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ポスト・スギちゃん大混迷!?本当にブレイクするのは…

中西正男芸能記者

三浦マイルドの優勝で幕を閉じた「R-1ぐらんぷり2013」だが、現時点では、昨年のスギちゃんのように大ブレイクの波が来ている出場者は見当たらない。

◆王者は尻すぼみ!?

マイルドは月平均1~2本だった仕事が、優勝から一夜明けて一気に30本近く舞い込んだものの、その後は停滞気味。賞レースでは強力な武器になったルックスは諸刃の剣でもあるようで、在阪民放局スタッフは「情報番組のグルメロケなどが若手芸人さんに出演してもらうベーシックな形ですが、何を食べても、料理ではなくマイルドさんに目が行ってしまう…」とキャスティングに二の足を踏む理由を語る。

年明けから注目を一身に集めてきたキンタロー。は、露出が落ち着きつつある。完成度の高いものまね芸で、今年の“スギちゃん枠”では?と言われたアンドーひであきも、「フリートークなどのテレビ芸がどれだけできるのかが未知数」(同スタッフ)とメディア的な活動は伸び悩んでいる。

◆決勝では散々だったが…

そこで注目されているのが、漫才コンビ「プラスマイナス」の岩橋良昌だ。

「R-1」決勝では“いかにも「EXILE」が歌いそうな曲を即興で歌う”“Tシャツを脱ぎながら『体つきがマフィアの幹部』と叫ぶ”などのネタを織り込んだコントを見せるも、本人が「決勝の記憶は消してます」と声を潜めるほど、会場は静けさに包まれてしまった。当然、決勝進出者12人の中から上位3人で優勝を争うファイナルバトルには残れなかった。

しかし、この大舞台での敗戦が、ネットを中心に「他にもネタはあったはずなのに、よりによって大舞台でクセが出た」「クセはホンモノだった!!」と話題沸騰。残念な結果が、キャラクターを広めるプロモーションにつながったのだ。

番組企画で何時間もかけて並べたドミノを蹴り倒してしまう、トーク番組で先輩芸人がオチを話そうとした瞬間に奇声を上げる、漫才ではツッコミなのにツッコまない…。やってはいけないことをやってしまうクセを持つキャラクターで、ABCテレビ「ごきげん!ブランニュ」などに出演し、関西では知名度が上昇しているが、その波が全国に広がりつつある。

◆吉本も認める存在に!

さらに、人気の盛り上がりを見せつけたのが、26日に大阪・なんばグランド花月(NGK)で行われた岩橋のイベント「ダイナマイト岩橋」。客席800人の同劇場は超満員。同イベントはこれまで大阪・京橋花月、東京・ルミネtheよしもとで行われてきたが、今回はNGKで開催された。

「NGKでイベントを行えるのは吉本が一流と認めた証。クセという伝わりにくい芸を『R-1』という大舞台を使って、うまく世間に認知させたと言えます」(吉本興業関係者)。

実際、登場して得意ギャグ“ギューン”を披露した時の歓声は、韓国アイドル『BIGBANG』のV.Iが同劇場にゲスト出演した時に匹敵した。

スギちゃんのように、「R-1」の本当の“恩恵”を受けるのは、この男なのかもしれない。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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