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第3戦の相手は北欧の古豪、ノルウェー。上位進出を狙うなでしこジャパンのキープレーヤーは?(2)

松原渓スポーツジャーナリスト
オフザピッチの雰囲気は明るい(C)松原渓

ポルトガルで行われているアルガルベカップに出場中のなでしこジャパンは、3月6日(月曜日)、 グループリーグ第3戦のノルウェー戦に臨む。

第3戦の相手は北欧の古豪、ノルウェー。上位進出を狙うなでしこジャパンのキープレーヤーは?(1)

以下、グループリーグ第3戦・ノルウェー戦前の選手コメント。

【選手コメント】

熊谷紗希
熊谷紗希

DF 熊谷紗希

ーーここまでの2試合を振り返っていかがですか?

初戦は、これまでとは違って自分たちがやれることの方が少なく、その中での負けだったのですごく悔しかったです。負けて学びたくはないのですが、実際に学ぶことは多いので、今はポジティブに捉えてやるしかないと思っています。

ーーコンビネーションを構築する中で、試合ごとに周りの選手が変わりますが、どんな難しさがありますか?

選手が変わると、活かす味方の特徴も変わりますが、チームとして「選手が変わったから」とか、「誰かがいないから」戦い方が変わるのは良くないので。チームの形や方向性も、今は全員で模索しています。この大会は良い相手と戦えるので、試合を重ねる中でチームとしての土台を作って行くしかないと思います。

ーーアイスランド戦で勝ったことで、見えて来たものはありますか?

そうですね。戦い方は見えて来た部分もありますが、スペイン戦ではセカンドボールはすべて相手が取っていたし、球際のところはまだまだ勝ちきれていません。個々のレベルを上げていかなければいけないし、4試合戦った上で、次に集まる時に、今回、過ごした時間を大切にしながら、それぞれがやるべきことをやって、もう一回集まれるようにしたいです。今、うまくいかないからどうこうということではなくて、うまくいかない中で改善できるようなチャレンジを全員でやっていきたいです。

ーーキャプテンになったことで、どのような変化がありますか?

キャプテンになったことで芽生えた自覚もあるし、自分の経験を伝えていかなければ行けないと思っています。ただ、キャプテンだからというよりは、常に伝えたいことを伝えています。

ーー縦パスを入れられるタイミングはまだ少ないですか?

(縦パスは)常に狙っていますが、今は、監督から言われている、ボールを持っていない時の立ち位置や準備をすごく意識してやっています。いかに、自分が余裕を持ってボールを持てるかということと、自分がパスを出した相手が時間とスペースを持ってプレーできるか、というところを考えています。

ーー明日の試合に向けて、どのような準備ができていますか?

FW(のアーダ・ヘーゲルベルグ)はチームメートですし、彼女を抑えることがポイントになると思います。負けたくないですね。スペインよりもスピードとパワーでくる相手だと思うので、そういった面で、経験にしていきたいですね。

ーーノルウェーの攻撃に対して、どのようなところを注意したいですか?

サイドを崩してきて、縦に速く、最後は中にクロスを入れてくるので、(センターバックを)組む選手と話して、最後のところでしっかりボールと相手に体を寄せられるようにしたいですし、その前に、クロスをサイドで上げられないようにすることが大切です。相手の状況やゲームの流れを読みながら、自分たちでゲームの中で修正していきたいです。

千葉園子
千葉園子

MF 千葉園子

ーー今日の練習で、良いスルーパスを通して褒められていました。今、どのようなことを意識していますか?

緊張すると視野が狭くなってしまい、ボールを持つと近くの選手を探してしまうのですが、今日は左サイドでプレーした時に、中に良いタイミングで入ることができて、遠くまで見えました。緊張して追い込まれると周りが見えなくなってしまうので、しっかり顔を上げることを意識しています。

ーー今大会を通して、自身の成長の手応えは得ていますか?

アイスランド戦では、アメリカ戦(2016年6月)とか、スウェーデン戦(2017年7月)の時よりはボールを持って前を向ける場面がありました。ただ、自分で積極的に仕掛けたり、最後のゴール前で飛び込むところなどは、もっとできると思います。

ーー守備面の手応えはいかがですか?

サイドハーフだったこともあって、前からどんどん行くことはできなかったのですが、最初のプレーで思いっきり相手に当たろうと意識していました。相手を背負った時に、引っ張られて振り回されることなく、耐えることができて、その間に(横山)久美がサポートしに来てくれたので、落とすプレーもできました。こういう(体格差のある)相手にもできるんだな、と自信になりました。

ーー育成年代で長い間、高倉監督の指導を受けたU-20出身の選手たちが、なでしこジャパンに入ってきて、チームの雰囲気はどうですか?

