好調サントリーのツイ ヘンドリック、「試合数問題」の解消には強豪国を参考に?【ラグビー旬な一問一答】
昨秋のワールドカップイングランド大会の日本代表として歴史的な3勝を挙げたツイ ヘンドリックは、現在、国内最高峰のトップリーグでプレー。サントリーの一員として、開幕4連勝と好調を維持している。日本国籍を取得しているため、外国人枠に左右されない。
今季は2月から7月にかけ、国際リーグのスーパーラグビーに加盟するレッズに在籍。オーストラリアはブリスベンを拠点とするこのチームでも、身長189センチ、体重107キロのフランカーとしてレギュラーとなった。
日本では帝京大学、パナソニックを経てサントリーに在籍する28歳。レッズでは、新加入のフルバック五郎丸歩もチームメイトだった。
9月27日、東京都府中市のサントリーグラウンドで単独取材に応じ、スーパーラグビーとトップリーグとの両立方法を提案。さらには、これからの日本代表への思いを明かした。
今季のスーパーラグビーへは日本のサンウルブズが初参戦し、多くの日本人プレーヤーが国際舞台に立った。しかし、海外のクラブで常時出場を果たした戦士の存在もまた貴重である。
以下、一問一答の一部(編集箇所あり)。
――昨秋の日本代表でもコーチを務めた沢木敬介新監督のもと、サントリーが好調です。
「皆、ハードワークしていて、考えもポジティブです。ロッカールームでの雰囲気もいい。会話の量が多いですし、皆にとって何をすべきかがとても明確になっています。クラブハウスへ来たらまず何をするか。それがわかっているので、クラブハウスへ来やすく、練習もしやすい」
――そんななか、ご自身の体調はいかがですか。合流前まではスーパーラグビーでプレーされていましたが。
「ハードではありますが、十分にリカバリーのタイミングも取れている。とてもいい状態です」
――現在、日本ラグビー選手会は個々の出場試合の増加を問題視しています。スーパーラグビー、トップリーグ、場合によってはテストマッチ(日本代表として出場する国際間の真剣勝負)と3つのカテゴリーでプレーするツイさんは、そのあたりについてどう思いますか。
「スーパーラグビー、日本代表へ行った選手にとっては、ちょっと試合数が多い。休む時間があればいいと思います。日本代表の試合のためにリフレッシュできるような環境が作れれば。ニュージーランド、南アフリカ、オーストラリアにあるスーパーラグビーのチームでは、代表選手が2~3試合ほどメンバーに選ばれないようになっています。時間が空いた分、それぞれがリフレッシュできるんです。大した時間ではないように映りますが、長い目で見た場合はそれがあるかないかで、大分、違ってきます」
――改めて、レッズでは出ずっぱりでしたね。
「高いレベルの試合に出ることで、スキルを伸ばせるとも思ったのです」
――11月には、日本代表のツアーがあります。指揮を執るのは、前年度までスーパーラグビーのハイランダーズを率いていたジェイミー・ジョセフヘッドコーチですが…。
「いまの自分のエナジーは、すべてサントリーに捧げています。ですから代表については、そこまで深く考えていないです。ただ、選ばれることは楽しみにしています。ジェイミーさんとは、会って話をしました。ジェイミーさんがコーチとして日本にもたらすものを、楽しみにしています。一緒に何か、できたらいいですね。ジョー・ウィラー選手(ハイランダーズからサントリーに加入)も『彼はいいコーチだ』と言っています。人望が厚いのは確かですが、選手とコーチという一線は超えないでいるべきだと思っています」