Yahoo!ニュース

クリスマスまで白熱の1カ月! 好カードが目白押しで見逃せない12月のセリエA

中村大晃カルチョ・ライター
リーグ戦をマラソンとたとえるアッレグリ監督(写真:ロイター/アフロ)

ユヴェントスのマッシミリアーノ・アッレグリ監督は、リーグ戦をマラソンにたとえる。長丁場の戦いが佳境を迎えるのは春になってからというのが持論だ。だが、スクデットや欧州カップ戦出場権を目指すチームにとって、今季の12月は非常に重要な1カ月となる。クリスマスまで好カードが目白押しなのだ。

11月を終えて首位に立つのは王者ユヴェントス(勝ち点33、以下同)。ローマとミラン(29)が追い、ラツィオとアタランタ(28)、トリノとナポリ(25)、インテル(21)、フィオレンティーナ(20)、ジェノア(19)と続いている。最後の2チームは直接対決の延期分が15日に開催予定。結果次第でどちらかがインテルを上回るかもしれない。

開幕前の評価が決して高くなかったラツィオやアタランタが躍進し、欧州の舞台を目指すトリノも奮闘していることで、上位争いは混とんとしている。さらに、11月最後の週末でユーヴェがジェノアに完敗したことで、ローマやミランとの勝ち点差が4に縮まり、タイトル争いも白熱してきた。

当然、上位を競うチーム同士の直接対決は増える。12月は、そんな直接対決が頻繁に行われるのだ。

◆15節

ナポリ対インテル

ユヴェントス対アタランタ

ラツィオ対ローマ

◆16節

トリノ対ユヴェントス

ローマ対ミラン

◆17節

ミラン対アタランタ

ユヴェントス対ローマ

ラツィオ対フィオレンティーナ

ナポリ対トリノ

◆18節

インテル対ラツィオ

フィオレンティーナ対ナポリ

◆スーペルコッパ

ユヴェントス対ミラン

一年の締めくくりに名門同士がトロフィーを競うのも盛り上がりを後押しするだろう。また、特に注目されるのが、ハードスケジュールとなるユヴェントスとローマの上位2チームだ。

ユーヴェは次節で伏兵アタランタを迎え撃つ。レオナルド・ボヌッチとダニエウ・アウベスが離脱し、守備陣が野戦病院と化しつつあるなかで、9戦8勝1分けで6連勝中と絶好調のアタランタが相手とあれば、決して勝ち点3が計算できる試合ではない。さらに、チャンピオンズリーグ・グループステージ最終節を挟み、11日にはトリノダービーが控えており、第17節では2位ローマとの直接対決だ。今年を締めくくる最終戦では、スーペルコッパでミランと今季初タイトルを争う。

一方、ローマもユーヴェとの直接対決まで厳しい日程が続く。次節はラツィオとのダービーマッチ。ヨーロッパリーグのグループステージ最終節を挟んで、12日にはミランとユーヴェへの挑戦権を懸けた一騎打ちが待っている。年内最終戦となるホームでのキエーヴォ戦まで、ローマは最高難度のリーグ3連戦をこなさなければならない。

3位ミランも次節こそ19位クロトーネとのホームゲームだが、その後はローマ、アタランタ、そしてユーヴェとのスーペルコッパと続く。そのほかの上位陣も、年内は少なくとも2試合の直接対決を控えている。

アッレグリが言うように、12月で何かが決まることはない。首位だったインテルが後半戦で失速し、ユーヴェが驚異の巻き返しで逆転優勝した昨季もそれを裏付けている。だが、この1カ月の結果で、各チームの今後の流れができていくはずだ。12月はシーズン後半戦の行方を占う試金石なのである。セリエファンにとっては、見逃せない1カ月だ。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

中村大晃の最近の記事