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「一番イライラしているのは…」。松島幸太朗、スコットランド代表戦出場に慎重。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
ワールドカップイングランド大会でのスコットランド代表戦にも出場。(写真:アフロ)

4年に1度あるワールドカップの自国大会を2019年に控えるラグビー日本代表は、6月25日、東京・味の素スタジアムでスコットランド代表とのテストマッチ(国際間の真剣勝負)をおこなう。21日、怪我で出場に黄信号がともっている松島幸太朗が取材に応じた。

同カードは18日にも愛知・豊田スタジアムであり、日本代表が13―26で敗戦。前半8分にターンオーバーからの速攻でトライを決めるなど応戦も、一時退場処分が重なり13人でプレーする時間もあるなど反則に泣いた。球を持ち込んでのミスもかさみ、後半残り25分間は無得点だった。松島は前半15分、途中交代を余儀なくされた。以前から状態の悪かった左太ももに強い痛みを覚えた。

松島は桐蔭学園卒業、南アフリカのシャークス傘下にあるアカデミーへ挑戦。ジンバブエ人の父を持ち、幼少期を過ごした南アフリカのプレトリアでラグビーと出会った23歳で、身長178センチ、体重87キロの体躯で相手をしなやかにかわす。守っても低いタックルで魅せる。

今季は国際リーグであるスーパーラグビーのレベルズでプレー。ここまで12戦中5戦で途中出場を果たしている。

以下、一問一答(編集箇所あり。全て当方質問)。

――左足太もも。試合のどの瞬間、痛めたのでしょうか。

「バッキング(守備網のカバー)に行った時に…。(状態を悪化させるような)嫌な予感はしました。(その場で)ストレッチや軽いジョグをしてもいい状態にはならなかったので」

――いまは。

「痛みは引いていて、あとは違和感との戦いです。大きなけがにつながるかもしれないですし、無理はできない。イメージとしては、(放置しておけば)肉離れになる可能性はある、という感じです」

―― 一部報道では、「100パーセントの状態にならなければ」「ベストな状態の選手が出場しないとチームに迷惑がかかる」との発言がありましたが。

「そうですね。万全な人が出たほうが…と」

――先ほどの話でいえば、将来のことを考えたら万全な状態になるまでグラウンドに戻らないという決断が必要のようですね。

「はい。ただ、一番思っているのは、(悪いコンディションで試合に出て)チームに迷惑をかけたくないということです」

――とはいえ、自分が出たいことも確か。

「出たいです」

――出場に向けて、どんなアプローチを。

「とりあえずいまは治療をすることです。ウェイトトレーニングをしても変わらない(劇的な変化は望めない)ので、まずは治療を優先します」

――皆と練習ができない。精神的に辛いのではと感じます。

「落ち込んだりはしていないですけど、怪我をして一番イライラしているのは自分です。大事な時に怪我をしてしまって悔しいというのは、ありますね」

――出場したら、どんなプレーがしたいですか。

「雨が予想されている。その分、(ボールが滑ってパスがつながりにくくなる分)キックも増えると思う。そこらへんの処理については、100パーセントに近い数字を出したいです」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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