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倉持明日香、「AKB48」を出て初めて分かった2つのコト

中西正男芸能記者
ドラマ初主演を果たす倉持明日香

18日に行われる「AKB48選抜総選挙」。昨年8月に「AKB48」を卒業した倉持明日香さん(26)は「あの場にいて『○○さん、□位だったんだ。すごいなぁ!!』というだけの総選挙はやめてもらいたいなと。何か一つ、例えば心底“悔しい”という感情だけでもいいから、総選挙から得てもらいたい」と現役メンバーにエールを送ります。卒業後、舞台「BIOHAZARD THE STAGE」などに出演。さらに、今月から始まるMBS・TBS系連続ドラマ「OLですが、キャバ嬢はじめました」(MBSでは19日スタート日曜・深夜0時50分、TBSでは21日スタート火曜・深夜1時28分)でテレビドラマ初主演も務めるなど多方面で活躍。「『AKB48』を出て、今、真っ先に浮かぶ感謝が2つあります」と今だからこそ言える思いをストレートに語りました。

同じ芸能界でも全く別

卒業から10ヵ月。ここまでいろいろなことに挑戦させてもらえるなんて、想像すらしてなかったです。正直、不安な部分もありました。卒業して大きな看板がなくなるわけですし。今まで「AKB48」として見てきた景色と、今、倉持明日香という一人で見ている景色。同じ芸能界でも全く別なんだなと。

例えば、バラエティー番組に出してもらう時にも「AKB48」時代は複数で出ることが多くて、例えばこちらに振られる質問が3つあったら、出演メンバーでそれを振り分けるので自分が答えるのはせいぜい1つ。でも、卒業後は、その3つに全部自分が答えられる。そして、3つとも答えなきゃいけない。この両方の意味があることを痛感しています。

あとは、スタッフさんやファンの方が「この前、番組見たよ」と何気なく言ってくださることに対しての感謝の心、これが、さらに強く、濃くなりました。

卒業前も、もちろん「ありがとうございます」と心から思っていましたし、そう答えていたんですけど、心の奥底から感情があふれ出すように「ありがとうございます!!」という感じなんです。自分のことを気にかけてくださっている、知っていてくださっているって、本当に有り難いことだなと。

そんな中、今回、初めてのテレビドラマの主演もさせていただきました。主演だなんて頭の片隅にもなくて、びっくりするやら、うれしいやらで。ただ、実際に撮影をしてみて、あの~、当たり前なんですけど、主演って出ずっぱりなんです(笑)。いや、これが本当に実感すると言いますか、大変だなと。日々、あらゆる意味で新しい景色を見せてもらっています。

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今だからこその感謝

そして、今だからこそ感じるようになった「AKB48」への感謝というのもあって。一つは“ファンの方と実際に触れ合ってきた”ということ。「AKB48」を経て、今ここにいるからこそ、本当に、本当に、本当に、ファンの方々に支えていただいているんだということを実感できているんだと思います。もし、私が「AKB48」を通さずに最初から今のようにドラマをやり、ラジオをやりということだったら、ファンの方とそこまで実際にお会いすることがない。「AKB48」で過ごした8年間があるからこそ、自分の感覚として、熱として、実体として、ファンの皆さんを感じられるというか。今になって、より一層、貴重な宝物をいただいたと思っています。

もう一つは“舞台に立っていた”ということです。通算600回以上、劇場公演に立たせていただいたんですけど、卒業して初めて舞台のお仕事をさせてもらった時に、他の出演者の方に言われたんです。「やっぱり、舞台に立ってきただけあるね」と。それがすごくうれしくて。もちろん、お芝居の経験値で言ったら、他の先輩方に全然及ばないですけど、単純に舞台に立った回数ということだけでいうと、数字的にはかなりの数を積み重ねてこられたんだなと。

