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田中史朗、ジェイミー・ジョセフ率いる日本代表で「50パーセントができない」【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
写真はワールドカップイングランド大会・南アフリカ代表戦時。(写真:アフロ)

ラグビー日本代表は10月11日、ジェイミー・ジョセフ新ヘッドコーチ就任後初の合宿を終えた。午前中におこなわれた東京・辰巳の森ラグビー練習場でのトレーニング後、スクラムハーフの田中史朗が共同取材に応じた。

身長166センチ、体重75キロと小柄な身体つきながら、相手の盲点を突く判断力と負けん気で日本代表54キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)を獲得。 スーパーラグビーの日本人選手第1号でもあり、昨季までの4シーズンプレーしてきたハイランダーズでも、ジョセフ新ヘッドコーチとは指導者と選手の間柄だった。

日本代表は23日〜25日、2度目の合宿を実施。11月にはアルゼンチン代表、ジョージア代表、ウェールズ代表、フィジー代表とのテストマッチ(国際間の真剣勝負)に挑む。ジョセフのチーム作りを肌で知る1人として、初のキャンプの手応えや展望を語っている。

以下、一問一答(編集箇所あり)。

――改めて、昨秋のワールドカップイングランド大会で得た一番大きなものは。

「南アフリカ代表などに3勝して、それでも上に行けなかった悔しさはあると思う。そうした日本代表の誇りを、トップリーガー、大学生を問わず、色んなラガーマン、ラガールが持てるようになったことだと思います」

――かつて日本でもプレーしたことがあるジョセフヘッドコーチについて。まずは今回指導を受けて感じたことは。

「色んな選手に声をかけていて、コミュニケーションが取りやすい。日本のことも知っているので、日本のコーチにふさわしい人だと改めて思いました」

――指導法は。

「ハイランダーズの時と変わらない感じなので、やりやすい。彼の指導法が日本にどう合ってゆくのか…。ハイランダーズで結果を出したものを日本代表でもやってもらえるのは楽しみです」

――人物像を一言で表すと。

「男気、です。自分のことを犠牲にしてチームに色んなことを落とし込んでくれる」

――目指すラグビーについて。

「規律、ですね。1人ひとりがしっかりと自分の仕事をすれば、スペースが生まれるラグビーです。ただ、1人がさぼったり、ミスをすれば、そこから崩れてゆく…。やはり、規律のラグビーだな、と思います。(練習の速度や強度は)50パーセントでやろうという話をしていたのですが、僕が50パーセントでやることができなくて、ペースが上がってしまった。それでフォワードの選手には迷惑をかけてしまったんですけど…」

――改めて、目指すラグビーを強豪国相手におこなうには。

「これはやっていないので、どうお答えしたらいいかわからないです。ただ、ハイランダーズの時とやっていることは似ている。しっかりコミュニケーションは取っていきたいです。とにかく早いセットアップ(それぞれの位置取り)をして、アーリーコミュニケーション(プレー選択などに関する声掛けを速くする)…」

――メンバーが入れ替わり、テストマッチ未経験者ともプレーする可能性があります。

「そういう選手ともコミュニケーションを多く取って、その選手が自信をもってプレーできるようにしたい」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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