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「ジャッカル」生みの親、ジョージ・スミス。3季ぶりの日本復帰で何を感じた?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
開幕節では得意技のジャッカルで相手の反則を誘うなど、持ち味を披露。(写真:アフロスポーツ)

国内最高峰のトップリーグにおいて2011、12年度と2季連続でリーグ戦MVPとなったジョージ・スミスが、3シーズンぶりの日本復帰を果たしている。

古巣のサントリーに復帰し、開幕から3戦連続で先発出場中。9月17日には、東京・秩父宮ラグビー場で3連覇中のパナソニックと戦う。前年度9位からの復権を誓うチームにあって、その勝負強さが期待される。

身体をぶつけ合うフォワード第3列を任されるスミスは、身長180センチ、体重104キロと国際クラスにあっては小柄。しかし、これまでオーストラリア代表111キャップ(国際間の真剣勝負への出場数)を取得してきた。

密集戦で相手の持つ球へ絡みつくプレースタイルから、獰猛な動物の名にちなんで「ジャッカル」との異名を頂戴した。いまでは他の選手がした同様の動きも「ジャッカル」と呼ばれており、スミスは自らのニックネームを一般的なスキルの名称に変えたこととなる。

サントリー退団後は、フランスのリヨン、イングランドのワスプスを渡り歩いた。昨季はイングランドの選手協会が選ぶ年間最優秀選手賞にも輝くなど、36歳にしてまだまだ元気である。

9月某日、東京都府中市にある練習場で単独取材に応じた。自身やチームの充実ぶりや、日本ラグビーへの思いなどを明かした。

以下、一問一答(編集箇所あり)。

――久しぶりの日本、いかがですか。

「サントリーのラグビーを楽しんでいます。コーチングスタッフがサントリーでやろうとしていることもいいと思いますし、私もこうしたジャパニーズスタイルのラグビーが好きです。日本のラグビーは、欧州と比べるとフィジカル面では劣るかもしれませんが、試合のスピード感は、速い。国や大会によって色々な特徴があることを、改めて学んでいます」

――欧州で学べたことは。

「リヨンは、常に上へ行こうとしているチームでした。そこでの競争に参加したことで、精神的な成長ができました。イングランドでは、ディストリビューター(配球役)になってボールを動かすという役割を果たしました。周りにいいボールキャリーがいた。自分の発信によって、彼らを走らせられた」

――そして、サントリーに復帰。関係者には「最高のコンディションだ」と語ったようですが。

「いい感じです。日本の試合のためのコンディションを維持できていると思っています。もちろん、バックロー(フォワード第3列)としてはもっとフィットしたいですが」

――昨秋のワールドカップイングランド大会で、男子15人制日本代表が3勝を挙げました。ジョージさんがいない間に、この国のラグビー界は変わりましたが。

「日本のラグビーにとってすごくいいことだと思っています。昨年のワールドカップで最高の結果が残された。リオデジャネイロ五輪でもいいことが起きた(男子7人制日本代表が4強入り)。(世間の)日本ラグビー界へのサポートが変わったのかな、と感じます」

――15人制の日本代表ではいま、ジェイミー・ジョセフ新ヘッドコーチが就任しました。

「2年前はハイランダーズを率いて、スーパーラグビー(国際リーグ)に優勝している。面識はありませんが、成功しているコーチだと思います」

――エディー・ジョーンズ前ヘッドコーチ時代は、オーストラリア代表で監督と選手だった間柄もあり臨時コーチのようなこともされていましたね。現政権下でそれを託されたら、どうしますか。

「いまは選手なので、まずはそこにフォーカスします」

――改めて、選手としてのいまの目標をお伺いします。

「皆と、サントリーの成功をもたらしたいです。いまはコーチングスタッフ、スコッド(選手)もいい状態です。シーズンは始まったばかり。大きな夢を持って、その夢へ向かっていきたいです」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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