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3連覇中のパナソニック、ロビー・ディーンズ監督は「喜ばしい」と安堵。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
バーンズの復帰はいつか(写真は昨年のもの)。(写真:田村翔/アフロスポーツ)

日本最高峰のラグビートップリーグで3連覇中のパナソニックが、9月30日、NTTコムから42―14と会心の勝利を挙げた。今年度は開幕から2勝2敗と苦しんでいたが、この日は序盤から首尾よくエリア獲得。攻守両面で組織性を保った。

一時退場者が出るなどした後半はやや追い上げられたが、試合後、ロビー・ディーンズ監督と北川智規ゲームキャプテンは会見で手応えを語った。

以下、会見中の一問一答(編集箇所あり)。

ディーンズ

「きょうのパフォーマンスは喜ばしい。ただ、怪我人が出てしまった(司令塔のベリック・バーンズが肩を脱臼)。NTTコムさんの素晴らしいプレーで追い込まれもしましたが、勝ち切れたのは大きい。リザーブの選手が、相手の勢いを食い止めてくれた。そして最後には経験豊富なゲームキャプテンがゲームを締めくくってくれた(ノーサイド直前に北川ゲームキャプテンがだめ押しトライ)。きょうのトライで、115トライ目ぐらいだとは思いますが、プレーオフのトライを数えていないので100に達していません(北川ゲームキャプテンはあと3トライでトップリーグのリーグ戦通算100トライを達成)」

北川

「前半はウチの思うとおりに行っていた。ただ、後半はロビーさんの言葉を借りれば、相手にゲームに参加をさせてしまった。それで苦しい時間帯になった。自分たちがやりたいことをやっていたらああいう(23―0で終えた前半のような)展開になるけど、それまで(敗れた試合)では、このやりたいことをするまでに時間がかかった。ただ、きょうは『こうすれば勝てる』という意識が生まれたと思います」

――具体的には。

北川 

「フォワードをどこで使うかを話し合った。自陣で使う(ボールを持ちすぎる)とワンミスでトライを取られる。ラグビーは陣地取りゲーム。頭を使いながらどう自陣を脱出するかをリーダーで意見を出し合った。きょうはそのその結果です」

――この日のメンバーには、北川ゲームキャプテン、林泰基選手と経験豊富な選手が多い。エリア獲得のためのコミュニケーションを円滑にするのが目的か。

ロビー 

「今週、泰基が怪我から戻って来たのは大きい。声でバックスのフロントラインを勇気づける。智規のリーダーシップも、明らかに発揮されたと思います。これまで、ゲームごとの選手の入れ替わりがあった。そこで新しく入った選手の連携が、うまくいっていないところがあった。(センターのリチャード・)パックマンは、ここ2試合で80分プレー。他とのコンビネーションも生まれてきました。ラグビーをやっていれば、選手の出たり入ったりはある。そのなかで選手は、いい反応を示してくれていると思います。ただ、バーンズは、復帰まで少し時間がかかると思う。脱臼自体はすぐに骨を戻せたので、その意味ではいい兆候ではある。それ以上のダメージがなければ、手術することなくこのままリハビリをして、安定性を取り戻して、試合に戻ってくれる。しかし、もし骨や軟骨組織に異常が起きていれば、もう少し時間がかかる。MRIを取るまでは、詳しいことはわかりません」

――前節でサントリーに負けてから約2週間。日本代表新アシスタントコーチのトニー・ブラウンさん(愛称ブラウニー)も練習に加わったようですが。

北川 

「ブラウニーが来て、バックスが何をするかを『これこれ』としっかり明確に行ってくれる。わかりやすかったです」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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