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先制した試合で驚異的な勝率を誇る北海道コンサドーレ札幌 その秘密に迫る

村上アシシプロサポーター・著述家・ビジネスコンサルタント
北海道コンサドーレ札幌の四方田修平監督(写真:アフロスポーツ)

明治安田生命J2リーグは現在、北海道コンサドーレ札幌が首位を快走している。成績が好調の理由は様々だが、ひとつ特出したデータがあるのでここで紹介しよう。

今まで23試合を戦い、札幌が先制したのは15試合、先制されたのは6試合という内訳となっている(スコアレスドローが2試合)。

先制された6試合の成績は1勝2分3敗と当然ながら芳しくないが、先制した15試合に注目してみると、14勝1分0敗とずば抜けた戦績を残しているのだ。実に勝率は93%と驚異的な数字だ。

前任のバルバリッチ監督は、先制しても追い付かれて勝ち点を失う試合が多いのを理由に昨夏解任されたが、その後を引き継いだ四方田修平監督は、その問題点を今季しっかり修正してきた。

先制した試合を勝ち切れるようになった理由

なぜ今季、札幌は先制した試合で堅実に勝ち切ることができるようになったのか?

今年神戸から移籍してきたセンターバック、増川隆洋を中心とした守備陣が安定している点も大きいが、今季コンサドーレのリーグ戦を全試合見ている筆者は、四方田修平監督の采配にフォーカスを当てたい。

四方田監督の特徴として、先制した試合で逃げ切り態勢に入る終盤において、布陣変更を行うことがよくある。コンサドーレの通常のフォーメーションは3-4-1-2だが、終盤になってくると両ウィングバックを最終ラインに吸収し、かつボランチを3枚に置き換えて、5-3-2に変えるパターンが多い。

また先日の首位攻防戦・札幌対松本では、1-0で迎えた後半の終盤において、5-4-1の超守備的フォーメーションに変更し、ボール奪取力に定評のあるボランチ深井一希をまさかのワントップに置き換える変則布陣で、終盤の松本の猛攻を凌ぎ切った。

追加点を取れそうにないと判断すると、確実に1点差のまま逃げ切る戦術に切り替える四方田監督の潔さが、札幌の快進撃を支えていると言っても良いだろう。実際に1-0で勝ち切った試合が既に9試合あるのも特徴的だ。

そんな札幌は今夜、札幌ドームにFC岐阜を迎える。今節における唯一の月曜開催の試合だ。是非、コンサドーレの終盤の布陣変更に着目して試合を見てほしい。

プロサポーター・著述家・ビジネスコンサルタント

1977年札幌生まれ。2000年アクセンチュア入社。2006年に退社し、ビジネスコンサルタントとして独立して以降、「半年仕事・半年旅人」という独自のライフスタイルを継続。2019年にパパデビューし、「半年仕事・半年育児」のライフスタイルにシフト。南アW杯では出場32カ国を歴訪する「世界一蹴の旅」を完遂し、同名の書籍を出版。2017年にはビジネス書「半年だけ働く。」を上梓。Jリーグでは北海道コンサドーレ札幌のサポーター兼個人スポンサー。2016年以降、サポーターに対するサポート活動で生計を立てているため、「プロサポーター」を自称。カタール現地観戦コミュニティ主宰(詳細は公式サイトURLで)。

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