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本当に大事なことなら耳の痛いことも言おう、サッカーの本田選手のように

村上れ以子成婚率東日本トップの仲人士(結婚相談所運営) 元新聞記者

本田圭佑選手が“公開説教”

6月4日に行われたサッカーのW杯アジア最終予選で日本は1-1で豪州と引き分け、5大会連続のW杯出場、史上初の3大会連続世界最速切符を決めました。

翌5日は一夜明け会見。

祝福ムードの中、MF本田圭佑選手(26)が“公開説教”~8選手の個人名を挙げて課題を列挙したそうです。

「1対1を守ったところをさらに高めていく」

「決めるところをしっかり決める」

先輩に対しても容赦なく、「憧れみたいにいわれても困る。大先輩だから、どんどん言ってほしい」と。

はっきり意見が言いにくい時代~親も他人も

今、本田選手のように「人にはっきりモノを言う」ことが珍しくなっていると思いませんか?

結婚を例に考えてみても、個人情報保護やプライバシーなどを重視するあまり、他人に何かを言うことが非常に難しい時代になっています。

おせっかいを焼きにくいんです。

「結婚しないの?」と聞くことがセクハラなら、周囲は何も言えません。

じゃ、親はどうか。

今は子どもに意見を言えない親も増えているように思います。

「結婚しなさい」

「誰かいないの?」

子どもにとって耳が痛いことを言うことで、子どもに嫌な顔をされるかもしれません。

でも、耳が痛いことを言い、家に居心地の悪さを作れば、子どもは出ていきやすくなります。

だけど、親も子どもに対してズバリ「結婚しなさい」と言わない。

兄弟姉妹が少ない(いない)から嫌われたら寂しいし老後が不安・・・など、様々な“思惑”もあるのでしょう。

そのうち、親自身が実際に老いてくると、今度は子どもを家に縛りたくなってきます。

結婚を推進するどころか、「ずっとこの家にいていいのよ」なんて言ったりして。

そんなケースも少なからずあります。

結婚はある種のリスクマネジメント

結婚で必ずしも幸せになれるとは限りませんし、結婚しない幸せもありますから、結婚したくない人に「結婚しろ」という気もありません。

ただ、結婚しないからには、十分に老後のリスクマネジメントをすることが必要です。

十分なお金はあるか。どこに住むか。病気になったとき、病院は? ひとりのときに倒れたら誰にみつけてもらう?

私は、結婚はある種のリスクマネジメントだと私は考えています。

親にしたら、自分の老後は子どもがいて安心でも、子どもの老後まで考えたら、孫の世代がいたほうが安心ですよね。

株式の優待でマーケットのない日を分刻みで過ごすオジサン、桐谷広人さん(63)も、テレビ番組の中で、番組スタッフにこう話していました。

「(1億7000万円=収録当時=の資産があっても)私、独身でひとりぼっちですから。私と同い年で、女房がいて子どもが2人くらいいれば、孫もいるかもしれない。小さな家でもあったらね、もうそれだけで、私の持ってる株の資産よりも精神的、人間的には豊かだと思います」

本当に大事なことだったら本田選手のように意見すべき

サッカーの本田選手はW杯優勝という目標を本気で実現しようと考えているから、「言いたくない」と前置きしながら、課題と克服すべき人を名指しで言ったのでしょう。

その場の空気、その後の人間関係を円滑にするよりも、はっきり意見して個々のレベルアップをすることが大事だと考えたから。

何が大事かが明確に見えていれば、改善のための案が出せます。

だからもし、あなたが大切に思う人が独身でリスクマネジメントできていないようだったら、相手にとって耳が痛いことでも意見するのが親切です。

嫌がられるかもしれませんが、相手が子どもなど本当に大事な人だったら、きちんと聞いてみてください。

「結婚しないの?」「婚活しないの?」「リスクマネジメントはできているの?」って。

成婚率東日本トップの仲人士(結婚相談所運営) 元新聞記者

キャリア5年で成婚数、成婚率とも東日本1位仲人士に。17年間のスポーツ担当記者時代に取材した国内外トップスポーツ選手・コーチの必勝ノウハウを婚活にいかし、難しいといわれる30代・40代・50代の中高年と親の婚活で、通常の8倍の割合で会員を成婚に導く。慶應義塾大法学部政治学科卒業。既婚、二児の母で、趣味は子どものスポーツ応援。

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