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スコットランド代表に2連敗。日本代表会見はレフリングへの辛口に終始。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
両軍、笛に苛立ち乱闘モードにも。(写真:アフロスポーツ)

4年に1度のワールドカップ日本大会を2019年に控えるラグビー日本代表は6月25日、東京の味の素スタジアムで欧州6強の一角であるスコットランド代表と対戦。2連戦の第2試合目となった今回は、後半9分には16-9とするなど優位に試合を進めながら、終盤、じわじわと差を詰められる。後半30分に勝ち越され、最後は16-21と屈した。

この日のマリウス・ミトレアレフリーは、判定基準への対応の難しそうな人だった。スクラムで押し込んだ側を反則とすることも多く、最前列中央で組むフッカーの堀江主将も、「話を聞いてくれない感じではあった」と認めた。

以下、試合後のマーク・ハメットヘッドコーチ代行と堀江翔太キャプテンの会見中の一問一答の一部(編集箇所あり。※は当方質問)。

ハメット

「今回、誇りに思う戦いができたと思います。先ほどスコットランド代表のコーチ陣と話したが、優れた側が勝ったわけではないと合意しました。しかし、テストマッチに負けたという結果が残りました。

この2回のテストマッチ(国際間の真剣勝負)を通して、(一時退場処分に相応しい)無礼な扱いを受けたところがある。後半、アタックで明らかに不利な状況に立たされた。不公平だった感はぬぐえません」

堀江

「結果が出ていないので残念。どの選手も満足はしていない。どれだけディシプリンが必要かと、それがわかった。ここから自分にベクトルを向けて上を目指せるか…。選手も責任を持って能力を上げないといけない。若い選手(今春から代表入りした松田力也や小瀧尚弘ら)がクロスゲームでこういう経験できたのは、非常によかった。新しい選手が入って来て、こう、色んな経験を経て自分の足りないところに気づくはずだと思うので。

前回ワールドカップに行ったベテランも、もっとやらなきゃいけないと、この試合でわかったと思う。目の前のこと、先のことを見ながら、次の試合に向けて頑張って欲しい」

――レフリーとのコミュニケーション、いかがでしたか。

堀江

「話を聞いてくれない感じではありました。でも、そういうレフリーもいるのは事実。グラウンドに立つ以上はレフリーが絶対。(問題のあった箇所は)数えたら色々あるけど、それを言ったら言い訳になる。ただ…合わせるのが難しかったかな、と」

――今後、どんなレフリーでも味方に付けてしまうための準備も必要かもしれません。どうしていきたいですか(※)。

堀江

「(試合前の)ロッカールームで(担当レフリーと判定について)話すのがいいのかもしれない。ただ、それもし過ぎてしまうと…(かえって悪印象をあたえてしまう)。こういうことを、色々と試していった方がいいとは思いましたね」

――レフリングで「無礼」とは、相当怒っているようだが。

ハメット

「今回、私はあくまで代理としてこの日本代表を観た。だから、自分がどういう発言をするかで今後に影響を及ぼすことはないと思って、その前提で話しています。日本の選手はどれだけ頑張っていて、賢く戦っているのに、世界にそれが示されていない、と感じました。

(一方で)優れた選手はレフリーを操作できる。質問を投げかけたり、話したりできる。日本人は、下された判断を非常にリスペクトしてしまっているところがあると思います。そこら辺の強引さが養われれば変わると思います」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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