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マストウィンも自滅…。サンウルブズ、どう受け止めるか?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
ファンはどう受け止めるか。(写真:アフロ)

国際リーグであるスーパーラグビーへ日本から参戦して2シーズン目のサンウルブズは、3月4日、シンガポール・ナショナルスタジアムで第2節をおこない、キングズに23-37で敗戦。開幕2連敗となった。

序盤から球を縦、横に動かしながらスペースをえぐったサンウルブズだが、攻め込んだ先でのエラーや攻守逆転でしばし後手に回った。前半14分には敵陣中盤右ラインアウトからフェーズを重ねながらもラック上でボールを乱し、ターンオーバーと同時に自陣ゴールラインまで走られた(スコアは0-10)。

7―17と10点差を追う後半は、時間を追うごとに自陣での反則もかさんだ。後半35、40分に連続トライを挙げたが、及ばなかった。

チームは直後、南アフリカへ渡る。次戦は12日、ブルームフォンテイン・フリーステートスタジアムでチーターズとぶつかる。試合後にはフィロ・ティアティアヘッドコーチとエドワード・カークキャプテンが記者会見に応じた。

以下、共同取材時の一問一答(編集箇所あり)。

――チャンスを取り切れなかった。

ティアティア

「いい試合をしたかったし、いい試合になったが、ボールキープができなかった。チャンスにいい決断ができなかったところもあった。ただ、向上はしていると思います。(会場の)湿気という問題もあったが、ボールをしっかり守っていくところは向上すべきエリア」

――前半は速攻から得点し、後半20分からも攻撃回数が増えた。

カーク

「そこでハードワークしようと決めました。スコアボードを変えないといけないという一心でした」

――勝てるゲームを落とした。そのことはどう受け止めますか。

ティアティア

「負けたことは残念だと思います。選手の力が及ばなかった、チャンスはあったが、力が足りなかった。何度も言いますが、プレシーズン(準備期間)の短さという問題もある。より向上するしかない、成長し続けるのみだと思っています。毎週、ネガティブでい続けるわけにもいかない。スーパーラグビーは世界で最もタフなコンペティションであることは間違いないですが、我々はグループとしてまだまだ成長の余地がある。今夜、南アフリカに行く。向上して、怪我も直していきたい」

カーク

「フィロが言ったことに尽きます。でも、最後は毎週、一生懸命すべてを尽くす限り。遠征を楽しんで臨むだけです。ゲームタイムを得るほどよくなると思う。1人ひとりがすべてを尽くしてプレーした。チャンスを活かせなかったのは確かなので、そこは受け止めたい」

――開幕2連敗。

ティアティア

「(負け続けることは)確かにいいことではありません。ただサンウルブズにとって今季は2回目のシーズン。自信を持っていることは、グループとして後ろに下がることはないということ」

――サンウルブズの一員としてデビューした選手について。

ティアティア

「全選手にとってハッピー。先週は12人。今週は5人、素晴らしい経験ができた。前シーズン見ていただいた通りすべての経験が学びにつながった。グループ1人ひとりがとてもエキサイトしています。ジェイミー・ジェリー・タウランギ(フルバック)は本当にスペシャルだった。Xファクターな選手だと思いました。星を4つ、5つあげてもいい。松橋周平(フランカー)もインパクトを与えてくれました。前に出た。ウィリアム・トゥポウ(センター)もエキサイティング。田中史朗(スクラムハーフ)、ヘイデン・クリップス(スタンドオフ)もデビューを飾れた」

――スコアし切れなかった。

ティアティア

「ゴールラインを越えるプランは持っています。でも、大事な場面でやり切るということを向上しないといけない。でも、ポジティブなこともたくさんあったと思います」

――被ターンオーバー、ミスタックルについては。

ティアティア

「システムを向上させるのみ。システムにのっとれればいい。そこを向上していくのみ。選手はエキサイトをしています」

――連戦によるコンディションについて。

カーク

「それもラグビーの一部です。それが我々に与えられた環境です。プロフェッショナルとしてやる。この後も家族と少し時間を取って、パッキング。南アフリカに行ったことのない選手もいるので、エキサイトしている。いつも言いますが、明日、陽が昇る。明日は休んで、あさってからトレーニングをします」

――ロングフライトでは。

カーク

「映画でも見て、しっかり寝たいと思います」

前年度の戦績はサンウルブズが1勝1分13敗で、キングズは2勝13敗。今回の試合へはお互いが必勝を期していただろう。会見後は選手の取材時間が限られたことから、ミックスゾーンは混乱した。

昨季は次戦と同会場、同カードのゲームを17-92で落としている。タフなロードが続く。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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