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早稲田大学ラグビー部、後藤禎和監督 続投の決意と今季初戦を語る【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
記者会見中の後藤監督(写真左)。ナンバーエイト佐藤穣司副将と。

大学日本一の回数では歴代最多の15回を誇る早稲田大学ラグビー部は5日、東京・秩父宮ラグビー場で関東大学春季大会初戦に挑んだ。流通経済大学に35-34と辛勝し、就任4年目の後藤禎和監督は手応えと反省を口にした。序盤から大きく球を動かす攻撃を披露するも、落球やパスミスから失点を重ねていた。

大学選手権では、帝京大学が6連覇中。早稲田大学は2008年度以来、頂点から遠ざかっている。

以下、公式会見中の後藤監督の談話。

「今季最初の公式戦。多くは求めず、(新チームの始動から)3ヶ月、やってきたことの成果を求めました。具体的には、2点です。身体作りをしてきたので、相手にいた外国人選手と対峙した時に負けないことと、取り組んできたアタックを機能させること。前半、アタックに関していいシーンがあった(35-12とリードして折り返す)。点の取られ方に非常に不安感があって、ハーフタイムに指示をしました。ただ、後半になると相手のディフェンスがこちらに対応してきて、我々は逆に、そこへの対応に後手を踏んだ。無理攻めしたところをあおられて、ターンオーバーを許して…と。まだまだ若いチーム。判断力を1年間かけて磨こうとしている。トライ数は負け(5本対6本)。実質、負けだと反省しています」

――(当方質問)深く幅広いラインを作り、自陣からオープン攻撃をしていました。今季のスタイルの意図は。

「大きく動かして、空いたスペースへ有効にボールを運ぶ。そのなかで、相手(守備ライン)が上がってくれば裏にキック…。判断をして有効に相手のディフェンスを崩す。簡単に言えば、そういうことを目指しています」

――今季、楽しみな選手。

「きょうの後半から出した宮里(侑樹・フランカー)、U20(20歳以下日本代表)の桑山(聖生・ウイング)…。1年生は一般受験を含め、レベルの高い選手が入っている。まだまだ2、3人は入ってくる。上級生は、1年生の頃は…という、1回辞めさせたような選手も這い上がってきている。まぁ、雑草? 彼らと下級生がしのぎを削って、いいチームができればいいなと」

――スクラムハーフ岡田一平主将は。

「東日本セブンズ(4月19日・秩父宮)での怪我で、1ヶ月は戻らない」

――昨季終盤、新人ながら先発したスタンドオフ横山陽介は、きょうはベンチスタートだった。

「去年、膝の手術をした時、(患部に)金具を入れたままの状態だった。(オフに)それを抜く手術をしていた。復帰してまだ間もない。あとは、純粋に(この日先発した)浅見(晋吾)との競争の結果、2番手だった。(横山はロングキックが得意だが)今年はキック力に頼るラグビーをしない。判断力やプレーの精度、ディフェンスの強さを求めています」

――身体作り。

「村上コーチ(貴弘・昨季まで日本代表に従事)に一任。食事からトレーニングまでコーディネートしてもらっている。去年以上にきめ細かくマネージメントしてもらっている」

――(当方質問)一部報道では、続投か辞任かで揺れていた時期もあったようですが、いまの心境は。

「…まぁ、続けると決めた以上は日本一を狙う。そのための具体的なプランを立てて、いまはそれを実行しています」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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