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サンウルブズ初戦前ですが…。山田章仁、運営側に苦言!「言わなきゃなぁ」【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
ランニングコースを見定め、用意されたステップを瞬時に繰り出す。(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

南半球の強豪クラブが集うスーパーラグビーへ日本から初参戦するサンウルブズは、2月27日の開幕戦(対ライオンズ/東京・秩父宮ラグビー場)に臨む。昨秋のワールドカップイングランド大会でも活躍したウイングの山田章仁は、試合会場での前日練習後に運営側への苦言を呈した。

身長182センチ、体重88キロの30歳。国内所属先のパナソニックでは日本最高峰トップリーグのプレーオフで3度のMVPに輝くなど、勝負強さに定評がある。突破した味方への絶妙な援護やボールを持たぬ際の連携やポジショニングで、持ち前の器用さやボディーバランスを最大化する。奇抜なヘアスタイルやアメフト挑戦でも話題をさらったが、かねて体制批判と取れる提言は控えてきた。

昨季はウェスタン・フォースの一員としてスーパーラグビーに挑んだ山田だったが、明日が公式戦初出場となる。

以下、18日の秩父宮の正門前での一問一答(一部)。

――(当方質問)明日は本番。

「楽しみでしょうがないです。予想した以上にチームがまとまっている。まだ試合をやっていないので、試合をやって、課題を見つかって…そうしてチームが完成するのかなと思います」

――(当方質問)15~22日の沖縄合宿では、コーチと話し合う場面も。

「そうですね。まだ試合をやっていないので何が正解なのかはわからないですけど、できる限りの準備はしています」

――(当方質問)25日の都内での練習は、風邪で欠場。

「あと、2割ぐらいです」

――スーパーラグビーのデビュー戦に際し。

「海外の選手にはサンウルブズをスーパーラグビーのチームだと認めていない人もいるかもしれませんけど、明日は結果を残して、堂々と胸を張って言えるように。他のメンバーも含め、自信を持ってシーズンを臨めるように、いいスタートを切りたいです。僕自身は、トライを取ることにこだわっていきたい。記念すべき…ということは考えないですけど、いいトライが取れたら」

――「砂のよう」と揶揄されていた秩父宮の芝生、張り替わっていました。

「でも、きょうも躓きました。そこのところは協会の方もしっかりして欲しいですね。段差もありましたし。怪我のリスクもあります。準備期間もスムーズに行っていなかったので、選手としては声を大にして言うべきかと」

――(当方質問)そういった発言、控えてきたはずでは。

「言わないと始まらないかな、と」

――(当方質問)ちなみに、荒れた芝の上で軽快なステップを踏んでこれた理由は。

「いままではスパイク(のポイントの長さ)で調節したり、足場の悪いところではキックを蹴ったりしていました。ただ、グラウンド状態がいいとそんなことを考える手間が省ける。グラウンドの問題は、大きいと思います」

――チームの目標。

「去年、スーパーラグビー入り10周年のフォースが1勝、ですよね。1勝で。でも、フォースも惜しい試合がありました。今度のサンウルブズは、メンバー的にはフォースに劣る感じはしないですし。(選手の国際)経験だけはどうしても足りないですが、上手く埋めていきたい」

――ライオンズ戦への展望。

「僕らが動き回る。相手はそれに慣れていない」

――相手は来日して間もない。

「僕らも(沖縄)から東京に戻ってそんなに日にちが経っていない。だから残念ながら、その辺のメリットが薄れてしまったかな、と。そこらへんも、協会の方にも考えていただけたらと。差を作るとしたら、ラグビーで」

――(当方質問)「言わなきゃしょうがない」。なぜ、そう思いましたか?

「言っても変わらないかもしれませんけど、言いたいから、言おうかなと。世界で戦ううえで、去年(イングランド大会)までの4年間がどれだけ大変だったか。皆、それががわからないから、こういうことになっているのだと思いますし、それでエディーさん(ジョーンズ前ヘッドコーチ)も辞めちゃったのだと感じます。エディーさんは(辞意で)メッセージを残したと思いますが、伝わっていないのは寂しいです。皆さんの立場上、問題ないのなら、是非、記事にしていただければ」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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