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リオ五輪4強、ロマノ レメキ ラヴァ。15人制日本代表で「プラン」のススメ。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
「俺はキーマンじゃなくて、チームマンだよ」(写真:Enrico Calderoni/アフロスポーツ)

ラグビー日本代表は10月9~11日、ジェイミー・ジョセフ新ヘッドコーチ就任後初の合宿をおこなった。東京・辰巳の森ラグビー練習場でのセッションは計2回あり、実戦形式での戦術確認や基本スキルの反復トレーニングなどが披露された。

チームは23日〜25日、2度目の合宿を実施。11月にはアルゼンチン代表、ジョージア代表、ウェールズ代表、フィジー代表とのテストマッチ(国際間の真剣勝負)に挑む。

今回、初めてジャパンに選ばれた選手は16名。その1人が、レメキ ロマノ ラヴァ。トンガにルーツを持つニュージーランド出身の27歳で、いまは日本国籍を保持している。国内最高峰トップリーグのホンダに所属しており、流ちょうな日本語を話す。

注目されたのは今夏だった。リオデジャネイロ五輪の男子7人制日本代表としてニュージーランド代表を下すなどし、4位入賞を決めた。身長177センチ、体重92キロと小柄だが、突破力と防御に定評がある。

15人制への専念を表明するや、さっそく今回の代表入り。畑は違えど世界トップクラスを知るだけに、語られた心構えには説得性を帯びていたか。11日の取材時は、今季のトップリーグで見られるピンチを防ぐプレーについても話をしている。

以下、一問一答(編集箇所あり)。

――初めての15人制日本代表、いかがですか。

「皆のポテンシャルが凄く高い。あとはスキルの精度を守って、それぞれが自分の仕事をしっかりとやれば、試合はスムーズにできる。きのうときょうは、その確認だけをしました」

――レメキ選手のプレーするウイングの「仕事」は。

「まずはフィニッシュが仕事ですね。そのために(味方との)幅、(立ち位置の)深さのバランスを見て、周りとコミュニケーションを取る。スペースがあったら、(持ち場のタッチライン際から)中へ切れ込む」

――相手が強いなか、その「仕事」をやりきるには。

「きつい時もパニックにならない。プランがあるのだから、そのプランを信じてやれば、絶対に勝てる。ずっとプランだけ。プランだけを考える。楽しみでしかないよ。これだけいい選手しかいないんだから」

――7~10分ハーフの7人制から、40分ハーフの15人制への切り替え。難しかったですか。

「動きの切り替えは大丈夫でしたけど、身体の切り替えが難しかった。トップリーグの最初の3試合では、15分で足がつりました。キックも多くしたので。それでも交代はない! 頑張りました。いまは多分、大丈夫。先週の試合では足がつらなかったから」

――それにしても、ピンチの接点へ飛び込むプレーが目立ちます。秘訣を言葉にすると。

「相手(のサポート)が速いのなら、そこへは入らない方がいい。(防御網の位置へ)下がりながら、(1つひとつの接点を)見る。(その接点にいる相手の選手が、身体の小さい)スクラムハーフだけとかだったら、(ボールを奪いに)行った方がいい。(力強い)フランカーが2人も入っているところには、行かない」

――インゴール上でトライを防ぐタックルも多いです。

「あれは『ヤバイ!』と感じるリアクションだけ。ボールキャリーをしっかりとホールドする」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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