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台風17号北上 秋雨は長期化か

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風17号の進路予想図。

23日午前、台風17号が発生しました。台風は今後、北上を続け、週明けにかけて沖縄の南まで進んで来る見通しです。この台風の影響で、本州付近でも秋雨が長引く可能性があります。

沖縄に接近のおそれ

台風17号が沖縄の南まで進むことは、各種の予測データでほぼ一致しています。

沖縄では今週末から次第に波が高くなり、特に石垣島など先島諸島は、週明けの台風の動向に警戒が必要です。

その後、台風は台湾付近や大陸へ進む予測が多数派ですが、コースが少し北へズレると、北へカーブする可能性もまだ捨てきれません。沖縄付近からどう進むか、最新情報の確認をお願いします。

なぜこんなに雨の日が多い?

東京は9月に入って、きょう23日までに21日も雨を観測しています。

秋雨前線の影響で、もともと雨の日が多い時期ですが、それにしても今年は多すぎます。

原因の一つは、台湾の南を通って大陸へ進んだ、台風14号です。大陸で崩れましたが、秋雨前線の風上、つまり上流で崩れたため、大量の水蒸気を前線に流し込む役割をしました。

次々と北上する台風という水蒸気の巨大タンクが、消えそうで消えない秋雨前線を作り出しています。

台風17号が秋雨を長びかせる

29日(木)の雨の予測。本州付近に横たわるのが秋雨前線の雨雲。
29日(木)の雨の予測。本州付近に横たわるのが秋雨前線の雨雲。

台風17号が日本付近を北上することになれば、当然、各地で雨は降りやすくなります。

17号が大陸方面へ進んだとしても、14号の時と同様に、上流から水蒸気を秋雨前線に大量に供給します。

そうすると、今週末からいったん弱まる秋雨前線が、来週なかばから再び現れ、列島各地で雨が続くように。秋雨はおさまりそうで結局おさまらず、長期化する可能性があります。

秋雨シーズンが終わるのは、例年、おおむね10月中旬です(西~東日本)。

今年はこれだけ雨が降ったので、早めに秋雨が終わっても良さそうなものですが、秋雨前線の動きを見るかぎり、10月はじめまでは雨の多い状態が続きそうです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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