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「静か」解消? サンウルブズ・田中史朗。18日壮行試合へ「違い見せる」。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
何のためにラグビーを。「子どもたちのため」(2008年に発言)(写真:アフロスポーツ)

国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦するサンウルブズは2月18日、壮行試合をおこなう。福岡・ミクニワールドスタジアム北九州のこけらおとしとして、トップリーグ選抜とぶつかる。リザーブスタートとなるスクラムハーフの田中史朗が、意気込みを明かした。

始動したてだった2月初旬には「コミュニケーションという部分では足りない」と、練習中の声の掛け合いへの物足りなさを口にしていた。しかしいまは、チームの確かな成長を実感しているという。

2013年にこの国で最初のスーパーラグビープレーヤーとなった田中は、昨季までの4シーズン、ハイランダーズに在籍。昨秋から日本代表を率いるジェイミー・ジョセフヘッドコーチらとともに、2015年シーズンは優勝を果たしていた。

身長166センチ、体重75キロと小柄も、相手の盲点を突く判断と負けん気で頭角を現してきた。

以下、17日の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――チーム状態、いかがですか。

「すごくいい状態で来ている。1人ひとりの学ぶ姿勢も高いですし、リーダー陣がしっかりとコミュニケーションを取ってくれている。練習中も、よく声が出ています。明日の試合ではトップリーグとスーパーラグビーの違いを見せつけられるような、プライドを持った戦いをしたいです」

――2月初旬に課題とされていた「声」。改善された様子なのですね。

「そうですね。まだ足りない部分はありますが。開幕まで時間がないなか、1人ひとりが成長できるようにしていきたいです」

――開幕までの準備時間は、12月に始動するハイランダーズと比べたら短いですが。

「それはこれから日本協会、企業、サンウルブズが話し合って、日本のラグビーのために何が一番いいのかを考えながらやっていってもらえれば…というところです。僕ら選手は、わからない状態です。できれば代表やサンウルブズに準備期間をもらえれば、もっともっといいチームができるとは思います。

トップリーグ(国内シーズン)が終わってすぐにシーズン(スーパーラグビー)に入る。休む、身体を作り上げるというの(段階)がない。1人ひとりが疲れていたり、(試合前調整を優先しなくてはならず)フィットネスを上げる時間がなかったりというところもある。そこ(の時間)を作ってもらえれば、より世界の厳しい戦いを乗り越えられるようになる」

――いろいろな選手やスタッフのお話を伺う限り、今季は選手個々の出場時間やコンディションをオーダーメイドで管理しそう。

「それは人によって…となっていくと思います」

2月25日、東京・秩父宮ラグビー場。前年度王者のハリケーンズとの開幕節を見据える。そして…。

――サンウルブズの一員として1試合ずつ戦う延長線上で、日本代表の活動に向けて意識する点はありますか。6月、アイルランド代表戦などを控えていますが。

「個人のプレーを、上げていきたいです。まだまだ足りないところがあるので。もっともっと走れて、80分間、戦えるような体力が欲しいです」

日本代表として58キャップ(国際真剣勝負への出場数)を獲得した32歳。自分にも厳しい。グラウンド内外へ、鋭い視線を向けてゆく。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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