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日本代表&サンウルブズの堀江翔太キャプテン。食事、施設、試合時間の提言。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
飾らぬフレーズで核心を突く。(写真:アフロスポーツ)

6月のツアーを終えたラグビー日本代表の堀江翔太キャプテンは、現在、国際リーグのスーパーラグビーのシーズン再開に備えている。6月28日、日本から初参戦するサンウルブズの船頭役として、代表活動のレビューと今後のラグビー界への提言をした。

エディー・ジョーンズ前ヘッドコーチ体制下では副キャプテンを務め、昨秋のワールドカップイングランド大会で3勝を挙げた。国際経験が豊富で選手からの信頼も厚く、その知見には注目が集まっている。

サンウルブズは7月2日、ワラターズとの第15節(東京・秩父宮ラグビー場)を控えているが、堀江は左ひじの故障の影響でリハビリに専念している。

以下、28日の練習後の一問一答の一部(編集箇所あり。※は当方質問)。

――きょうの練習は休んでおられました(※)。

「左ひじの調子が良くないので、リハビリを。試合(25日に味の素スタジアムでおこなわれた日本代表対スコットランド代表戦)が終わってから肘が腫れていた。順調に良くなっているとは思うんですけど」

――普通に動かすことは…。

「普通に動かすのも、きつい感じですね。少し腫れたりするんで。(精密検査は)しました。骨には異常がなかったんで、よかったです」

――次のワラターズ戦への出場可否は(※)。

「まだわからないですね。(マーク・ハメットヘッドコーチが選ぶ)メンバーも決まってないですし、僕自体のコンディションの話(問題)もあるので」

――疲労は。

「試合が続いているので、たまっているとは思います。ハル(立川理道・日本代表副キャプテン、サンウルブズでも同種の役割を担う)なんて、ずっと出ている。そういう出続けている選手の疲労はたまっていると思いますよ。コンディションを整えながらやりたいですよね」

――仲間と実際に話せば、その疲労を実感したり(※)。

「疲れているは、疲れていますよ。正直に言うと。でも、試合は続くのでそうも言っていられない。試合に向け、コンディションは合わせると思います」

――堀江選手の怪我も、連戦と関係していますか。

「どうなんですかね。データで見たら、何か出てくるかもしれませんが」

――今季通じて、身体のケアには苦労したのでしょうか。

「途中から(サンウルブズの)トレーナーが2人になったけど、1人だった時はトレーナーもキツかったんじゃないですか。僕自身は途中で(個人トレーナーに)ケアしてもらったりしていたので、それなりに」

――モチベーションは。

「その維持はできていると思います。練習の強度の上げ下げも、スタッフが上手いこと考えてくれていると思うんで」

――ワラターズ戦後は、2度目の南アフリカ遠征があります。前回の反省を踏まえて(※)。

「日本食の部分は、準備できているんじゃないですか。僕らが準備することじゃないですが(前回の約3週間の遠征中は、ホテルの食事が不十分なうえ選手の要望していた日本食が出なかった)。要望は出したので、あとは、運営サイドでしょう」

――サンウルブズ初年度の取り組みへの評価は。

「まだ最後まで終わっていないんでわかりにくいですけど、皆、ポジティブに頑張っているんじゃないですか」

――開幕前に言っていた目標の「1勝」は果たしましたが。

「目標は変わるもので、いまは2勝目、3勝目を挙げなきゃいけないと思っている。誰も満足はしていないんじゃないでしょうかね」

――来年に向けての土台は作れましたか。

「これを土台にしなきゃいけないですよ。来年、誰が監督、コーチ、選手をするかはわからない。でも、ここをベースにしないで全くゼロにするのは、アホやと思う。今年のどこが良かったか、悪かったかをしっかり挙げて、次に伝えないと」

――そう。堀江選手だって、来年以降もプレーするかは現時点ではわからない(※)。

「そんな色々な話はまだ、していないです。もし(サンウルブズを含めた複数のチームから)話が来たら、フラットに考えたいです」

――他のチームにあるクラブハウスが、サンウルブズにはありません。

「あった方がいいですよね。クラブハウスとかは。選手がいつでも来て、ケアできて、トレーニングできて…という風になりますし。いまは(拠点からグラウンドまでの)移動時間も食ったりしているんで、それを含めて、いいところ、悪いところは来年に繋げないとだめですよね」

――来年のスケジューリングも、スーパーラグビーの合間に日本代表の活動が組まれる形になりそうです。それを踏まえて、次はどんな準備をすべきだと思いますか(※)。

「個人個人の試合数と試合時間は、調整しながらやっていった方がいいですよね。ずっと出ていると選手が壊れたりしたら、かわいそうなので。そういう話はしていって欲しいですよね。日本代表を上に置くのであれば、サンウルブズの試合(選手ごとの出場時間など)は調整しなければならないでしょうし、その辺は日本協会が力を持ってやっていった方がいいですね」

――堀江選手は2013、14年にオーストラリアのレベルズでスーパーラグビーを経験しています。当時は。

「あぁ、そうですね。オーストラリア代表の選手は出たり、出なかったりというのはありました。調整していたと思いますよ。ニュージーランドは、代表で試合に出た選手に数試合の休みを与えなきゃいけないことになっているんで」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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