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気持ちを切り替えて臨むアイスランド戦。なでしこジャパンの初勝利なるか(2)

松原渓スポーツジャーナリスト
気持ちを切り替えて第2戦に臨む(左から増矢、長谷川、中里、岩渕、千葉、籾木)

ポルトガルで行われているアルガルベカップに出場しているなでしこジャパンは、初戦でスペインに1−2と敗れた。

チームは気持ちを切り替えて、3日、グループリーグ第2戦のアイスランド戦に臨む。

気持ちを切り替えて臨むアイスランド戦。なでしこジャパンの初勝利なるか(1)

以下、グループリーグ第2戦・アイスランド戦前の監督・選手コメント。

【監督・選手コメント】

高倉監督
高倉監督

高倉麻子監督

ーースペイン戦から一夜明けて、試合を振り返っていかがですか?

映像を見ても、いいところは全くありませんでした。ただ、ゲームを見ていた感じと、実際に映像で見た感じでは印象が違いました。めちゃくちゃにやられたわけではないけれど、自滅した部分は多かったですね。スペインにとっては、日本はタイプ的にやりやすかったと思います。狙い通り、まんまと潰されてしまいましたが。まだまだ、成長しなければいけないということをみんなが強く感じたと思うので、月並みですけれど、しっかり勉強をして、一つでもブロックを積み上げようと話しました。

ーースペイン戦の後に、(次に対戦する)アイスランドとノルウェーの試合をご覧になった感想を教えていただけますか?

体が強く、ぶつかり合うサッカーですね。あのような迫力でやると、うち(日本)の選手たちは壊れて(ケガをして)しまいますし、同じようなサッカーはやらないですが、(各国の)女子サッカーのレベルが上がっていることは実感しています。

アイスランドは、スペインとはタイプが違うので、ゲームも全く違う感じになるとは思います。ただ、この試合も、チームの(状況に応じた)対応力を見たいですね。1試合目よりは2試合目、2試合目よりは3試合目、と、対応力を身につけて欲しいと考えています。

ーー敗戦の後、自分たちの良さを出すということについて、自信を失ってはいないですか?

みんな、頭を悩ませていますね。何人かの選手とは話をして、試合の中で行き過ぎたり、急ぎ過ぎたり、寄り過ぎていたところなど、個人的に話をしています。日本は形でやっているわけではないので、そういう個人の判断を上げて、状況に応じて何を選ぶか、ということが大切です。

日本の良さは、ボールを動かすことです。ボールを動かすということは、全員がつながっている、ということです。でも、スペイン戦では、ボールを持った時に、いて欲しい時に、いて欲しい場所に、いて欲しい人がいなかった。プレッシャーが緩ければできるというのは、できるうちには入らないです。レベルが低ければ、ファーストタッチの置きどころがズレても、準備が遅くても間に合うんです。でも、女子サッカーのレベルが上がってきている中で、代表選手としてはそれではやっていけません。シーズン前なので、ゲーム勘がない部分もあったかな、と。話し出すと、愚痴になりますね(笑)

いいプレーがなかったわけではないですし、みんなに期待しています。このチームは伸びしろしかないので、みんなで作って行きたいです。

岩渕真奈
岩渕真奈

FW 岩渕真奈

ーーアルガルベカップは岩渕選手にとって、どのような大会ですか?

参加するのは2回目です。本当は毎年、参加できていたんですけれど、いつもケガをしていて参加できませんでした。

歴史がある大会で、強豪しか出られない大会なので、毎年、良い経験ができる大会だと思います。

今はケガのリハビリから復帰してそれほど時間が経っていないのですが、コンディションは問題ないです。

ーースペイン戦をベンチからご覧になっていて、どのように感じましたか?

去年まで一緒に(バイエルンで)プレーしていた選手がスペイン人で、タイプ的にも自分と似ていて、ポジション争いをしていました。(試合を見て、)やっぱり、(日本と)似ているな、と思いました。でも、スペインの方が体を張れるし、サイズも大きいですけれど、日本はもっと(向上するために)やらなければいけないな、ということが分かった試合でした。自分たちのミスから失点してしまいましたが、(なでしこジャパンの)1点はカウンターで良い形で崩せました。後半あれだけできていたので、前半がもったいなかったですね。

ーーアイスランド戦に出場したら、どのようなプレーを見せたいですか?

試合に飢えています。(試合に)出るとしても、短い時間かもしれないですけれど、その中で何か違うアクセントをつけられたらいいなと思います。得点は求めたいですね。

ーー高倉監督が就任されてからはアメリカ遠征以来の参加になりますが、チームの雰囲気はいかがですか?

全員が自分の力を出しやすい環境だと思いますし、チームがガラッと変わって、ここからが始まりだということをみんなが分かっています。(なかなか結果がついてこなくて)難しいですけれど、やるしかないです。まずは勝って、もっとチームを良くしていきたいですね。

ーーチームが成長するためには、どのようなことが大切だと思いますか?

それこそ、結果が大切だと思います。内容がどうでも、勝てていれば、日本の皆さんも強いチームを応援してくれると思います。内容も伴えば一番いいですけど、勝てば雰囲気は良くなるし、それで、しっかり足元から見直してやっていければいいなと思います。

籾木結花
籾木結花

FW 籾木結花

ーーA代表で初の遠征ですが、どのぐらいアピールできていると感じますか?

紅白戦でも、あまり前(本来のポジション)でプレーしていないのですが、どのポジションでも、チームとして求められていることや、監督やコーチから要求されることがあります。自分のアピールも大切ですが、どれだけその要求に応えられるかということも、チームへの適応力を持つという意味で、選手として大切なことだと思っています。

ーースペイン戦は、終盤(88分)からの出場でしたが、プレーしてみた感想はいかがですか?

(出場時間が)あっという間で、よく分からないまま終わってしまったのですが(笑)外から見ていて、(2016年の)U-20(女子ワールドカップ)でスペインと対戦した時と同じで、中盤にすごく圧力がかかっていると感じました。試合の負け方も、あの時と似たような感じでした。同じタイプのサッカーでぶつかると、まだスペインには勝てないのかな、と思います。

ーーなでしこジャパンの中で、どのようなアクセントを加えていきたいと思っていますか?

今はベレーザの選手が多く選ばれているということもありますが、前のポジションだったら、たなピー(田中美南)とか(長谷川)唯とか、ポジションが近い選手はお互いの相性や自分がしたいプレーがわかっています。(同じチームで)合わせる時間が他の選手よりもある分、実戦の中で結果を残さなければならないと思っています。何かしら、試合に出たら結果を残したいと思っているのですが、ぜひ1点は決めたいですね。

スポーツジャーナリスト

女子サッカーの最前線で取材し、国内のなでしこリーグはもちろん、なでしこジャパンが出場するワールドカップやオリンピック、海外遠征などにも精力的に足を運ぶ。自身も小学校からサッカー選手としてプレーした経験を活かして執筆活動を行い、様々な媒体に寄稿している。お仕事のご依頼やお問い合わせはkeichannnel0825@gmail.comまでお願いします。

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