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ブリスベン→北九州→次は? 日本代表・山田章仁、「レベルの高いところで…」。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
昨年11月は満員のミレニアムスタジアムでウェールズ代表に30―33と肉薄。(写真:アフロ)

ラグビー日本代表のウイングの山田章仁が、地元の北九州市に帰省。「最近」と「これから」を語った。

身長182センチ、体重88キロの31歳で、小倉高校、慶應義塾大学、ホンダを渡り歩いて現在はパナソニックに籍を置く。日本代表としては17キャップ(国際間の真剣勝負)を持ち、3勝を挙げたワールドカップイングランド大会のサモア代表戦(2015年10月3日/ミルトンキーンズ・スタジアムmk)では、タックラーの前で身体を回転させる「忍者トライ」でスタンドを沸かせた。

今季は国内シーズン終了後も、パナソニックの一員として2月11、12日の「ブリスベン・グローバル・テンズ」に出場した。

「ブリスベン・グローバル・テンズ」は今年から始まった10人制の国際大会で、オーストラリアとニュージーランドからスーパーラグビー(国際プロリーグ)に参加する10チーム、南アフリカのブルーブルズ(スーパーラグビーのブルズを下支えする組織)、サモア代表、日本の五郎丸歩が所属するフランス・トップ14のトゥーロン、日本のパナソニックが参加していた。

この大会でパナソニックは、予選プールでスーパーラグビーのワラターズ、レベルズに勝つなどして話題を集めていた。

以下、一問一答の一部(編集箇所あり)。

――グローバルテンズ、改めて振り返ってください。

「楽しかったですよ。パナソニック(チーム単位の参加)ではありますけど日本を代表して、スーパーラグビーのなかでやっていけることを証明したかった。いい大会になりましたね。若い選手も経験できて、よかったと思います」

現在は北九州市内で「トップリーグ選抜」のキャプテンとして活動中。18日、福岡・ミクニワールドスタジアム北九州のこけら落としとして、サンウルブズ(スーパーラグビーに日本から参戦)の壮行試合をおこなう。

注目されるは、その先の進路だろう。

昨季の山田は自身2季目のスーパーラグビーをサンウルブズの一員として参加し、9トライを挙げている。もっとも今季は、同チームのスコッドに入っていない。

いくつか浮上した次のプレー先候補には、夫人がルーツを持つアメリカのプロラグビーリーグがあったものの…。

――アメリカのプロラグビーリーグ。現地では、リーグそのものを抜本的に見直すのではと報じられています。2017年度シーズンの開催可否は、流動的です。

「アメリカがスポーツ、ラグビーを引っ張るという形はいいと思っていたので残念です。また、(再開)できるでしょう、と思ってますけど」

――とはいえ、いまの状況で渡米することは…。

「今年は、ないですね。少しでもレベルの高いところでやりたいですけど」

――単刀直入に。どうしますか。

「全然、決めていないです。これが終わってから考えます」

22歳の頃から契約選手として生きている。確かなことは正式発表の頃まで伝えないのが、この人の流儀でもある。確かなことは、ひとつ。「少しでもレベルの高いところで」ということだ。これからシーズン大詰めを迎える欧州各国のプロリーグがターゲットとなるか。

慶應義塾大学時代からオーストラリア留学を繰り返すなど、かねて強い海外志向の持ち主。2012年には社会人アメリカンフットボール・Xリーグでプレーするなど、ヴィヴィッドな挑戦にも強い関心を示してきた。

――大事なことなので、確認します。6月におこなわれる日本代表ツアーについては、どうお考えですか。

「それはもちろん、出たい。代表、なりたいですから。JJ(トップリーグ選抜のジェイミー・ジョセフヘッドコーチ)と話していきたいです」

この日は午前、午後と練習に参加し、終了後は観覧に来たファンのサインや写真撮影、子どもたちの「山田選手にタックルをしたい」というリクエストなどに応じた。国内有数の人気選手とあって、一挙手一投足が注視される。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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