Yahoo!ニュース

サンウルブズのエドワード・カークキャプテン、「ロス」にも前向き。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
スーパーラグビー屈指のファイター。ひるまない。(写真:アフロスポーツ)

国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦するサンウルブズは2月25日、発足2年目となるシーズンの開幕節をおこなう。本拠地の東京・秩父宮ラグビー場で、前年度王者のハリケーンズとぶつかる。

昨季はわずか1勝に終わり、今期も開幕前から怪我人続出のサンウルブズは、先発15名中7名がスーパーラグビーデビューとなる。そんななか、加入2年目となるオープンサイドフランカーのエドワード・カークキャプテンは前向き。昨季はチーム最多となる146本のタックルを放ったタフガイは、「本当にいい気分」と目を細めていた。

試合会場での前日練習があった24日、共同会見に応じた。

以下、一問一答の一部(編集箇所あり)。

――前日練習を終えた気持ちは。

「本当にいい気分です。秩父宮に戻って来られて嬉しく思います。他の選手は(国内の)トップリーグでプレーしていたと思いますが、私にとってはここまでの道のりが長かった。ここでプレーできることは光栄です」

――現在のコンディションは。

「(合流までの)6~7か月間、コンディショニングをしなかったのは、やはりよくないことだと思いました。自分で何とかしようとはしていましたが、スーパーラグビーのチームでのトレーニングは、自分がするものとはかけ離れている。(合流後は)素晴らしいトレーニングをさせていただきました。いまはやっとゲームモード。試合に挑む準備ができたと思っています。これから長いシーズンが始まり、移動も増えてくる。1つひとつの状況を楽しんでいきたいと思っています。(試合翌日の)毎週日曜は、いつも身体が痛いです。でも、それもラグビーだと思っています」

――練習前の円陣では、どんな話を。

「特に私から何も言うことはありませんでした。プロフェッショナルとしてやっていこうという話は、2週間前のリーダーズミーティングでも話したところです。とにかくラグビーができることを誇りに思い、楽しむ。これはありがたいことなんだ。ストレスは全く感じる必要がない。相手はチャンピオンで、こちらが失うものはない。思い切り、やり切るのみ。…という話をしました」

――警戒する相手は。

「先発からベンチ、全員に気を付けなくてはならない。オールブラックスもたくさんいる。相手のアタック、特にカウンターには注意したいです。まず、ここでプレーできることがハッピーだと自覚しています」

――先発のスタンドオフでスーパーラグビーデビューを飾る田村煕選手について。

「リーダーシップを取ってくれる素晴らしい選手です。ゲームプラン、状況判断についてはこれまで何度も話し合ってきて、きょうのキャプテンズランは彼がほとんど仕切ってくれました」

――インサイドセンターの立川理道キャプテン、スクラムハーフの田中史朗ら経験者が故障でメンバー入りできませんでしたが。

「2人がいないことは大きなロスです。経験のある選手ですから。でも、こちらにとっては、若い選手がスーパーラグビーの経験を積めるチャンスでもあります。新しい選手が日本ラグビー界に足跡を残すかと思うと、待ちきれないです。ハリケーンズを相手に自分たちの力を試す、最高の機会です」

――当日はどんな戦いを。

「あまり言いすぎるわけにはいきませんが…。私たちは身体の大きなチームではありませんので、ボールを大きく動かしたいと思っています」

――シーズンの目標は。

「チームの目標は持っていないです。ただ、グラウンドで成長していいプレーをして、また人間として成長できれば我々の勝利だと思います。オン、オフとも、ワールドカップ(2019年の日本大会)に向けて成長していく」

取材のさなか、「今週、仲のいい友人を交通事故で亡くしました。プレーには追悼の思いも込めたい」とも話した。戦う理由を持つ戦士は当日、背番号7をつける。

「日本でリーダーの立場で戦わせてもらえるのは嬉しいことです。日本はホーム。ホームで楽しい試合を見せ、楽しんでいきたい。チームのためなら何でもしたい」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

すぐ人に話したくなるラグビー余話

税込550円/月初月無料投稿頻度:週1回程度(不定期)

有力選手やコーチのエピソードから、知る人ぞ知るあの人のインタビューまで。「ラグビーが好きでよかった」と思える話を伝えます。仕事や学業に置き換えられる話もある、かもしれません。もちろん、いわゆる「書くべきこと」からも逃げません。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

向風見也の最近の記事