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これからの教育担当者に必要な5つの能力 連載(2)教育研修担当者は新たなスキルを装備して望め

三城雄児治療家 ビジネスブレークスルー大学准教授 JIN-G創業者

連載企画 これからの教育担当者に必要な5つの能力

(2)教育研修担当者は新たなスキルを装備して望め

教育担当者は、「投資型」あるいは「事業課題解決型」の教育を、自ら企画して自ら実行しなければならなくなった。そこで必要なスキルは大きく分けて5つ存在する。(図表1)

(図表1)

図表1
図表1

●これからはプロジェクトマネジメント力と問題解決力が必須

日本企業の人材開発は場当たり的だと言われる。現場単位で行う教育であれば、その時々の事業課題に応じたものであっても良いだろう。しかし、全社的な取り組みをおこなう責務のある人材開発部門が企画実行する教育はそうであってはならない。企業の人材開発は明確な意図を持って行われるものだからだ。

場当たり的ではない人材開発の実現には「なぜ人材開発をするのか(Why)」を考え、中長期の人材開発目標を明文化する。そこでは、人材をテーマにして、「いつまでに(When)」「どの地域・部門で(Where)」「誰を対象に(Who)」「何を(What)」「どのように(How)」教育していくのかを明示しておくことが重要である。こうした5W1Hの揃った人材開発計画を持ったうえで、現場ニーズに応じて、都度つど柔軟に計画を変更しながら、試行錯誤を繰り返す。

ここで求められる能力はまさに「プロジェクトマネジメント能力」。1年間の限られた予算の中で、計画を変更しながら、プロジェクト目標である中長期の人材開発目標を追いかける能力である。

現場が行う教育は「日常業務」の一貫である。しかし、人材開発部門が行う教育は「日常業務」ではなく、「プロジェクト」であるという視座の高さが必要である。図表2にあるように日常業務とプロジェクトは異なる。貴社の人材開発部門は、人材開発をプロジェクトととらえているだろうか?

次に、日常的なオペレーションは洗練されているだろうか。「研修前」「研修中」「研修後」の3つの場面で、それぞれ最適な活動が行われているかを振り返ってもらいたい。

(図表2)

図表2
図表2

(第3回につづく)

治療家 ビジネスブレークスルー大学准教授 JIN-G創業者

早稲田大学政治経済学部卒業。銀行員、ベンチャー企業、コンサルファームを経て、JIN-G Groupを創業。グループ3社の経営をしながら、ビジネス・ブレークスルー大学准教授、タイ古式ヨガマッサージセラピストの活動に取組む。また、会社員としてコンサルファームのディレクターとしても活動し、新しい時代の働き方を自ら実践し、お客さまや学生に向け、組織変容や自己変容の支援をしている。組織/個人に対して、治療家として、東洋伝統医療の技能を活用。著書に「21世紀を勝ち抜く決め手 グローバル人材マネジメント」(日経BP社)「リーダーに強さはいらないーフォロワーを育て最高のチームをつくる」(あさ出版)がある。

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