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8強出そろったCL、ユヴェントスは「最強じゃない優勝候補」 伊の識者30名が予想

中村大晃カルチョ・ライター
14日のポルト戦でPKを決め、ユーヴェの8強進出に貢献したディバラ(写真:アフロ)

ベスト8が出そろったチャンピオンズリーグ(CL)は17日、準々決勝の組み合わせ抽選が行われる。注目される対戦カード決定を前に、イタリア『コッリエレ・デッロ・スポルト』は16日付の記事で、識者30名に対する最強チームと優勝候補のアンケートの結果を発表した。

準々決勝に駒を進めたのは、スペインの3クラブ(レアル・マドリー、バルセロナ、アトレティコ・マドリー)とドイツの2クラブ(バイエルン・ミュンヘン、ボルシア・ドルトムント)のほか、イングランドからレスター・シティ、フランスのモナコ、そしてイタリア王者ユヴェントスだ。

『コッリエレ』の質問は、

1)ベスト8で最も強い2チーム

2)優勝チーム

の2つ。回答したのは、以下に記したイタリアサッカー界の識者たちだ。

アルベルティーニ/プランデッリ/アントニョーニ/バレージ/レヤ/バンニ/デ・ビアージ/マッサーロ/ガレオーネ/アダーニ/ディ・ジェンナーロ/デ・カーニオ/パリュウカ/ベルゴーディ/クックレドゥ/アナスタージ/ユリアーノ/アレニコフ/ラヴァネッリ/タソッティ/ビリンデッリ/アメーリア/スカルネッキア/タッキナルディ/ブランカ/ストラマッチョーニ/アルトベッリ/ベルゴミ/フェッリ/コッラーディ

1)で圧勝したのは、イタリア人のカルロ・アンチェロッティ監督が率いるバイエルンだった。60票のうち26票を獲得。得票率43.3%と圧倒的な数字だ。続いたのは、ラウンド16でパリ・サンジェルマンを相手に「奇跡の逆転劇」を演じたバルセロナ。16票で得票率26.6%だった。王者マドリーは11票獲得で3番手(得票率18.3%)。ユヴェントスは7票(得票率11.7%)で、“4強”の最下位だった。

だが、2)になると、ユーヴェはトップに浮上する。30名のうち13名がユーヴェの優勝を予想。これはバイエルンと並ぶ得票数だ。バルセロナ(3名)とマドリー(1名)は大きく票を落とした。

イタリアメディアによるイタリア人へのアンケートであるうえ、プランデッリやユリアーノ、タッキナルディらユーヴェ出身者が1)と2)の双方で古巣を挙げるなど、客観性には多少の疑問符もつく。

ただ、トーナメント方式の大会では、最強とされるチームが必ずしも優勝するとは限らない。マッシミリアーノ・アッレグリ政権1年目だった一昨季、ベルリンでの決勝にたどり着いたユヴェントスも、ファイナリスト候補ではなかった。

アッレグリの師であるガレオーネや、やはりユーヴェOBのラヴァネッリやビリンデッリは、1)でユーヴェを選んでいないにもかかわらず、2)でイタリア王者の名前を挙げている。つまり、「最強ではないが優勝候補」というわけだ。

実際、優勝するには純粋な戦力だけでなく、様々な要素を味方につける必要がある。組み合わせ抽選で運に恵まれるかどうかも、そのひとつだ。

2年前と違い、21年ぶりとなる欧州制覇を狙いにきているユーヴェは、その運を引き寄せられるだろうか。イタリアメディアは、岡崎慎司所属のレスターが最も「ラッキー」な相手とみているようだが…?

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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