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いざJリーグ開幕! コンサドーレ札幌の注目選手を”ライト層”に向けてご紹介

村上アシシプロサポーター・著述家・ビジネスコンサルタント
宮の沢練習場にたなびくコンサドーレ札幌のクラブフラッグ

Jリーグ開幕を前に、コンサドーレ札幌のサポーターはここ数年の中で、最もワクワクしているのではないだろうか?

通算3回のワールドカップ出場経験のある小野伸二と稲本潤一、前線では昨季14ゴールを決めた絶対的エース都倉賢に加えて、U-20コロンビア代表に選出経験があり、昨年は岐阜で17ゴールを決めているナザリトの加入と、とにかく錚々たるメンバーが揃った。

小野伸二の負傷離脱は痛いが(報道では少なくとも3カ月の離脱)、今季のコンサドーレは層が厚いので、何とかなるはずだ。

「小野や稲本が見れるなら、スタジアムに行ってみようかな?」と思っている北海道民も多いはず。そこで今回のコラムでは、そういった”ライト層”に向けて今季のコンサドーレ札幌の注目株を紹介する。昨季までのコンサドーレ札幌の試合をあまり見たことがない人は、開幕前に是非参考にしてほしい。

今季のコンサドーレの布陣は3-4-3が基本形になりそう

まずはフォーメーションについて説明する。昨季途中で就任したバルバリッチ監督は、3-4-3の布陣をベースとして戦ってきており、キャンプ中のトレーニングマッチを見ていてもこの基本形は変わっていない。

3-4-3とはディフェンダー(DF)が3人、ミッドフィルダー(MF)が4人、フォワード(FW)が3人のフォーメーションのことを意味する。

今季はトップチームに35人もの選手を登録し、レギュラー争いが熾烈を極めているが、各ポジション別に筆者の独断で注目選手を挙げていく。コンサドーレ公式サイトの選手プロフィールのページを参照しながら確認して頂きたい。

【GK編】昨季のレギュラー金山隼樹に新加入のクソンユンが挑む形

ゴールキーパーのポジションは、昨季のリーグ戦に28試合出場した金山隼樹が今季もレギュラー確実かと思われたが、報道によると今季C大阪から加入した韓国人クソンユンが開幕スタメンになりそうだ。

クソンユンは20歳と若く、Jリーグ出場経験はまだない。しかし、昨年U-21韓国代表に選出されており、身長も195cmと札幌の選手の中で最も高い(マスコットのドーレくんよりも高い)。ポテンシャルが非常に高い選手と言えそうだ。

【DF編】急成長株はブラジル人のパウロン

今季、札幌加入3年目となるブラジル人ディフェンダー、25歳のパウロンが注目株だ。192cm、85kgと恵まれた体格を武器に、相手フォワードをフィジカルで圧倒する守備は迫力がある。

元々怪我がちな選手で、加入1年目は7試合の出場にとどまったが、昨季の2年目は徐々に稼働率をあげ、22試合に出場した。今季は全試合出場を目標に掲げる。

以前は足元の技術に難があった選手だが、昨シーズンの終盤はその課題も徐々に克服されてきており、相手のプレッシャーをキックフェイントでいなす余裕も出てきた。セットプレーでの得点源としても魅力だ。1シーズン通してパウロンが活躍すれば、最終ラインも安定するはずだ。

【MF編】リオ五輪出場を目指すU-22日本代表、荒野拓馬に注目

MF登録は17人もいるが、その中でも来年のリオデジャネイロ五輪出場を目指す21歳、荒野拓馬のユーティリティー性(オシム元日本代表監督が言うポリバレント)に注目してほしい。

元々はトップ下の選手だが、2列目のサイドハーフもできるし、U-22日本代表ではFWのポジションを担っている。そしてバルバリッチ監督の下では、3-4-3の右ウイングバックのポジションを任されている。最終ライン以外であれば、ほぼどのポジションでもこなせる監督好みの選手だ。

プレー面の特徴は、裏への飛び出しが絶妙に上手い。ドリブルで仕掛けることもできるし、足元の技術も一級品だ。

昨季は6月に3試合連続ゴールを記録するなど前半戦は好調だったが、9月の仁川アジア大会にU-21日本代表として招集された以降はコンディションを落としてしまった。今季もU-22日本代表の招集が早速今月にある。昨季の経験を活かして、クラブと代表をうまく両立できるかが課題だ。

【FW編】大黒柱は昨季チーム得点王の都倉賢

昨年の第38節対湘南戦で決めた都倉賢(28歳)の得点はJ2ベストゴールに選出された(動画はこちら)。これがもしJ1の舞台だったら今頃、都倉賢はヨーロッパのクラブに引き抜かれていたかもしれない。それくらい、ワールドクラスのスーパーゴールだった(ちなみにこのゴールはコンサドーレ札幌の記念すべき1,000ゴール目となった)。

昨年の冬に欧州への移籍を模索し、デンマークのクラブのトライアウトに参加したが契約に至らず、開幕後に札幌に途中加入した。序盤こそベンチスタートが多かったが、後半戦は都倉賢抜きには得点が取れないと言っていいほど、彼のチームになっていた。

実際に、第31節からバルバリッチ監督が指揮をとって以降、札幌は計14ゴールを決めているが、そのうち都倉賢は半分以上の8得点を決めている。バルバリッチ監督の下では全試合スタメン出場を果たしており、絶大な信頼を勝ち取っていると言っていい。

余談だが、都倉賢は愛妻家として知られる。札幌ドームでゴールを決めると、決まってメインスタンドにいる奥さんに向かって投げキッスやハートマークを指で作るゴールパフォーマンスをする。スタジアムで観戦する場合はその点についても注目すると面白いだろう。

少しでも興味を持った方は是非スタジアムへ!

今季、J1リーグでは2ステージ制とチャンピオンシップが導入されるが(詳細は先週書いた解説コラムを参照)、J2リーグは通年の1ステージ制のままで、「リアルフットボール」が楽しめる。

42節という長丁場になるが、その半分の21試合が札幌ドーム、もしくは札幌厚別公園競技場で開催される。試合日程はこのページ、観戦チケットの買い方はこのページで確認できる。

スタジアムへ行く切っ掛けは人それぞれ。「元日本代表選手が見たい!」というミーハーな動機でもいい。是非、ひとりでも多くの人にスタジアムへ足を運んで頂き、Jリーグの素晴らしさを肌で感じてほしい。そして、地元のサッカークラブを応援することの面白さを体感してほしいと願ってやまない。

プロサポーター・著述家・ビジネスコンサルタント

1977年札幌生まれ。2000年アクセンチュア入社。2006年に退社し、ビジネスコンサルタントとして独立して以降、「半年仕事・半年旅人」という独自のライフスタイルを継続。2019年にパパデビューし、「半年仕事・半年育児」のライフスタイルにシフト。南アW杯では出場32カ国を歴訪する「世界一蹴の旅」を完遂し、同名の書籍を出版。2017年にはビジネス書「半年だけ働く。」を上梓。Jリーグでは北海道コンサドーレ札幌のサポーター兼個人スポンサー。2016年以降、サポーターに対するサポート活動で生計を立てているため、「プロサポーター」を自称。カタール現地観戦コミュニティ主宰(詳細は公式サイトURLで)。

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