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赤裸々に語る!「さらば青春の光」の今

中西正男芸能記者
お笑いコンビ「さらば青春の光」。向かって左が森田哲矢、右が東口宜隆

本来、コントを得意にしながらも若手漫才日本一決定戦「M-1グランプリ2016」でファイナリストになった、森田哲矢さん(35)と東口宜隆さん(31)による、お笑いコンビ「さらば青春の光」。2013年3月に松竹芸能を退社し、上京してからは個人事務所「ザ森東(もりひがし)」を立ち上げた“個人事業主芸人”でもあります。この3年9ヵ月、本業での苦労、そして、東口さんの女性絡みのオイタなどいろいろなことがありましたが、今の自分たちについて赤裸々に語りました。

スケジュールは薄~い茶色

森田「えらいもんで『M-1』の決勝進出が決まった瞬間、バーッとスケジュールが真っ黒になったんです。ただ、それは「優勝したら、番組に出てくださいね」の仮押さえなんです。だから、ご存知のとおり、優勝しておりませんので、ほとんどのお仕事はキャンセルとなりまして…。ただ、本当にありがたいことに、そのまま出していただける番組もあるので、今のスケジュールは薄~い茶色くらいの感じでやらせてもらっています(笑)」

東口「ホンマに、ちょうどそれくらいの色合いやと思います(笑)」

森田「ただ、今年一年で言うと『キングオブコント』で2回戦敗退だった。自分らにとっては、本当にショックでした。優勝を見据えてやっていた中での、その結果だったんで。ただ、そこから貧乏根性で『とにかく出よう』となった『M-1』で決勝まで行くことができた。非常に、振れ幅の大きな一年ではありましたね」

東口「『キングオブコント』に落ちた時点で、『あ、もう今年は売れへんねんや…』と思っていたところの『M-1』決勝。『M-1』は『絶対に優勝しなければ!!』という思いではなく『とにかくチャレンジをしよう』というスタンスだったんで、準決勝で博打(ばくち)をかけるようなネタを相方が選んだんです。捨て身の強さというか。それが功を奏して決勝に行けた。その意味では、ホンマに何がどうなるか分からないと思った一年でもありました」

森田「今年、もし『M-1』決勝に行けなかったら0点の年やったかもしれませんけど、終わりよければで、何とか70点はあったのかなと」

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純粋に楽しみやわ

東口「もちろん『M-1』もそうなんですけど、他にも大きな動きがありまして。僕らは上京以来、ずっと2人だけでやってきたんですけど、今年6月から初めてマネージャーがついてくださったんです。僕らがやっている会社というか、個人事務所「ザ森東」としてはやっと大きな一歩を踏み出せたなと」

森田「現状も、事務所は僕の自宅ですし、そういった部分は変わらないんですけど、大阪にいる時からよく知っている方がマネージャーになってくださいまして。今までは、営業的なことも、お仕事の交渉も、全部僕らがやってましたからね。マネージャーさんがいることが、こんなに助かるんだと思い知りました」

東口「『正直、この仕事は厳しいな…』と思う仕事も、そして、お金の話も、やっぱりタレントが自分で断ったりするのは、なかなか難しい。今は、ホンマにありがたいです」

森田「あと、思わぬ流れというか、いろいろな芸人さんが僕らが個人事務所をやっていることをおもしろがってくださってまして。『そんなスタイルの芸人、めったにおらんで。この先、どうなっていくのか、純粋に楽しみやわ』と。…あと、ま、こんなん言うたらナニなんですけど、いわゆる事務所を通さずに行く“ヤミ営業”ってあるじゃないですか。知り合いの社長さんのパーティーとかに行って、その場で直接ギャラをもらうという。今の立場だと、これがやりやすいです(笑)。僕らが社長であり、副社長なので、何のお仕事であろうが、ヤミがヤミじゃなくなるというか。僕らがやる時点で“オモテ”になるんです(笑)」

身から出たサビながら…

森田「テレビ番組だとか、完全なるオモテのお仕事も、去年の『キングオブコント』あたりからグッと増えてきまして。今回の『M-1』でもいい流れをいただきましたし。そら、上京してきて、バタバタ、ゴタゴタしていた2013年くらいはホンマに厳しかったですからね」

東口「…ま、僕のややこしい問題もありましたしね」

森田「オレも、言うか言わないか迷ったけど、自分から言うたね(苦笑)」

東口「当時、しんどかったのは、それが原因です。身から出たサビですから、僕があれこれ言えることではないんですけど、本当にありがたいことに、その時に、人の優しさも知ることができました。僕のややこしい話が明るみになって、一番ややこしい時に『スピードワゴン』の小沢(一敬)さんとお仕事でお会いしたんです。楽屋で、そのネタをさんざんイジッてもらって、仕事の後『ご飯に行こうよ』と誘っていただいたんです。そこから2日に1回くらいのペースでご飯に誘っていただくようになったんですけど、小沢さんは話の真相を一切聞いてこられない。ただ、頻繁にご飯に連れて行ってくださる。そこで、毎回いろいろな東京の芸人さんと会わせてくれるんです。一番しんどいその時期に、実はたくさん出会いをいただき、そこでグッと人間関係の幅が広がったんです。ホンマに、身から出たサビながら、そんなことをしてくださる先輩もいる。これは、すごく大きかったです。それがなかったら、どんどん負のスパイラルに入っていって、芸人を辞めていたかもしれません」

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賞レースをしっかり狙う

森田「ま、今年からマネージャーさんもついてくれましたし、2017年、いよいよ皆さまに知ってもらえるようにメディアにも定着したいなと。そのために、賞レースもしっかりと狙っていきたいと思っています」

東口「僕らは、世間的には全然知られていないですけど、お笑いが好きな方からしたら、また『さらば青春の光』かよ…という感じにもなっているのかなと。賞レースでは。なので、早くそこを抜けたいなと。“世間は知らないのに、賞レース的には飽きられる”。正直な話、今、一番考えなければならないのは、ここからの脱却なんだろうなと」

森田「僕らが言うのも失礼な話なんですけど『銀シャリ』さんも、そんな流れやったんかなと思うんです。ただ、それでも『銀シャリ』さんはネタを作り続けて、てっぺんまで上り詰めた。なので、僕らもあきらめずにやり続けなければならないと思います」

東口「今、ラジオ以外のレギュラーがないんです。なので『ザ森東』としても、固定的な収入が見込めないので(笑)、なんとか、まずはレギュラーを増やす。それをもって、安定経営を目指したいと思います。めちゃくちゃ現実的な話で恐縮ですけど…」

森田「その結果、来年の年末には軽自動車なんて買えていたら、ありがたいなと。その軽自動車でスノボなんて行けてたら、チョー御の字です(笑)」

■さらば青春の光(さらばせいしゅんのひかり)

1981年8月23日生まれの森田哲矢(もりた・てつや)と1985年10月6日生まれの東口宜隆(ひがしぐち・よしたか)が互いに別のコンビを経て、2008年に結成。2人とも大阪府出身。「ABCお笑い新人グランプリ」優秀新人賞、「キングオブコント2012」準優勝、「M-1グランプリ2016」決勝進出。2013年、それまで所属していた松竹芸能を離れて上京。個人事務所「ザ森東(もりひがし)」を立ち上げ、森田が社長、東口が副社長なる。NBCラジオ佐賀「さらば青春の光の『青春デストロイヤー』」にレギュラー出演中。また、1月21日にはイベント「さらば青春の光の鋭意制作中~放送予定のない公開収録~」を新宿ネイキッドロフトで開催する。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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