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日本一のサントリー流大キャプテン、日本代表入りへ「強みを活かせる部分」ある!【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
沢木監督曰く「リーダーって、センス。流にはそれがある」。(写真:アフロスポーツ)

今季、国内最高峰のラグビートップリーグと日本選手権を無敗で制したサントリーの流大キャプテンが、日本代表入りへ決意を新たにした。

2月15日、ジャパンのジェイミー・ジョセフヘッドコーチが率いる「トップリーグ選抜」のメンバーとして福岡・北九州市内で練習を開始。18日には同・ミクニワールドスタジアム北九州のこけら落としとして、サンウルブズ(国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦。日本代表との連関性を強化中)と戦う。

福岡出身の流は、熊本の荒尾高校を経て帝京大学入り。最終学年時にはキャプテンとして、大学選手権6連覇を果たした(現在、同部は8連覇中)。サントリーでは今季、加入2年目ながらキャプテンに就任していた。

身長165センチ、体重74キロの24歳。スクラムハーフとして、好判断と防御の背後を裂くキックを持ち味とする。帝京大学3年時以来の日本代表入りとテストマッチ(国際真剣勝負)デビューが期待される。

以下、一問一答の一部(編集箇所あり)。

――1月29日に東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれた日本選手権決勝戦は、パナソニックに15―10で勝利。その後のつかの間のオフは、いかがお過ごしでしたか。

「福岡にも帰りましたし、熊本の復興支援にも行きました。そこで周りの方から優勝のことを言っていただいて、改めて(チャンピオンになったことを)実感しました。ラグビーを知らない小学生の前でも、『日本一の選手だよ』と紹介されると反応がよくなる。そういう時に、優勝っていいな、と感じましたね」

――熊本へ行かれたのは。

「熊本にはサントリーのビール工場もあるので、定期的にそうした活動はしています。2月9、10日の2日間で県内5つの小学校を回らせてもらいました。(自身の震災後の現地入りは)初めてです。空港からの道でも傾いたままの家があったり、行った小学校にも仮設住宅に住む子どももいた…。元通りになるにはまだまだ時間がかかると思いました」

――改めて、トップリーグ選抜としての思いを伺います。まず、加入の報せを受けたのは。

「日本選手権が終わって3日後くらいでしたかね。敬介さん(サントリーの沢木敬介監督)から『選ばれたよ』とメールが来て。『了解です』と返しました」

――その日本選手権の期間中も「選出される見込み」「濃厚」といった風に報じられましたが、当時はご存知ではなかったのですね。

「(笑いながら)これで選ばれなかったら恥ずかしいな、と思いながら(一連の報道を)見ていました。(選手権期間中は記者に)聞かれた時に『選ばれたらがんばります』とは言いましたけど」

――ジョセフヘッドコーチとはどんな話を。

「きのう会った時、『優勝おめでとう。シーズンを通していい働きだった。このチームでもいいパフォーマンスを出して引っ張って欲しい』と言っていただきました」

――どうしたら日本代表に入れますか、とは聞きませんでしたか。

「それは…これから聞いていこうかと思います! ジェイミーのラグビーではキックをよく使うのですが、そこは僕の強みにできるところ。あとは、ワイドなプレーをする分フィットネスも求められる。そこで冷静な判断ができるか、かな、とは思います」

――このチームは、サンウルブズ入りへのアピールの場でもある。

「きのう、ちょうどチームディナーがあったんですが、そこでも『勝ちに行こう』という話はしていた。勝ったらメンバーチェンジも…という期待を込めてやっていきたいです」

――そもそも、いまサンウルブズに入っていないことはどう受け止めていますか。

「選ぶ側の基準がある。それに関して言うことは特になくて。僕もまだまだだなと感じるので、もっといいパフォーマンスをして選ばれたいと思います」

――練習を拝見する限り、トップリーグ選抜はかなり面白い動きを用意していそうですね。

「色々なサインプレーも使いますし、面白いラグビーになると思います。ただ単にカチカチッとしたプレーではなく、観ていて楽しいプレーで勝ちに行くというプランです」

――今回選出された帝京大学4年のスタンドオフ松田力也選手とは、学生時代以来ハーフバックス(スクラムハーフとスタンドオフのコンビ)を組めるかもしれません。

「(その時に)勝っていればその流れを加速させ、負けていれば流れを変えるプレーをしていきます」

活動期間中、いかしにて代表指揮官のハートを掴むのだろうか。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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