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2019年に向け、本格始動するなでしこジャパン。年内最後のキャンプで光る選手たちのアピール(2)

松原渓スポーツジャーナリスト
7日の午後には地元の男子高校チームとのトレーニングマッチを行う(C)松原渓

なでしこジャパン(日本女子代表)候補のトレーニングキャンプが、5日から8日まで静岡県内で行なわれている。

7日午後には、地元の静岡学園高校とのトレーニングマッチを行う(30分×3本)。

2019年に向け、本格始動するなでしこジャパン。年内最後のキャンプで光る選手たちのアピール(1)

【監督・選手コメント】

高倉麻子監督

ーー今回の合宿の狙いと目的を教えていただけますか?

選考合宿なので、選手の見極めもありますし、攻守においてチームのやり方を選手に伝えながら、少しずつコンビネーションも上げていきたいです。

ーー今年は海外遠征なども行いましたが、来年以降のなでしこジャパンの強化プランはどのように考えていらっしゃいますか?

来年はインターナショナルマッチを多く入れようと考えています。たくさん試合を組めるようにしていくので、経験のある選手は自分の経験をもとに、いろんなプラスをチームに加えて欲しいですね。

ーー今回の合宿で静岡学園高校とのトレーニングマッチはどのようなテーマを持って臨まれますか?

今日(6日)は戦術的なところの確認をしました。攻守においてコンパクトに、全員が連続、連動しながらボールを大事につないでいくことを目指しています。(紅白戦で)守備のマークが少しずつ遅れてしまっていたので、裏にスペースがあるとやられてしまいそうですが、チャレンジする中で、そういう守備の間合いとかプレスのかけ具合を掴んでほしいですね。インターナショナルマッチではいろんな相手(国)と対戦しますし、こちらが提示したやり方だけをやっていても対応できないので、選手のグラウンド内での判断が必要です。何が不利で何が有利かということを、こちらが伝える戦術をベースにして膨らませていってほしいと思います。

ーー今後は具体的にどのようなところを高めていきたいと考えていらっしゃいますか?

日本はずっとフィジカル面を課題としている中で、結局、(失点は)ペナルティエリア内で、クロスから決められてしまうことがほとんどです。あとは、ひっかけられて(パスをカットされて)、持ち込まれて決められてしまう。守備が崩れていない時はほとんどやられていないので、相手に(プレーを)読まれず、(体で)当たらないような準備を大切にしながらも、個のペナルティエリア内の強さとか、人に対する強さは求めていきたいです。

攻撃でも、コンビネーションで崩せている部分は大事にしながらも、個で打ち破れる力は要求していきたいと思います。世界と戦う上では、最終的にはどんな形でも、誰かがシュートを決めなければいけません。最後は相手も体を張ってくる中で、ちょっと(タイミングを)はずしてシュートを打つのか、力強さでゴールを決めるのか、ポジション取りで決めるのか。巧さやコンビネーションもあると思いますけれど、やはり強さは外したくないと考えています。

中島依美
中島依美

MF 中島依美(INAC神戸レオネッサ/合宿初日)

ーー今回の合宿への意気込みをお聞かせください。

ワールドカップやオリンピックに向けてここからがスタートです。今回は候補合宿なので、来年以降、また呼ばれるようにするためにも、まずは今、自分ができることを精一杯やりたいです。

練習試合では自分の持ち味をしっかり出して、運動量を活かしたり、攻撃的なプレーで貪欲にゴールを狙っていきたいです。

ーー体力測定はトップでした。普段はどのぐらい走り込んでいるんですか?

週1回、自分で走ることは決めています。INAC神戸レオネッサは2部練習が多いことも大きいと思います。

ーー新生なでしこジャパンでも5月から選ばれていますが、ご自身の意識の変化はありますか?

今まで上の(世代の)方たちに引っ張ってもらってきましたが、いつまでも、甘えていてはいけないな、と。しっかりと自覚を持ってやっていきたいです。

ーー今後、チーム内の競争も激しくなりそうですが、いかがですか?

下の(世代の)選手たちは絶対に入ってくると思いますが、できることを常に最大限に出していきたいと思います。

高木ひかり
高木ひかり

DF 高木ひかり(ノジマステラ神奈川相模原/合宿初日)

ーー合宿初日を終えて、いかがですか?

体力測定では、前回よりも結果が良くなるようにベストを出そうと思って臨みました。まだまだですけれど、上位だった選手の走りを見て、そういう選手が残っていく選手だなと感じましたし、もっと普段のトレーニングで高めていかなければいけないと感じました。

ーー今年は所属チームがなでしこリーグ2部で優勝して、個人としてはなでしこジャパンにも選ばれましたけれども、ご自身の中で特に成長したと感じるのはどのような点ですか?

ディフェンダーとして1年間プレーするのは今年が初めてだったんですけれど、大部コーチをはじめ、いろいろな方からディフェンスのことを学びました。普段の練習からその点を意識して取り組んだこともあって、ディフェンス力は上がったと思います。自分の持ち味であるビルドアップなどは、チームの練習の中で日々取り組んでいるところなので、その面でもレベルアップできたと思います。

ーーなでしこジャパンでは、自分の力をどのように発揮していきたいですか?

日本の良さは、技術の面で海外のチームよりも勝(まさ)っているところだと思います。ディフェンスは良い攻撃を作っていくための始まりだと思うので、中盤の選手がプレーしやすいようなパスを送ったり、ディフェンスをしたいですね。

(3)【選手コメント】に続く

スポーツジャーナリスト

女子サッカーの最前線で取材し、国内のなでしこリーグはもちろん、なでしこジャパンが出場するワールドカップやオリンピック、海外遠征などにも精力的に足を運ぶ。自身も小学校からサッカー選手としてプレーした経験を活かして執筆活動を行い、様々な媒体に寄稿している。お仕事のご依頼やお問い合わせはkeichannnel0825@gmail.comまでお願いします。

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