「エア取材」告発側の自浄作用は?カンゼン社運営のフットボールチャンネルがエア取材を理由に謝罪文を掲載
カンゼン社が運営するウェブメディア『フットボールチャンネル』が本日9月22日、謝罪文を自社サイトに掲載した。
問題となった元記事は削除されているが、配信先には残っているので以下に引用する。
逮捕者など一切出ていないのに、タイトルに「逮捕者も」というでまかせを書いて、嘘の情報をばら撒いた責任はどう取るのか?
まずメディアというものは、その情報が事実か否かの確認をした上で情報を発信するのが常識である。「材料を取ってくる」と書いて取材と読むわけで、その裏取りを怠るのは「エア取材」と言っていい。
先日、Yahoo!の特集で他社の「エア取材」を告発する田崎健太氏の記事が話題を呼んだ。当記事は元々、カンゼン社が発行する雑誌『フットボール批評』内で書かれたコラムが元となっている。
まるで「ミイラ取りがミイラ」
「エア取材」を告発する側に立ったカンゼン社が、「エア取材」を理由に謝罪文を出すことになるとは、何とも皮肉である。
私が大宮関係者に取材したところ、「カンゼン社のライター、ならびにフットボールチャンネル編集部からの事実確認はなかった」との回答を得た。『フットボールチャンネル』が何をソースとして「逮捕者が出た」と報じたのか、理解に苦しむ。
ちなみに『フットボールチャンネル』は昨年においても、植田路生編集長が大宮アルディージャがあたかも不正会計をしているかのような、事実に基づかない情報発信を行い、謝罪文を掲載している。
人間誰もがミスをする。それは当然のことだ。ただし、プロフェッショナルとして仕事をする人々は、そのミスを糧にして、同じ過ちを繰り返さない。
2年連続で似たような「エア取材」が原因で謝罪文を掲載しているカンゼン社および『フットボールチャンネル』は果たしてプロのメディアと呼べるのだろうか――。
他メディアに“自浄作用”を求めているカンゼン社だが、まずは自社における自浄作用をしっかり行ってほしいと切に願うばかりだ。