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「シソンヌ」、プレッシャーはキングオブコント優勝よりブサイクNo.1!?

中西正男芸能記者
「シソンヌ」の2人。向かって左がボケ担当・じろう、右がツッコミ担当・長谷川忍

先月発表された「吉本ブサイクランキング」で1位に輝いた長谷川忍さん(36)と、相方・じろうさん(36)のコンビ「シソンヌ」。歴代1位のブサイクレジェンド、ほんこんさん(51)、「フットボールアワー」岩尾望さん(39)、「NON STYLE」井上裕介さん(35)ら、強烈なメンバーに長谷川さんも名を連ねることになりました。昨年10月に行われたコント日本一決定戦「キングオブコント」優勝に続き、芸人として“最強の武器”をゲットした形となりましたが、2人が目指すものはコントとブサイクの二刀流でした。

長谷川「確かに、スゴイ称号をいただいたんですけどねぇ…。正直なところ、複雑な心境です(笑)。10のうち『うれしい』が7、いや、6かなぁ。『言葉にできない気持ち』が4くらいの割合です。もちろん、芸人としてはうれしいはずなんですけど、真正面から『ブサイク!!』と言われて喜ぶという回路に、まだ頭が追い付いていないですね…」

じろう「そこそこ、複雑な心境じゃないか(笑)」

笑いとともに拍手も

長谷川「いや、そりゃ、実際、ここからブサイクがお仕事になっていけば、もっと『うれしい』の割合が増えていくのかもしれませんけど…。あと、1位になる前も、ブサイクとイジられることはあったんですけど、その時はただ単に笑いが起こるだけだった、でも、チャンピオンになると、大したものですね…。ブサイクをイジられると、笑いとともに拍手をいただくようになったんです(苦笑)。『おー、王者のブサイクを見られた!!ホンモノだ!!』みたいな感じで。ハクがついたというか、敬意が乗っかってきたというか。いや、そこは普通に笑っていただくだけでいいんですけど…とは思うんですけど」

じろう「ブサイクで拍手ってのも、そもそも、おかしな話だからね」

長谷川「去年の『キングオブコント』でも優勝できましたし、ネタという部分では自分たちも自信を持ってやってきたんですけど、2人とも特に際立った特色がはあったわけではない。だから、バラエティーとかに出してもらった時の平場のトークでは、なかなか入っていくきっかけが難しかったんです。ただ、そういったところで、“No.1ブサイク”という武器は役立ってくれるだろうなとは思います」

じろう「今回のブサイクの称号も、もともとは『キングオブコント』の優勝がきっかけでしたしね」

長谷川「去年の『キングオブコント』でこちらの存在を知っていただいて、その結果『あれっ!?この人の顔…』って、皆さんが気づいちゃったのかな、と(笑)。もちろん『キングオブコント』優勝の方は、完全にうれしい出来事だったんですけど、まさか、こんなオプションが付いてくるとは思ってなかったです…」

やっと肯定してもらった気が…

じろう「『キングオブコント』で言うと、やっぱり、コントをやってる人間としたら、獲りたいタイトルですからね。“出場芸人が審査する”というシステムも魅力的でしたし。プロの芸人が見て、おもしろいと思ってもらった結果が優勝だとすると、こんなにうれしいことはないですからね」

長谷川「ちょっと入り組んだ話になると、ウチのネタは“演劇的”とも言っていただくんです。他のコンビが例えば、5分のネタで笑いどころを10個作るとしたら、ウチは“助走”がすごく長いんですよね。笑いどころにいくまでの時間がたっぷりとあって、笑いどころが5個とか、何なら、最後の最後に1個しかないようなネタもある。それが他のコンビと違うポイントでもあるんですけど、去年『キングオブコント』で優勝して、いわば、そのスタイルが認めてもらったというか、やっと自分たちがやってきたことを思いっきり肯定してもらったような気はしましたね」

じろう「昨年の優勝から、今年はより一層、やりたいことをやろうという気持ちになれましたね」

長谷川「そこに加え、今回大きな武器もゲットできた。ただ、過去に“ブサイクの殿堂入り”した方々がすごいんで…。実は、そういったプレッシャーもあるんですけどね。しっかりとブサイクを邁進(まいしん)していかなきゃなと。歴代1位の方々はみんな3年このタイトルを守って“殿堂入り”をされてますからね。僕も、3年頑張らないとダメですもんね」

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“ブサイク道”を突き進む!

じろう「今から3年は、しっかりブサイクにしとかないとね(笑)」

長谷川「3年守りきった時には、今よりもブサイクキャラクターは定着したうえで、ネタはネタでおもしろいんだよということも見せていたいですね。ブサイクの柱とネタの柱がどちらも同じくらいの太さで並び立ってくれていたらなと思います」

じろう「3年後か。いくつになるんだっけ?」

長谷川「ちょうど40歳です。しっかりオッサンで、殿堂入りするほどのブサイク。人生としては辛い旅になるかもしれませんが…、しっかりと“ブサイク道”を歩みたいと思います」

■シソンヌ

青森県弘前市出身でボケ担当のじろう(本名・大河原次郎)と、静岡県出身でツッコミの長谷川忍のコンビ。ともに東京NSC11期生で、2006年に結成。役者を目指して上京したじろうが作る演劇的なネタが持ち味。芝居心にあふれた展開は、お笑い界以外からも高い評価を得ている。昨年、コント日本一決定戦「キングオブコント」で優勝。今年3月に発表された「吉本ブサイクランキング」で長谷川が1位を獲得し、“No.1ブサイク芸人”の称号も得る。ライブを収録したDVD「シソンヌライブ trois」も発売中。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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