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主な新興国/米国経済ニュース(28日)

増谷栄一The US-Euro Economic File代表

アマゾン、「ファイア・フォン」を1週間限定で大幅値下げ―商戦期迎え

米オンライン小売り大手アマゾン<AMZN>は25日から12月1日までの1週間の限定で、クリスマス商戦に向けて新規需要を掘り起こすため、7月に発表したばかりの3Dスマートフォン「ファイア・フォン」の販売価格を199ドル(約2万3000円)に引き下げた。米経済情報専門サイトのマーケットウォッチが26日に伝えた。

値下げは携帯電話会社との通信契約が付いていない、いわゆるアンロックトで、容量32ギガのファイア・フォンが対象で、7月の販売開始当時の価格449ドル(約5万3000円)から250ドル(約3万円)も下回る。値下げ後の新価格には同社の急送配達や期日指定配達が無料になるプライムサービス利用料の年間99ドル(約1万2000円)分が含まれる。

アマゾンの7-9月期(第3四半期)決算はファイア・フォンの販売低迷のあおりで4億3700万ドル(約510億円)の赤字となったが、ファイア・フォン関連の評価損は1億7000万ドル(約200億円)に達した。

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欧州議会、グーグルの事業解体と市場独占阻止目指す決議案を採択

欧州議会は27日の議会投票で、欧州でのインターネット検索市場占有率が90%に達している米インターネット検索大手グーグル<GOOGL>の市場独占を弱めるため、EU(欧州連合)の行政執行機関であるEC(欧州委員会)に対し、グーグルに事業解体を促す決議案を賛成384票、反対174票の賛成多数で採択した。米経済専門オンラインメディア、CNNマネーが伝えた。

この決議は欧州議会がグーグルの欧州での事業解体を直接求めたものというよりも、政治的なメッセージを伝えるのが狙いで拘束力は持っておらず、グーグルの事業解体の最終判断はそうした権限を持つECに委ねている。こうした決議が採択される背景には、欧州の政治家がグーグルはインターネットの検索結果のほとんどをカバーし、自社の製品やサービスを同業他社よりも有利に消費者に宣伝していることへの懸念がある。

一方、ドイツのジグマール・ガブリエル副首相兼経済・エネルギー相ら4人の経済閣僚も26日に連名で、ECに対し、欧州のインターネット市場の独占を排除し、競争原理を確保するための法律の制定を求める書簡を送っており、グーグルへの風当たりは強まってきた。

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インドネシア国営プルタミナの新CEO、有力候補3人に絞られ大詰め

インドネシアのリニ・スマルノ国営企業相は27日、国営石油大手プルタミナの次期CEO(最高経営責任者)の有力候補者が3人にまで絞られ、最終決定が大詰めの段階を迎えていることを明らかにした。ジャカルタ・グローブ(電子版)が27日に伝えた。

しかし、同相は有力候補の3人の名前は示していないが、「プルタミナのトップは、高い管理能力に加え、同社を世界の石油大手会社と互角に競争できる水準にまで引き上げることが可能な人材でなければならない」とし、石油業界の技術的な専門性を有することにこだわらない考えだ。新CEOの指名は今月30日が期限となっている。

同紙によると、有力候補3人のうち、2人は国営通信テレコムニカシ・インドネシア(テレコム)のリナルディ・ファマンシャ元社長と、スディルマン・サイード・エネルギー・鉱物資源相の補佐官のウィドヤワン・プラウィラ・アトマジャ氏となっている。(了)

The US-Euro Economic File代表

英字紙ジャパン・タイムズや日経新聞、米経済通信社ブリッジニュース、米ダウ・ジョーンズ、AFX通信社、トムソン・ファイナンシャル(現在のトムソン・ロイター)など日米のメディアで経済報道に従事。NYやワシントン、ロンドンに駐在し、日米欧の経済ニュースをカバー。毎日新聞の週刊誌「エコノミスト」に23年3月まで15年間執筆、現在は金融情報サイト「ウエルスアドバイザー」(旧モーニングスター)で執筆中。著書は「昭和小史・北炭夕張炭鉱の悲劇」(彩流社)や「アメリカ社会を動かすマネー:9つの論考」(三和書籍)など。

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