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福岡堅樹、パナソニック初トライ→リーグ記録タイの1試合6トライの安堵とは。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
最多タイ記録に並ぶネマニ・ナドロ(前NEC・左)とは11月フィジー代表戦で対決。(写真:FAR EAST PRESS/アフロ)

昨秋におこなわれたワールドカップイングランド大会では15人制日本代表として歴史的な3勝を挙げ、今夏のリオデジャネイロ五輪でも男子7人制代表として4強入りした福岡堅樹が、12月10日、新加入したパナソニックの一員として国内最高峰トップリーグの大11節に先発。前半19分に自身同リーグ初トライを決め、最後はリーグ戦の最多タイとなる6トライを記録。69―14で勝利した(大阪・東大阪市花園ラグビー場)。

エディー・ジョーンズ前15人制日本代表ヘッドコーチに「チーターより速い」と評される加速力が持ち味の福岡は、筑波大学時代から国際舞台で活躍した。

テストマッチ(15人制での国際間の真剣勝負)では20キャップ(テストマッチ出場数)を獲得して通算13トライをマーク。今年11月にあった日本代表のツアーでも3試合に出場し、欧州6強の一角であるウェールズ代表などからもトライを奪っている。かねて「ジャパンでトライを取ったことで、(パナソニックでも)取らなきゃいけないと思えてきた」と話していた。

ホンダ戦後は記者団を前に、安堵の声を残した。

以下、一問一答の一部(編集箇所あり)。

――パナソニックでトライが取れた。ほっとしましたか。

「1本目を取れた時は、ようやく…。(笑いながら)チームメイトには、ジャパンでは取れるのにうちでは…といじられてもいたので」

――その初トライを振り返ってください。あの時は敵陣ゴール前でフェーズを重ねるなか、同じ筑波大学出身のスタンドオフ、山沢拓也選手が相手守備網の裏へキックを転がしました。その弾道を抑えたのが、福岡選手です。

「あれは大学時代からやっていたプレー。特に花園はインゴールが広い。裏へ転がしてくれればスピード勝負でイケる、と。アドバンテージ(※)が出ていたのもあって、(キックを蹴るよう)呼びました。あいつのキックの精度の高さは昔からわかっているので」

※アドバンテージ…相手が反則をしたなか、自軍に有利だった場合にプレーが継続される合図

――キックパスからの反応あり、抜け出した味方へのサポートあり。ボールをもらう前などで、工夫していたことは。

「外のスペースを観ること。内側(接点周辺)で前に出てくれたら、外にはすごくスペースが空く。空いた時にはしっかり(ボールを)呼べば、トライが取れる。自分から積極的に呼ぶようにしています」

――あともうひとつ取れれば、新記録でした。

「あとひとつ欲しかったんですが、もうばててしまっていて…(80分フル出場)。光栄な記録をもらえて、チームの皆に感謝しています。自分自身、トライは取れる時に取りたいと思っています。記録に関係なく、常に狙っていきたいです。(記録を意識したのは)試合が終わった後にタイ記録だ、と言われて、です」

――今後の目標は。

「チームのウイングにはライバルが多い。そこで負けないように、と。アタックでもそうですが、自分のなかではディフェンスも強みだと思っているので、アピールしていきたいです」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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