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日本代表・長谷川慎スポットコーチが語る、スクラム強化の手応えとは。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
アルゼンチン代表戦では35歳で代表デビュー、左プロップの仲谷聖史。(写真:アフロスポーツ)

ジェイミー・ジョセフ新ヘッドコーチ率いるラグビー日本代表は、11月12日、当地トビリシ・ミヘイルメスキスタジアムスタジアムで、ジョージア代表とぶつかる。

勝負の鍵を握るプレーのひとつが、スクラム。フォワードが8対8で組み合うプレーの起点だ。世界ランクで日本代表より2つ上のジョージア代表が力勝負を仕掛ける局面で、最前列中央に入るフッカーの堀江翔太キャプテンは「前3人が胸でつぶしながら上に上がってくるイメージ。それに付き合って高い姿勢になるとプレッシャーがかかる。それに付き合わず、低く組みたい」と警戒する。

同代表と対戦した際にはしばしスクラムに手を焼き、特に堀江が欠場した2014年11月23日は終始、押し込まれ、24―35で敗戦。かたや当時のマルク・ダルマゾスクラムコーチらが修正を施した2015年9月5日は、13―10で白星を挙げている(グロスター・キングスホルムスタジアム)。

現在、日本代表のスクラムを指導するのは長谷川慎スポットコーチ。国内最高峰トップリーグで現在9連勝中のヤマハで、8人が1本の槍と化すスクラムをクラブの武器としている。ジャパンでもそれと同種のシステムを落とし込むよう、短い準備期間で意思統一を図った。各選手の姿勢やバインドの仕方、組み合う前の体勢の整え方などを整理して伝え、それぞれがその役割を全うするようコーチングを施す。5日は東京・秩父宮ラグビー場でアルゼンチン代表に20―54と大敗も、スクラムで収穫を得た。

アルゼンチン代表戦の直後、通称「スクラム番長」の長谷川コーチが、言葉を選びながら現状での手応え、ジョージア代表戦でのスクラムの焦点を明かしている。

以下、一問一答の一部(編集箇所あり)。

――手応えはどこに感じましたか。

「上手く組めた時は、上手く組めている」

――「上手く組めた時は、上手く組めている」という状況は、事前にイメージできていましたか。

「できていました。きょうは一番最初が良くて、後半にも何本かいいのがあった。敵ボールでこちらがペナルティーを取られたやつも、ずーっと頑張っていたのに、途中であることが起きて、1番(左プロップ)が落ちた。そんなの、すぐ修正できます」

――次への主な修正点は。

「練習で上手く行っているようなことを、80分間を通して何回も、何回も、できるようになること。一番大事なのは、きつい時にきついことをすること。いいセットをするのは、きついのでしょう。ただ、そこをさぼるとその後(の攻防)がもっときつくなる。ただ、これは、できるようになります。いまは慣れていないだけです。そもそも何週間もそれぞれ違うチームでやってきていて、ここ(代表)へ集まって1週間でやれというのは難しいです」

――ヤマハの選手が多い方が上手く組めるという感覚はありますか。

「それはないです。ヤマハと似ている部分はありますが、まったく同じ組み方をしているわけではないですから」

――次の相手はジョージア代表。

「いまのベースを使いながら、ジョージア代表戦用に変えていきます」

――お話しできる範囲で…。

「お話、できないです!」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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