お芝居の舞台とはまた別物ですが、「何が起こるか分からない」「イメージトレーニングではどうしようもない」「起こったことはその場で処理しないといけない」といったことは共通していると思いますし、そんな場を600回以上やってきたことは積み重ねになっていたんだと。そんな場に日々いさせてもらったことに、また感謝の気持ちが出てきています。当然、プレッシャーを感じることも多かったですし、大変だと思うこともありました。でも、今出てくるのは感謝なんですよね。

今も心がざわつく

プレッシャーということで言うと、やっぱり大きかったのは総選挙。今年も間近に迫っていますけど、卒業しても、このワードを聞くと心がざわつきます。

総選挙の大変さというかプレッシャーは私も経験してまからよく分かるつもりです。そのうえで、同じグループだった子とか、可愛がっている後輩には一人でも多くいい結果を残してもらいたいと思いますし、無理な話なんですけど、できることならば、全員選抜メンバーに入ってもらいたい。

ただ、もし偉そうに言わせてもらえるのであれば、選抜にもし入らなくても、総選挙をきっかけに何か一つでも得てほしいなと思うんです。それは“悔しい”という気持ちでもいいと思いますし。普段、一緒にステージに立つことのないような上の方のメンバーから何かを“盗む”ということでもいいですし、あの場にいて「○○さん、□位だったんだ。すごいなぁ!!」とかいうだけの総選挙はやめてもらいたいなと。

私が総選挙で得たのは「悔しい」という感情でした。研究生の子とかがまゆゆ(渡辺麻友)とかに対して「悔しい」と思っても全然かまわないと思うんです。「私はまだそんなレベルじゃないから」とか、そんなことを思うのではなく。本当は1位の子以外、全員が「悔しい」はずなんですよ。あれだけ明確に順位が出るわけですから、自分より上の順位があるんだったら、そこに誰かがいるんだったら、悔しいと思って当然ですしね。ただ、それを人にぶつけるんじゃなくて、結局は自分自身が前に進むエネルギーに変える。ここが一番大切だと思います。

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私にできる唯一の恩返しは…

今、自分は卒業してまだ1年経っていない。そういう意味では、まだ優しい目で見ていただいている部分もあると思うんです。ただ、これが2年、3年と経っていくと、今回も初主演というお仕事をいただいて本当にありがたいんですけど、そういう話題というか、「AKB卒業後初の…」ということもどんどんなくなっていくわけじゃないですか。そうなると、もっと自分自身の本当の力が求められますし、必要とされるためには必要とされるための積み重ねをしていかなきゃいけないと痛感しています。

あと、自分がしっかり活躍すること。それが私にできる唯一の「AKB48」への恩返しだと思うんです。現役の後輩たちに「あの人みたいになりたい」と思ってもらえるように頑張らないといけないし、私たちが卒業してからも「AKB48」という名前を売らなきゃいけない。私の中から「AKB48」という文字が消えることはないわけですから、倉持明日香という名前を売れば、それは同時に「AKB48」を売ることにもなる。そこまでの恩返しができるように頑張らないといけないなと思っているんです。大きな話をしすぎましたかね(笑)。でも、本当にそれができるように頑張りたいと思います。

■倉持明日香(くらもち・あすか)

1989年9月11日生まれ。神奈川県横浜市出身。ワタナベエンターテインメント所属。2007年「AKB48 第一回研究生(4期生)オーディション」に合格。2010年には、柏木由紀、高城亜樹とともにユニット「フレンチ・キス」として『ずっと前から』をリリース。2014年にはチームBのキャプテンも務める。昨年8月に「AKB48」を卒業。卒業後は、舞台「BIOHAZARD THE STAGE」のヒロイン役などを務める。今月スタートのMBS・TBS系連続ドラマ「OLですが、キャバ嬢はじめました」でテレビドラマ初主演。MBSでは、6月19日スタート日曜・深夜0時50分、TBSでは、6月21日スタート火曜・深夜1時28分。父は元プロ野球投手で、野球解説者の倉持明。野球のみならず、プロレスの熱烈なファンとしても知られる。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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