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ブレイク中の「ピスタチオ」、“白目漫才”誕生は解散直前だった!

中西正男芸能記者
ブレイク中の「ピスタチオ」。向かって左が伊地知大樹、右が小澤慎一朗

これでもかと白目を見せる白目漫才でブレイク中のお笑いコンビ「ピスタチオ」。元No.1ホストの伊地知大樹(いじち・ひろき)さん(30)と、祖父が有名玩具メーカーの創設メンバーである小澤慎一朗さん(26)という、個性際立つコンビでもあります。昨年12月放送の「アメトーーク!ザキヤマ&フジモンがパクリたい1グランプリ」で優勝し、芸人仲間からも注目を集めるネタとなっていますが、実は構想わずか30分、2人にとってラストステージとなるはずだった舞台の開演直前に生まれた“不仲の産物”でした。

たまたま思いついたネタだった

伊地知「本当にありがたいお話なんですけど、今年1月下旬からは休みなしの状態でして。転機は去年12月放送の『アメトーーク!』でした。その中の『ザキヤマ&フジモンがパクリたい1グランプリ』で1位をいただいて、そこから一気に変わりました」

小澤「『アメトーーク!』でも、いわゆる白目ネタを取り上げていただいたんですけど、このネタができたのは今から3年ほど前でした。当時はネタも全然ウケないし、コンビ仲も最悪の状態で、話し合った結果、もう解散しようと。一応、出演する舞台が1つ残っていたので、迷惑をかけないように、それだけはやってコンビ別れするということになっていたんです。そして、その舞台の日になったんですけど、開演30分前に相方がネタを書きまして、それがかなりぶっ飛んだ設定だったんです。男だけど妊娠しちゃうというような。設定がぶっ飛んでるのに、普通にやっても逆におかしいかなということで、それまでとはしゃべり方も変えてやろうと。そして、その日はたまたま僕が帽子をかぶってて、髪に変なクセがついてて、妙な七・三分けになってたんです。そこで相方から『お前、気持ち悪いな。そのまま出ろや』と言われまして」

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伊地知「いや、ホントに、ホントに、気持ち悪かったんですよ(笑)」

小澤「ま、確かに変な髪型だったんですけど『どうせ最後だから、もう何でもいい!!』みたいなことで僕もそのままいくことにしたんです。ただ、よく考えたら、僕だけ気持ち悪くなるのがちょっと悔しくて(笑)。なので『じゃあ、お前も気持ち悪くしろよ!!』と言って、首を振って白目を見せるということを入れさせたんです。当時はまだ芸人と並行してホストもやってましたし、ちょっと自分だけはカッコつけたまま、僕だけ気持ち悪くしようとしてるなと。その考えが芸人として『コイツ、終わってるな…』と思ったんで(笑)、珍しく僕も強く出まして『俺にばっかり言ってるけど、お前はできねぇのかよ!?』と。本当にお互い仲悪かったので、相方も『おう、やってやるよ!!』となったんです」

伊地知「そして、いざ本番。ビックリしました。今まで何年かやってきた中で、ダントツにウケたんです」

小澤「その日で解散しようと決めていたくらいですから、すんごく仲悪かったんですけど、その舞台ですべてが変わりました。爆発的にウケたことで、一気に仲良くなったんです。そのまま解散の話もなくなって『次のネタ合わせいつにする?』と(笑)」

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コンビ仲もどんどんよくなった

伊地知「ま、少し細かい話をしますと、その日は、まず舞台そでから中央のマイクに行くまでの何メートルかの間に『キャーッ!!』という声が上がったんです。歓声ではなく『気持ち悪い!!』という悲鳴が(笑)。でも、そこにきて初めて気づいたんです。それまでは、どこかシュッとしていたいというか、そういうものがあったんだなと…。芸人のあるべき姿というか、そこからはその虜(とりこ)になりました」

