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活発なのはインテル&ユヴェントス? セリエを知る10名のディレクターがみる冬の移籍市場

中村大晃カルチョ・ライター
夏にピアニッチやマリオを加えたユヴェントスとインテルが冬も補強に動く?(写真:ロイター/アフロ)

1月3日、セリエAの冬のマーケットが正式にオープンする。ユヴェントスがトーマス・リンコン、ナポリがレオナルド・パヴォレッティの獲得を内定させるなど、すでに動きも出ているが、インテルもアタランタMFロベルト・ガリアルディーニに迫っていると報じられるなど、今後の展開から目が離せない。イタリアを知るディレクターたちは、この冬の市場をどうみているのだろうか。

イタリア『コッリエレ・デッロ・スポルト』は3日付の記事で、次の5項目を質問に対する10名のディレクターの回答を掲載した。

1)1月のヒット

2)見逃してはいけないイタリアの若手

3)イタリアに呼ぶべき外国人選手

4)最も動きをみせるビッグクラブ

5)最も動きをみせる残留争いクラブ

10名の回答は以下のとおりだ。

◆ジョルジョ・ペリネッティ(ヴェネツィア)

1)1月に真のヒットは難しい

2)スパルのアンドレア・ベゲット

3)パリ・サンジェルマンのヘセ・ロドリゲスはローマにとって興味深い

4)サイドバックが必要なインテル

5)エンポリ戦で結果を出せば、パレルモ

◆ピエルパオロ・マリーノ(元アタランタ、ウディネーゼ、ナポリ)

1)パヴォレッティのナポリ移籍やリンコンのユヴェントス移籍はすでにヒット

2)ガリアルディーニはインテルにとって大ヒット。ジェノアのレオナルド・モロジーニ獲得にも拍手

3)ルーカス・レイバ。インテルが獲得できるかは分からないが、セリエAに合う

4)インテルはサイドバックも獲得するだろう。マッテオ・ダルミアンではないか。フィオレンティーナはDFを獲得する。ニコラ・カリニッチを売ることはないだろう

5)ペスカーラ

◆ステーファノ・アントネッリ(元ウディネーゼ、トリノ、バーリ)

1)ラツィオと契約を延長しないケイタ・バルデ。インテルに行くだろう

2)ローマFWマルコ・トゥンミネッロ。新たなクリスティアン・ヴィエリだと思う

3)ポンチ・プレッタの1997年生まれのブラジル人レジスタ、マテウス・ジェズス

4)インテルとユヴェントス。前者はガリアルディーニだけにとどまらず。ユーヴェはリンコンに続いて別のMFを獲得するだろう

5)ペスカーラ、クロトーネ、パレルモは最後まで残留を争うために多くの仕事が必要

◆ロレンツォ・ミノッティ(元パルマ)

1)ユーヴェ。リンコンに続き、アタランタからフランク・ケシーも獲得するのでは

2)アスコリのリッカルド・オルソリーニ

3)メスト・エジル。アーセナルを去るかもしれない。インテルとミランにとって面白いと思う

4)インテル。センターバックとサイドバック、セントラルハーフとサイドアタッカーが必要

5)パレルモ

◆グリエルモ・アクリ(元テルナーナ、ペスカーラ)

1)パヴォレッティのナポリ移籍。フアン・マヌエル・イトゥルベのトリノ移籍も

2)セリエAならガリアルディーニ。セリエBではベネヴェントのアレッシオ・クランニョ

3)ルイス・グスタボ。インテルかユーヴェに良いと思う

4)インテル。MFを獲得し、サイドにも手を入れるだろう。ナポリも守備強化へ

5)ペスカーラ

◆パスクアーレ・センシービレ(元パレルモ、サンプドリア、ローマ、トラーパニ)

1)ガリアルディーニのインテル移籍

2)アンドレア・コンティ

3)1994年生まれのモルガン・サンソン。モンペリエのセントラルハーフ

4)インテル

5)パレルモ

◆ショーン・ソリアーノ(バーリ)

1)放出という点でアタランタ。ガリアルディーニのインテル移籍とマッティア・カルダーラのユヴェントス移籍はスーパーな取引

2)セリエBには多くのタレントがいる。オルソリーニなど

3)私がビッグクラブにいたら、アトレティコ・マドリーのホセ・マリア・ヒメネスは逃さない

4)ユヴェントスはリンコンに続くMFを獲得するだろう

5)ペスカーラ

◆ルカ・カッターニ(元パレルモ、ノヴァーラ)

1)ナポリのパヴォレッティ獲得

2)ジェノアのピエトロ・ペッレグリは素質を示した

3)ロストフのイラン代表FWサルダル・アズムン

4)インテルはさらなる強化を目指すだろう

5)ペスカーラはまだ止まらないはず

◆リーノ・フォスキ(チェゼーナ)

1)カルダーラのユヴェントス移籍

2)私が非常に好きなのはオルソリーニ

3)リヴァプールのルーカス・レイバ。無償レンタルで来たら素晴らしいビジネス

4)3冠を望むユヴェントスは動くだろう。だが、3位以内を目指すインテルも黙ってはいないはず

5)ペスカーラはさらに動くだろうが、最終的にはパレルモが最も多くの選手を獲得するに違いない

◆フランチェスコ・マロック(元カリアリ)

1)アクセル・ヴィツェルを逃したユーヴェがサプライズをみせるのでは。イスコのようなMFか

2)オルソリーニ

3)ナイジェリアの1996年生まれ、ウィルフレッド・ディディ。ヘンクの将来有望なMF

4)インテル

5)ペスカーラとパレルモ

もちろん、直接の関係者でないがゆえに話すことができるわけだが、興味深いのは4)の回答がインテルかユヴェントス、あるいはその両者のどれかに限られているということだ。1月のマーケットでさらなる戦力アップに乗り出すのは、6連覇を目指す優勝候補と、そのユーヴェに次ぐ戦力と言われたインテルになるのだろうか。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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