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スコットランド代表に2連敗。立川理道副キャプテン、日本代表の道しるべ語る。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
身長180センチ、体重95キロの体躯でゲインラインを切る。(写真:アフロスポーツ)

4年に1度のワールドカップ日本大会を2019年に控えるラグビー日本代表は2016年6月25日、東京の味の素スタジアムで欧州6強の一角であるスコットランド代表と対戦。2連戦の第2試合目となった今回は、後半9分には16-9とするなど優位に試合を進めながら、終盤、じわじわと差を詰められる。後半30分に勝ち越され、最後は16-21と屈した。

試合後、インサイドセンターに入った立川理道副キャプテンが口を開いた。この日は両軍通算唯一のトライの際に自陣ゴール前右ラインアウトから大きく展開するなど、周囲とのコンビネーションで球を首尾よく差配していた。

国際リーグのスーパーラグビーへ日本から初参戦するサンウルブズでも、主軸として活躍する26歳。昨秋のワールドカップイングランド大会で3勝を挙げたチームでも全試合に出るなど、今後のキーパーソンとなりうる。

以下、試合後の取材エリアでの立川の一問一答(編集箇所あり。※は当方質問)。

――6月のツアーは3戦1勝。とはいえスコットランド代表とおこなった2試合も、敗れたものの接戦でした。

「短い準備期間(6月4日に始動)でもリーダー陣がしっかりしていた結果。2015年を経験したメンバーがそういうこと(勝者に必要な文化)を伝えられた。ただ、ここで満足したら悪い流れに陥る。テストマッチ(国際間の真剣勝負)に勝つことの重要性も、しっかりと把握していかないと」

――この日唯一のトライまでの攻撃、振り返ってください(※)。

「チャンスがあればアタック。それは試合前から話していました。(相手の防御に)スペースがあることはわかっていて、(スタンドオフの田村)優さん、アウトサイドの選手がしっかりと声を出してくれていたので、その後にトライまで行けた。全員がスペースのあるところを共有できた」

――サンウルブズでの経験、どこで活きているか。

「相手にびっくりしないといったらおかしいですけど、フィジカルの部分での当たり慣れはある。スクラム(フォワードが8対8で組み合う攻防の起点)も、組まない僕はわからないけれど安定しているなと思いました。きょうも安心して観ていられました。垣永(真之介、最前列で組むプロップ。24歳)など、サンウルブズにいる若手の選手が伸びてきているんだと思います」

――2019年への課題は。

「2019年を見据え過ぎても…です。テストマッチは次々とやって来るので、目の前の試合を1つひとつ戦う。ジェイミー(ジョセフ新ヘッドコーチ)が来てから、2019年に向けた話も出てくるとは思います。それに対し、セレクションされたメンバーが一生懸命やるしかない。

今回のジャパンでは、ハマー(サンウルブズのマーク・ハメットヘッドコーチ)がヘッドコーチを代行してくれた。短い時間でも、チームになれた。サンウルブズに入っていない代表選手にも、いい選手がいました。僕らサンウルブズも、日本代表も、もっと強くなれると思いました」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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