若い選手やベテラン選手だけではなく、自分も含めて、監督は色々と話しかけてくれますし、チームの雰囲気も良いです。その場に居やすい雰囲気を作ってくださっているのか、それとも自然とこういう雰囲気になっているのかは分からないのですが、居やすくて、笑顔でいられる時が多くなって来ました。

ーーノルウェー戦に出場したら、どのようなプレーを見せたいですか?

アイスランド戦では、カウンターから裏に飛び出した場面がありましたし、(味方からのロングボールが)相手の頭を越えたらゴールまで行けそうなシーンもあったので、ゴール前は丁寧に、強く、判断良くプレーしたいです。そして、あわよくば、ゴールを決められたら嬉しいですね(笑)。

中里優
中里優

MF 中里優

ーーここまで2試合に出場して、手応えはいかがですか?

1試合目(スペイン)よりは2試合目(アイスランド)の方が自分らしさを出せたかなと思いますが、相手が違いましたし、何もできていなかった(あまり参考にならない)な、と。1試合目の前半は(左)サイドハーフで、ほとんど守備の時間だったので、難しさがありました。2試合目は相手のスピード感が落ちたのもありますが、自分たちがボールを持つ時間帯が長い中で、サポートの位置や味方との距離感を改善できたと思います。

ーー相手のプレッシャーが強い中で、日本の良さを出すためにどんなことが必要だと感じますか?

アイスランド戦でできたことをスペイン相手にもできなければいけなかったと思います。スペイン戦は始め、相手が3バックで来ていて(日本のプレスが)まったくハマらなかったのですが、後半はどこから(プレスをかけに)行くか、ということを修正して、少しは改善できました。試合の中で、早い段階でそういうことを修正していくことが大切だと思います。

ーー試合中、どのようにコミュニケーションをとっていますか?

(私は)大きな声で周りを鼓舞するタイプではないですが、サイドハーフをやっているときはサイドバックの選手とか、ボランチを組む選手と積極的にコミュニケーションをとるようにしています。

ーーノルウェー戦に出たら、どのようなプレーを見せたいですか?

ポジションがどこでも、間に顔を出してサポートをしたいです。自分一人で、大きくスピードのある選手を突破していけるタイプではないので、良い距離感で味方との連携をとって、自分の良さを出したいですね。ボールにアプローチに行くときは、ロングボールを蹴らせないようにしたいですし、セカンドボールをマイボールにできるようなポジショニングを意識したいと思います。

増矢理花
増矢理花

FW 増矢理花

ーー今大会、ここまでの大会を振り返って、手応えはいかがですか?

(出場した初戦は)いいところが一つもなかったですね。相手の(スペインの)方が、(ディフェンスの)寄せ方の距離感が良かったので、思うように攻撃できませんでした。ただ、1試合目の後半から改善されて、2試合目も改善されました。戦っていく中で、話し合ったり、コミュニケーションをとる中で改善されてきているのは良いことだと思います。

ーー代表キャップ数も増えてきていますが、ご自身の変化はいかがですか?

招集されるたびに、同じ課題をクリアできなくて、積み重ねがなくてまた最初からやっている感じなので、もっと、一つひとつをしっかり積み重ねていかなければいけないなと思います。

普段のリーグとはスピードが違う中で、単純なミスをしてしまったり、「相手が速い」、「強い」という先入観で、すぐにパスを出してしまいます。ドリブルを仕掛けたり、ターンをすることよりも、味方を探してバックパスをしてしまったりと、「取られる」と思いこんで消極的なプレーをしてしまうことが反省点ですね。

ーー自分のプレーを、味方選手に理解してもらえている手応えはありますか?

それは、あります。お互いに話をする中で「こういうプレーが得意だよね」ということを言ったり、リーグの試合をした時の話で、「あのプレーはすごかったよね」とか、「あのシュートはどうやって打つの?」という話もしています。

ーー今大会を通じて、特に刺激を受けたプレーはありますか?

アイスランド戦の(長谷川)唯のシュートですね。ボールを持ったらまずシュートを狙うという、プレーの優先順位がゴールにあるからです。それは自分が忘れかけていたことだったのかなと思って、すごく刺激を受けました。唯はああいう形のシュートを決めるイメージがありますね。(2012年の)U-17(女子ワールドッカップ)の時に一緒にプレーした時も、ああいう角度や距離から決めていたイメージがあります。次の試合で出られたら、自分らしいゴールを決められるように頑張ります。

スポーツジャーナリスト

女子サッカーの最前線で取材し、国内のなでしこリーグはもちろん、なでしこジャパンが出場するワールドカップやオリンピック、海外遠征などにも精力的に足を運ぶ。自身も小学校からサッカー選手としてプレーした経験を活かして執筆活動を行い、様々な媒体に寄稿している。お仕事のご依頼やお問い合わせはkeichannnel0825@gmail.comまでお願いします。

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