

あとは、沖縄から本州付近へカーブする際に、コースがふくらむか、小回りするかです。ふくらめば予報円の日時より遅く、小回りすれば早くなります。

台風がスピードを上げて進むため、同じ場所で大きな影響が三日間も続くようなことはまずなく、荒天のピークは一日未満や半日未満という所もあるでしょう。いつ影響が大きくなるか、今後、次第に予測がしぼられてきますので、危険な時間帯を見極め、備えをお願いします。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

増田雅昭の最近の記事