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人間関係を良好に? 日本代表&サンウルブズの村田毅、新しい「問題」の捉え方。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
ワールドカップ期間中は、緊急招集に備え酒を飲まなかった。(写真:アフロスポーツ)

当事者でありながら、物事を俯瞰する。全ての人間関係をこう捉えられたらどんなに楽か。ラグビー日本代表の村田毅が、そんなできるようで難しい発想で直近の問題を語った。

慶應義塾大学を経てNEC入りした、身長185センチ、体重103キロの27歳だ。黒子役のフランカーとして、接点での低く鋭いプレーをアピールする。

日本代表としては、これまで6キャップを取得してきた。昨年はエディー・ジョーンズ前ヘッドコーチのもと、1日3部練習は当たり前の宮崎合宿に挑んだ。しかし、秋のワールドカップイングランド大会はバックアップに回った。落選が発表される5日前、チームを離れている。

今回は4月30日、神奈川・ニッパツ三ッ沢球技場で韓国代表とのアジアラグビーチャンピオンシップ初戦を85-0で大勝。しかし、試合会場近くから東京都内の合宿地に戻った5月1日、突然、同日限りでの離脱を命じられる。

かねて契約していたサンウルブズ(国際リーグのスーパーラグビーに日本から初参戦)のリクエストで、5月2日午前はサンウルブズの練習などに参加。日本代表への再合流は未定とされながら、サンウルブズの練習所で、同日午後の日本代表への再合流を指示された。いわゆる、行ったり来たりの状態である。同じ立場の選手は他にもおり、一様に苦笑していた。

今回の日本代表には、イングランド組がひとりもいない。サンウルブズから招集されたメンバーも、スーパーラグビーでの出番が限られた選手だった。

サンウルブズと日本代表の合同練習があった5月3日、村田が都内のグラウンド脇で単独取材に応じた。一部スポーツ紙でも大きく取り上げられた日程調整のトラブルについて、異質な見解を示した。

以下、一問一答の一部(質問は全て当方。編集済み)。

――何度も聞かれたかと思いますが、5月1、2日の気持ちをお聞かせください。

「僕は割と、あぁ、こんなこともあるんだという感じで捉えていました。確かに移動とかは大変でしたけど、サンウルブズが上だというのなら、少しでも上でやれるチャンスがあれば挑戦したい。周りが揉めているほどのことではなく、僕らは切り替えています」

――あえて問題があるとしたら、離脱と再合流が当日に知らされたことくらいでしょうか。

「そうですね。まぁ、これだけ(報道などで)騒がれたら、今後は少し良くなるんじゃないですか。僕らを踏み台にしてでも、来年以降に良くなればいいです。僕らがおっさんになって、『俺らん時はそんな感じだった』と笑い話ができれば」

――飲酒時に聞いたら、泣いてしまうかもしれません。

「ハハハハ! いや、全然です。僕らは(最前線に)残るかどうかの当落線上にいる選手なので、こういうことは、あるものかなと」

――いまの日本代表の中竹竜二ヘッドコーチ代行、いかがですか。

「ミーティングで、僕らの気持ちの持っていき方を助けてもらってます。(今回のことも)何でなんだよと捉えている選手はもういないと思います」

――村田選手は昨季終了時に手術。5月から本格復帰を果たしたばかりですが、フランカーの位置には国内外から名手が出現しています。サンウルブズでも日本代表でも、定位置争いが激しいですね。

「ようやくスタートラインに立ったところで、こんな状態。バックロー(フランカーとナンバーエイトの総称)にはどんどんいい選手があふれてきますが、その流れに呑まれずに、乗る。他の選手との争いがどうというより、自分の考えるベストプレーヤーになれるようにします」

――自分にとっての「ベストプレーヤー」。どんな選手ですか。

「コンタクトフィットネス、仕事量、しぶとさ…。何か、簡単に言えないというか…。ただ、そこを目指すって感じです。この間の試合に出たことも嬉しくて。復帰までに関わってくれた人たちにも、恩返しがしたいです」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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