小澤「そこから、ウソみたいにコンビ仲もよくなっていって、お仕事も少しずつ増えていったんです」

伊地知「あと、本当に正直な話、それまで相方のことをおもしろいと一回も思ったことがなかったんです。ただ、ずーっと『気持ち悪いな…』とは言っていた(笑)。でも、このネタをやり出してから、この気持ち悪さが武器になっているなと。なので、いつしか、その部分へのリスペクトが生まれてきたんです。『コイツの気持ち悪さはスゲエ』という(笑)。それまでは『ナインティナイン』さん、『キングコング』さんみたいにシュッとした感じで人気が出たらいいなとどこかで思っていたんですけど、自分たちは違うわと。ホスト時代も、別にカッコいいわけじゃないし、すましていてNo.1になれるわけがない。だからこそ、しゃべってナンボ、楽しんでいただいてナンボということを徹底してNo.1になれた。こっちの世界でも、そりゃ、こっちだなと。そう心から思えた時、ふと隣にいる相方を改めて見て『とんでもない相方と組めている』と思えるようになったんです」

小澤「褒めててもらっているのか、どうなのか、何とも微妙ではありますけど(笑)、正統派であろうが、そうでなかろうが、とにかく笑いがある方がいい。そこに気づかせてくれたのが相方なので、ありがたいなと思っています」

伊地知「この辺の素直さは、育ちのよさが出てるのかもしれないですね(笑)」

金銭感覚はぶっ飛んでた

小澤「あの~、よく僕がお金持ちとか言われたりもするんですけど、そんなね、すごい豪邸にドーンと住んでるとか、ないんですよ。ただ、ま、裕福ではあるかなと(笑)。実際、お金がなくなったら、まず実家に帰ってますしね」

伊地知「何日かに一回“補給”に帰る日があるんです。若手芸人が持ってなきゃいけないハングリー精神みたいなところは、…ゼロです。ま、唯一、芸人らしいところでいうと、その補給したものを握りしめて、すぐにパチンコに行くことくらいですかね(苦笑)」

小澤「それでいうと、相方もついこの間まで、金銭感覚はぶっ飛んでましたけどね」

伊地知「確かに、ま、おかしかったですね…。あったらあっただけ使っちゃうんです。ホストをやってた時は月に400万円くらい収入があったこともありましたけど、見事になくなるんです。使わないと入ってこないみたいな考えがあって、後輩にはバンバンおごる。ま、そこまではいいとしても、後輩とパチンコに行って、そいつらの軍資金も自分が払って、後輩が勝ったら儲けは後輩のもの。玉がなくなったら、また自分が買って渡すという、後輩にとったら『絶対に負けない夢のギャンブル』みたいなこともやってました(笑)。さんざん負けて、そこから景気づけにみんなを連れてキャバクラに行く。そんなことを日々やってたら、そりゃ、なくなります…」

小澤「若手で全然仕事もない時から劇場までタクシーで来て、そのままタクシーを待たせておいて、またそのタクシーで帰るみたいなこともやってました。大御所かと(笑)」

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ホストを辞めてお金もなくなった

伊地知「去年の7月まではホストをやってたんで、そこまではお金があったんです。お仕事を少しずついただけるようになってホストを辞めて、つい最近までは本当にお金がない生活になった。確かに、一気に生活が変わりましたし、大変ではありました。でも、強がりでも何でもなく、苦じゃなかったんです。ベタですけど、お金はないけど心が満たされている。その感覚があったので、日々楽しいというか」

小澤「僕で言うと、今もそうですけど、ずっと家族に迷惑をかけてきたんで、ちゃんと稼げるようになったら、きちんと恩返しをしたいですね。旅行に連れて行ったり、すごくいいお寿司屋さんでごちそうをしたり。特に構えるでもなく、親にサラッと『今週末、空いてる?』とだけ聞いて旅行をプレゼントするとか。そういうのは、やってみたいですね」

伊地知「…いや、ま、俺が言えたことじゃないけど、立派なことを言う前に、まず“補給からパチンコ”の流れをやめるべきだろ…」

小澤「…(白目)」

■ピスタチオ

1985年2月5日生まれで神奈川県出身の伊地知大樹(いじち・ひろき)と、88年9月15日生まれで東京都出身の小澤慎一朗(おざわ・しんいちろう)が2010年にコンビ結成。ともに、東京NSC13期生。ワンフレーズごとに白目を見せる“白目漫才”で注目を集め、昨年末に放送されたテレビ朝日系「アメトーーク!」の企画「ザキヤマ&フジモンがパクリたい1グランプリ」で優勝。それをきっかけに一躍ブレイクする。伊地知は元No.1ホスト、小澤は祖父が有名玩具メーカーの創設メンバーという環境で育つ。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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