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パナソニックのロビー・ディーンズ監督&堀江翔太キャプテン、開幕黒星の弁。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
2月から7月はサンウルブズでプレーしていた堀江キャプテン(写真中央)。満身創痍。(写真:アフロスポーツ)

日本最高峰のトップリーグで4連覇を目指すパナソニックは、8月26日、東京・秩父宮ラグビー場でヤマハとの開幕節で21―24と屈し、黒星スタートを切った。

試合後の公式会見では、ロビー・ディーンズ監督と堀江翔太キャプテンが、敗因と光明を語った。この日は相手のスクラムに手を焼き、試合中盤まで主導権を握られた。

以下、試合後の記者会見での一問一答の一部(一部編集箇所あり)。

ディーンズ監督

「非常に素晴らしい開幕戦でした。激しい試合で、2つの誇らしいチームが戦った。パナソニックはセットピースが厳しい状況下、よく戦った」

堀江 

「うーん、まぁ、負けた理由はスクラムでしょうね。そこで向こうの方がまとまって練習をやって来たと思うんで。

向こうにはやり込む時間がたくさんあって、僕らは合い切れていないところが出たかなと思います(国際リーグのスーパーラグビー参加組など、8月に本格合流した選手が多数)。

ただ、若い選手(先発スタンドオフの山沢拓也は筑波大学の4年生)がいるなかでこの点数に抑えたのは誇りに思っているし、何かが足りないかをしっかり考えてやる必要がある。負けた悔しさだけは残して、次にどう動くか、しっかり考えていきたい」

――スクラムについて。

堀江 

「向こうのプロップがアーリーフット(鋭い仕掛け)で入って来るのに対して、前3人が対処できなかった。途中、川俣(直樹、リザーブ)が入って少し対処でき始めたんですけど、最後まで…」

――後半の途中、修正されそうにも見えましたが。

「そうなんですけど、1本、雨で芝が濡れていたことから滑って。その前にやられ続けていたことがレフリーに印象付けられて(続けてパナソニックの反則を取られた)」

――山沢選手のパフォーマンスについて。

ディーンズ監督

「開幕節という厳しい試合を鑑みて彼らのパフォーマンスを振り返ると、きょう出た新人は皆よくやりました。彼らはよくやったと思います。

山沢については、将来性のある選手。森谷もそうです。いずれも大きな怪我から戻って来た選手でもありますが、しっかり戦ってくれた。彼らはこれから、皆さんにたくさん見てもらうことになる。

きょう6人の若い人がワイルドナイツキャップを獲得しました。こういう選手たちがこれから先、長くこのチームのために戦ってく。長い期間、チームとして練習をするなかでコンビネーションは良くなる。しかし、ヤマハさん素晴らしいプレーでした。おめでとうございます」

――試合終盤からは、インサイドセンターのベリック・バーンズ選手がスタンドオフに入るなどして追い上げました。グラウンド内ではどんな修正を施しましたか。

堀江 

「スクラムのところだけを耐えれば、修正すれば、こっちに流れが来ると思っていました。ただ、なかなか修正できなかった。それは、僕のプロップへの指示がもっとうまくできたらなと反省しますね」

――攻撃をすれば、点数を取れていた印象ですが。

堀江

「とは、思うんですけどね…」

ディーンズ監督

「きょうは我々がここまで準備したなかで、一番いいコンビネーションで試合をした。(オーストラリア代表経験者の)タンゲレ・ナイヤラボロも合流して間もなかったです(途中出場からインパクトを示す)。ただ前半、自陣でプレーをし過ぎた。自陣で相手ボールスクラムからペナルティーを犯して、後手を踏んだかなと。山沢がプレーをしている間でも、相手陣に入ったらチャンスは作れた」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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