難しいことをやさしく書くこと、難しいことをより難しくすること
昨日読んでいた本で見つけました。作家の井上ひさしさんの言葉だそうです。久しぶりにうなってしまいました。まさに我が意を得たり。
むずかしいことを やさしく
やさしいことを ふかく
ふかいことを ゆかいに
ゆかいなことを まじめに書くこと
(井上ひさし)
特に一行目に関して、自戒を込めていいますが、学者・専門家というのは、とかく「むずかしいことを より難しく」書いたりしゃべったりしがちですね。己の権威を維持するために。
もちろん、誤解を避けるために申し上げますが、正確な議論を行うために専門用語は存在しますので、学者・専門家が、専門用語を記憶すること、使用することが悪いことではありません。
でも、時に、それが「必要以上」になることがあります。
どう考えても、不必要な場面で相手を煙にまくために、「むずかしいことを より難しく」喋る事例が、たまに見受けられます。このことは、自戒をこめて申し上げます。
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これにゆるやかに関連して、最近、よく思うことがあります。
少なくとも僕の研究領域に関する限り、
重要なことは「シンプル」である
そして
本当のことは「簡潔」だ!
ということです。一見難しく複雑に見えることでも、分析を続ければ、その意味するところは、実に「やさしく」かつ「シンプル」である。
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むずかしいことを やさしく
やさしいことを ふかく
ふかいことを ゆかいに
ゆかいなことを まじめに書くこと
今日は、井上さんの名言の特に1行目について書きました。
2行目から4行目は、ペーペーの修行中の小生には、まだまだ想像すらできぬ域ですが、いつか、何時の日か、僕もそんな「書き手」になりたいな、と願っています。
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この記事はNAKAHARA-LAB.NET(2009年11月26日)記事に加筆・修正したものです。NAKAHARA-LAB.NETは、人材開発・人材育成に関する記事が毎日投稿される中原淳のブログです。Yahoo「個人」の方には、しばらくはNAKAHARA-LAB.NETの過去記事の中でアクセスが多かったものをのせていきます。
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