20歳以下日本代表候補に各大学の上級生が加わったジュニア・ジャパンが、3月10日からの8日間、フィジー・スバでのパシフィック・チャレンジに参戦。同大会初の2勝を挙げた。20日の帰国後、堀越康介キャプテンが感想を語った。

パシフィック・チャレンジでは、環太平洋諸国の代表予備軍と激突。10日にサモアＡを34―31、18日にはトンガＡを42―33でそれぞれ破った。14日のフィジー・ウォーリアーズ戦を16―39で落として優勝こそ逃したが、２月28日の集合からわずか11日で初戦を迎える過密日程を強いられていた。チームは現日本代表と同じ戦術を採用するなど、各カテゴリーとの連関性を担保している。

今回のジュニア・ジャパンにおいて、堀越は「オーバーエイジ」と呼ばれる上級生選手に位置付けられた。20歳以下日本代表に戦う姿勢を伝授。遠藤哲ヘッドコーチは、「オーバーエイジの選手は責任をもって、伝道師という役割をわかってくれていた」と話した。

堀越は神奈川の桐蔭学園高校を経て、帝京大学入り。これまで在籍した3年間、ずっと大学選手権を制してきた。4月からは、目下8連覇中というクラブのキャプテンを務める。

身長174センチ、体重105キロと国際舞台では小柄とされるが、攻防線を切り裂くランと激しいタックルで魅す。ポジションは、スクラムで最前列中央に入るフッカー。

今大会への感想には、リーダーシップへの手応えがにじんだ。次世代のリーダー候補は、何を意識して人を束ねてきたのだろうか。

以下、一問一答（編集箇所あり）。

――大会を振り返ってください。

「短い準備期間で厳しい試合が続いたのですが、自分自身、キャプテンとして楽しくできたと思います。オーバーエイジとU20（20歳以下日本代表）との間には、どうしてもコミュニケーションの壁ができてしまう部分があった。他のオーバーエイジの選手と話し合って、それをなくそうと考えました。まずは僕が率先して、チームをひとつにするためにしました。練習でいい影響を与え続けることが、オーバーエイジのひとつの役目だと思っていた。そこは責任を持ってやりました」

――選手間の「コミュニケーションの壁」。なくなりましたか。

「1日1日、チームのやることが明確になっていった。それが最後のトンガA戦に繋がったと思います」

――そのトンガA戦の前には、フィジー・ウォーリアーズに大敗。どう切り替えましたか。

「中3日。とにかく前を向こうという話をしました。もう1回、トンガA戦への方向性を確認しました」

――今大会は、日本代表のジェイミー・ジョセフヘッドコーチもチェックするはずです。

「もちろんそこは、意識していました。ジェイミーさんも試合を見ると直接言ってくれていたので、全員のパフォーマンスへの意識は高かったと思います」

――ご自身も、持ち味を発揮していたような。

「いや、僕自身のパフォーマンスはよくなかったと思います。ただ、リーダーシップの方で自信をつけられました。帝京大学のシーズンが始まる前に、コンバインドチームで本気のキャプテンをやれたので」

――皆がまとまってゆく様子を見て、自信が沸いたのですか。

「そういうところもありますし、優勝はできなかったけど2勝できたのも嬉しかったです」

帝京大学を率いる岩出雅之監督によれば、「トータル的に、１つひとつのプレーが良くなった。タックルもいいし、セットプレーもいい」。ぶつかり合いから逃げない気概、生真面目な態度で周りを惹きつける資質が評価されている。目指すは、2019年のワールドカップ日本大会への出場だ。