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次の試合を観に行くためのトップリーグ週間ベスト15(第9節)【ラグビー雑記帳】

向風見也ラグビーライター
11月の日本代表ツアーでも活躍した田村。(写真:築田純/アフロスポーツ)

日本最高峰のラグビートップリーグ第9節(10月29日~10月30日)の私的ベストフィフティーンを紹介します。これからラグビーを好きになってもらう方の見どころ探しに活用していただければ幸いです。備考は文末にございます。

昨秋のワールドカップなどで何となく勝手を知った方向けにまとめております。もしわからない箇所がありましたら、「まぁ、要は、そういう感じなのね」と読み飛ばしていただいてかまいません。きっと、実際の観戦時に照らし合わせられることと存じます。

トップリーグの第10節は12月3、4日、各地でおこなわれますこちらをご確認ください。

1 左プロップ

仲谷聖史(ヤマハ)…コカ・コーラに快勝。スクラムを組めば自身の側からぐいとせり上がる。

2 フッカー

日野剛志(ヤマハ)…スクラムのリード、右タッチライン際でトライを演出するランニングスピード、自陣で相手の反則を誘うジャッカルなどでワンサイドゲームを下支え。

3 右プロップ

伊藤平一郎(ヤマハ)…文句なしのスクラムで序盤に試合を決めた。

4 ロック

フランコ・モスタート(リコー)…トヨタ自動車を相手に苦杯をなめるも、相手ボールラインアウトへ競り合っては捕球の乱れを誘った。攻撃時の突進役としても機能。ヒーナン ダニエル(パナソニック)も、攻めては厚い壁をぶち破る役割を全う。後半8分には相手と間合いを取った走りでトライを決めた。

5 ロック

真壁伸弥(サントリー)…腕力と腰の強さを活かしたチョークタックル(ランナーを掴み上げる動作)で落球を誘った。相手の組んだモールへ身体をねじ込み、危険地帯への侵入を防いだ。パートナーのジョー・ウィーラーも躍動。

6 ブラインドサイドフランカー

ワイクリフ・パールー(トヨタ自動車)…敵陣ゴール前でモールを組んだ際は、相手の防御からボールを守る壁になってトライ獲得を支えた。

7 オープンサイドフランカー

鶴谷昌隆(NTTコム)…昨季準優勝の東芝を倒す。接点でのボールへの絡みや防御網の一員としてのプレッシャーで、東芝の攻めを停滞させる。谷昌樹(パナソニック)も同様のプレーでワンサイドゲームを締めた。

8 ナンバーエイト

ジョージ・スミス(サントリー)…要所でのターンオーバー、強烈な走りを連発。ともにプレーしたツイ ヘンドリックもシャープな走りとジャッカルで、松橋周平(リコー)も低い姿勢でのぶちかましで存在感を示す。

9 スクラムハーフ

友井川拓(NTTコム)…防御の位置取りの乱れた接点脇を容赦なく突き、持ち前の快足を活かしてトライ。茂野海人(NEC)は味方フォワードの立ち位置を修正しながらのパスさばき、防御網のカバーで光った。

10 スタンドオフ

田村優(NEC)…神戸製鋼に勝利。相手防御網の穴へハイパントを蹴り続け、4本のペナルティーゴールを成功させる。ゲームリーダーとして事前の分析結果を試合運びに反映させた。1点リードで迎えた前半21分頃には、防御でもピンチを救った。自陣22メートルエリアに攻め込まれるなか、相手の下敷きになりながらも落球を誘った。山沢拓也(パナソニック)も防御のひずみを突く走りやパスを連発。

11 ウイング

山田章仁(パナソニック)…豊田自動織機戦の前半21分。持ち場とは逆の敵陣22メートルエリア右中間。相手と十分な間合いを取ってパスをもらうと、狭い場所に複数人が並んだ箇所へ突撃。1人ひとりのタックラーをかわし、最後は倒れながらのパスで森谷圭介のトライを援護した。試合終盤には、防御の乱れた密集近辺へ駆け込みだめ押しトライを決める。

12 インサイドセンター

ヴィリアミ・タヒトゥア(ヤマハ)…ラインアウトからの攻撃では、最初のフェーズで防御の分厚い箇所をへっちゃらでぶち破る。

13 アウトサイドセンター

マレ・サウ(ヤマハ)…左中間、右中間のスペースを切れのある走りで破る。相手を抱え上げるタックルを披露するなど、守っても存在感示す。

14 ウイング

コーリー・ジェーン(東芝)…相手が蹴り上げたボールに対し絶妙なスピードで駆け込み、高い打点で膝を上げながら捕球。着地、前進。教科書通りのハイパントキャッチの技術で魅せた。

15 フルバック

松島幸太朗(サントリー)…球を持てばどのエリアからでも防御を突き破る。

<備考>

・ポジション解説は以下のURLのテキスト文中の「■」部分をご参照ください。

2019年W杯に向け…。ラグビー版「ドラフト会議」スカウティングレポート?(前編)

2019年W杯に向け…。ラグビー版「ドラフト会議」スカウティングレポート?(後編)

・背番号4、5(両ロック)、背番号6~8(フォワード第3列)と背番号11、14(両ウイング)は、ポジションの類似性から当日のゲームとは異なる背番号で選出させていただいていることがあります。

・基準は独断ですが、なるべく「その試合での勝利(もしくは勝利を目指す過程)に貢献した選手」をご紹介します。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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