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明治大学・丹羽政彦監督、早明戦のジャッジに一言。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
クロスゲーム必死のカード(写真は昨年度のもの)。(写真:アフロスポーツ)

伝統の「早明戦」こと関東大学ラグビー対抗戦Aの早稲田大学対明治大学戦が12月4日、東京・秩父宮ラグビー場であり、早稲田大学が24―22で勝利。明治大学はノーサイド直前に敵陣22メートル前左中間でペナルティーキックを獲得するが、ゴールを狙わずに速攻。無得点に終わった。

試合は後半8分、早稲田大学が敵陣ゴール前のスクラムでペナルティートライを勝ち取り17―10と先行。しかし、その後に、プロップの塚原巧巳をシンビン(一時退場処分)で欠いた明大が追撃し、塚原が復帰していた23分には勝ち越しに成功していた。

終盤は明治大学の攻撃中のプレーが反則と目され、33分、早稲田大学が中野将伍のトライなどで24―22となった。

11日から参戦する大学選手権では、京都産業大学と対戦。勝ち上がれば昨季準優勝の東海大学とぶつかる。

以下、試合後の会見での丹羽政彦監督の一問一答の一部(編集箇所あり)。

「展開的に悪くはなかったんですが、ゴール前の精度がウチの方が劣っていた、と。いかんせん、ちょっと理解のできないペナルティーがあり過ぎて、流れを作れなかったと思います。スクラムも、前半、取られているという形で、こちらが『押していない』と言われ、押したら取られ…。反則しないように組んでいるのに、どうしてこうなるのか…。

あちらがフォーカスしている点が強く見られてしまうところもあった。私はあまりレフリングのことは言わないのですが、そういうことを感じてしまわざるを得なかったと思います。

ただ、最後、あそこでなぜペナルティーをもらわなかったのかなというのは学生に問いたいと思います。あそこでキッカーが外してもキッカー1人の責任にはならない。

ペナルティーを取られるプレーが多いということなので、もういちどトレーニングをして、もう1回、早稲田大学さんとやりたいと思っています。以上です」

――緊張などは。

「ないです。向こうも1年生が多いですし、緊張感は向こうも同じです。少しリラックスさせて出したので。

肝心なところで、向こうのフォーカスしているスクラムで、向こうが強いんじゃないかと取られる、そういうスクラムだった。後半、修正したんですが、今度はウチがペナライズを…。どこにスタンダードがあるのか…。指導者として言ってはいけないのかもしれないのですが、一貫性が…。スクラムのスタンダードがどこにあるのか、疑問に思います。世界で戦うためにはスクラムマネジメントを見直して、きちっと組めるように(全チームが)指導してゆくのがいいと思います」

――次の大学選手権1回戦では。

「京都産業大学さんは夏も(練習試合を)やっているのですが、向こうもスクラムが独特な形。対応します。バックスにもポテンシャルのある選手がいる。そこを叩けば、次、東海大学さん。夏も逆転負けしているし、去年も1月2日に負けている。何とかそこを叩いて、向こう側の枠から上がってくる早稲田大学さんともう1度、やりたいです」

――ディフェンスが乱れたところがあったが、原因は。

「フォワードとバックスのつなぎ目をやられた。中野君にやられたところは、その前のフェーズを食い込まれている。ワセダもボールを前に持っていければアタックはする。その形へもってこられた、というのが原因だと思います」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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