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サンウルブズ、マーク・ハメットヘッドコーチ。初練習後の声「一緒に…」【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
写真右がハメットヘッドコーチ。

世界最高クラスのリーグであるスーパーラグビーへ今季から参戦する日本のサンウルブズが、2月8日、本格始動。愛知・トヨタスポーツセンターでの全体練習を公開し、共同取材に応じたマーク・ハメットヘッドコーチは「皆の熱意があったのはよかった」と振り返った。

この国最初のスーパーラグビークラブであるサンウルブズは、3日に都内でメディカルチェックを開始。他チームよりやや短い約4週間での準備で開幕を迎えることとなる。主力格である堀江翔太は「早くチームのラグビーを選手同士で理解して、(若手などに)アドバイスできるところはしていきたい。色んな選手の『こうした方がいい』という思いも引き出していけたら」と話していた。

午後の公開練習では、パスの供給源の周りに複数のランナーが集まる「シェイプ」という攻撃戦術、ボール保持者のぶつかる体勢を確認。とくに後者はハメット自らが指導にあたった。タックルされたボール保持者が球を懐に隠し、ほふく前進の体勢となるよう強調した。初日とあって全体練習にミスが散見されたなか、「次の練習ではそこへテクニックとビジョンを追加して欲しい」と言った。

チームは13日に国内最高峰のトップリーグ選抜との壮行試合をおこない(愛知・トヨタスタジアム)、27日の開幕戦を見据える(東京・秩父宮ラグビー場/対ライオンズ)。

以下、テレビカメラを前にしての一問一答(一部編集)。

囲み 一部編集

――初練習を終えての感想をお願いします。

「先ほど、円陣のなかでも言ったのですが、熱意が非常に良かった。そこに、次はテクニックとビジョンを追加することが大事だと伝えました」

――午前中のミーティングではどんな話を。

「使うパターン、シェイプの説明をしました。フォワードはラインアウトに時間を使って、バックスはスタートアタックも確認。頭のなかは情報で一杯かもしれません」

――練習内容について。

「ボールキープ力が優れていないといけません。そのためご覧になられた通り、コンタクトに関する練習をしました。最小限の人数でどうボールを確保するか、その意識づけです。なぜそれをするのかというと、日本代表のようにボールを動かす展開をしたいからです。そんななか、(自分たちより)身体の大きい選手を相手にボールキープをし続けることは、必要不可欠です」

――開幕まで、準備期間は短い。

「理想的ではないですが、仕方ない。どんなチームでも、結束力は必要。持っているスキルと結束力が組み合わさらなければならない。そして、その結束力を作るには時間がかかります。目指すのは、1日も早く結束力を作り上げること。大会が進むにつれてチームは成長すると思いますが、まず大切なのは結束力を高めることです」

――チームの戦い方を作るにあたり、選手たちとの個別面談の内容は反映させたか。

「いいコメントは出ていました。日本のために、サンウルブズのためにと、情熱的な言葉がたくさん出てきました。まずチームがどういう表現をしたいか、次の人たちのために残すレガシーについて考えています。何年か後にビールを飲みながらこのチームのラグビーを観た時、2016年にしっかりとした土台作りができたと言えるように…。皆さんが憧れるようなチームを作っていきたいです。

チームは、いるメンバーによって作り上げられる。そしていまはお互いを知ろうとしているところです。自分にとっての一番いい文化は、ルールやプロトコルを知っている選手がいる状態です。そのなかに、選手それぞれの個性が集まる、と」

――(当方質問)選手からもプレーについて意見を出したいと話していますが、そのことについては。

「本当に、そういった話は聞いていきたいです。自分からだけの発信で、それを信じてもらえなかったら、ごく平均的な出来高に終わってしまいます。一緒に、やっていかなければなりません。(選手の意見には)賛成できる時もあれば、反対する時もあると思います。お互いがリスペクトしてできれば問題ないと思います」

――チームのスローガンは。

「ブレイク・ザ・ラインです。この先2週間の練習でチームの形を構築させたいです。きっと(選手やスタッフから)色々な提案も出てくると思うので」

――13日にトップリーグ選抜と試合をします。位置づけは。

「選手は、全員、使いたいです」

――(当方質問)チーム作りの上で頼りになりそうな人間は、誰でしょうか。

「何人かいるとは思います。ただ、いまはお互いを把握している段階。2、3週間後に聞いてもらえれば、いい答えが出せると思います」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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