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【女子ワールドカップ展望】なでしこジャパンがW杯を連覇するための重要なポイントとは?

村上アシシプロサポーター・著述家・ビジネスコンサルタント
なでしこジャパンが試合をするバンクーバーにはW杯の垂れ幕が多く見られる。

男子のワールドカップ(W杯)と同じく、4年に1度開催される女子W杯がカナダで開幕した。オープニングゲームとなったカナダ対中国は1-0でカナダが勝利した。なでしこジャパンは日本時間の6月9日に初戦を迎える。

なでしこジャパンの試合日程は以下のようになっている(いずれも日本時間)。

  • 6月09日火曜午前11時 スイス戦@バンクーバー
  • 6月13日土曜午前11時 カメルーン戦@バンクーバー
  • 6月17日水曜午前06時 エクアドル戦@ウィニペグ

前回大会までは16カ国が参加し、4グループにわかれて各組上位2カ国がグループステージを勝ち上がり、8カ国で決勝トーナメントを戦う形式だったが、今大会より参加国が24カ国に増えた。

4カ国がA~Fグループにわかれ、各組上位2チームの12カ国と各組3位の上位成績4カ国を合わせて、計16カ国が決勝トーナメントに進出するルールとなっている。24カ国の組み合わせは以下の通りだ。

  • 【A組】 カナダ 中国 ニュージーランド オランダ
  • 【B組】 ドイツ コートジボワール ノルウェー タイ
  • 【C組】 日本 スイス カメルーン エクアドル
  • 【D組】 アメリカ オーストラリア スウェーデン ナイジェリア
  • 【E組】 ブラジル 韓国 スペイン コスタリカ
  • 【F組】 フランス イングランド コロンビア メキシコ

各組の左から1番目がシード国となっている。日本のFIFAランキングは現在4位。その上をいく国は、ドイツが1位、アメリカが2位、フランスが3位だ。ちなみに他のシード国は、ブラジルが7位、カナダは8位となっている。

日本と同組となったスイス、カメルーン、エクアドルはいずれもワールドカップ初出場国であり、前回大会優勝国の日本のグループステージ突破はまず間違いないだろう。当然油断は禁物だが、3位でも決勝トーナメント進出の可能性がある今回のレギュレーションであれば、問題ないはずだ。

W杯連覇が期待されるなでしこジャパンにとって肝となるのは、グループステージよりも決勝トーナメントの組み合わせだ。特に強豪国が決勝トーナメントでどの山にいくかが重要なポイントとなる。

強豪国と決勝まで当たらないための勝ち上がり条件とは?

シード国が順当にグループステージを1位通過すると仮定して決勝トーナメント表を作ってみると、FIFAランキング1~3位のドイツ、アメリカ、フランスがこぞって同じ山に入り、潰し合う形となる。

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反対側の山に入る日本は、ベスト16でA,B,F組のどれかのグループステージ3位の国と対戦し、その後、準々決勝でブラジル、準決勝でカナダと対戦する可能性が高い。FIFAランキングで格上の国との対戦が決勝戦までない組み合わせは非常に魅力的だ。

更に開催都市も決勝トーナメント以降、バンクーバーとエドモントンのカナダ西地区の2都市でのみ試合をすることになるため、選手のコンディショニングの面でも有利だ。

それに対して、日本がC組で2位通過となってしまった場合、準々決勝でアメリカ、準決勝でドイツかフランスと対戦することになる可能性が高い。更にベスト16でエドモントン、準々決勝でオタワ、準決勝でモントリオール、決勝でバンクーバーと開催都市を転々とする必要があり、選手のコンディションの調整が困難を極める。

つまり、なでしこジャパンが連覇を目指すためには、C組1位通過が絶対条件と言っても過言ではないのだ。その条件をクリアするためには、C組の中で最も手強いスイスと対戦する初戦で勝ち点3を取れるかどうかが分岐点となる。

もちろん、他のグループステージで番狂わせが起きれば、この予想は水泡に帰す。あくまでシミュレーションの話であることをご容赦いただきたい。とはいえ、移動距離の面を考えても、ファイナルの会場となるバンクーバーでより多く試合ができるC組1位通過は、連覇に向けた必要条件と言っていいだろう。

運命の初戦は日本時間で平日の午前11時にキックオフなので、リアルタイムで試合を観れる人は少ないかもしれないが、ランチタイムにテレビのあるレストランで食事をすれば後半45分間はライブで試合観戦ができるはずだ。フジテレビとNHK BS1で生中継される。

ひとりでも多くの人にテレビ越しに声援を送ってほしい。筆者も先ほどバンクーバーに到着した。連覇を目指してゴール裏から魂を込めて応援するつもりだ。

プロサポーター・著述家・ビジネスコンサルタント

1977年札幌生まれ。2000年アクセンチュア入社。2006年に退社し、ビジネスコンサルタントとして独立して以降、「半年仕事・半年旅人」という独自のライフスタイルを継続。2019年にパパデビューし、「半年仕事・半年育児」のライフスタイルにシフト。南アW杯では出場32カ国を歴訪する「世界一蹴の旅」を完遂し、同名の書籍を出版。2017年にはビジネス書「半年だけ働く。」を上梓。Jリーグでは北海道コンサドーレ札幌のサポーター兼個人スポンサー。2016年以降、サポーターに対するサポート活動で生計を立てているため、「プロサポーター」を自称。カタール現地観戦コミュニティ主宰(詳細は公式サイトURLで)。

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