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「べっぴんさん」さくらが語る“母”への思い

中西正男芸能記者
さくら役を好演中の女優・井頭愛海

放送中のNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」で芳根京子さん演じるヒロイン・坂東すみれの娘・さくらを演じているのが女優・井頭愛海(いがしら・まなみ)さんです。2012年に「第13回全日本国民的美少女コンテスト」で審査員特別賞を受賞した大阪府出身の15歳。「いつかは女優さんに、そして、朝ドラに出たいと思っていたんですけど、それが両方かなって、ウソみたいです」と初々しい笑顔を見せます。実年齢では芳根さんとわずか4歳差ですが、真っすぐな瞳で“母”への思いを語りました。

とにかく信じられなかった

最初、オーディションに合格したという連絡をいただいた時は、「まさか…」というのが第一印象でした。自分が選ばれるとは思っていなくて。

ただ、朝ドラのオーディションがあると聞いた時に、純粋に「やりたい!!」と思ったんです。お母さんとずっと朝ドラを見てきたので、その朝ドラに出るチャンスがあるならば、トライしてみたいと。でも、自分から受けていて「受かるなんて想像がつかない」というのもおかしな言い方なんですけど(笑)、それくらい遠い夢というか。本当にそこに自分がいけるとは思えなかったというか。とにかく信じられなかったですね。

キャスト発表の記者会見に出席した時には、人生で一番たくさんメールをもらいまして。友達からも、学校の先生からもいただいて、全部で100通くらい来てました。その数で、改めて大きなお仕事をさせてもらうということを再確認しました。

収録は10月の下旬くらいから始まって、月曜がリハーサル、火曜から金曜までが収録なんです。なので、平日はほぼ大阪のNHKにいる生活になっています。今、高校1年生で、高校進学とともに上京したんですけど、もともと大阪出身なので、今は実家からNHKに通っています。なので、それはそれでいつも以上にリラックスできるところもありまして(笑)。

10歳で「女優になりたい」

朝ドラで言いますと、特に、印象に残っているのが「カーネーション」(2011年10月~2012年3月、主演・尾野真千子)。10歳か11歳の時でしたけど、大阪・岸和田の話ですし、大阪出身ということもあって「いつか関西弁を活かしたお芝居ができたらいいな」と。それが本当にできているというのが、やっぱり、自分でこんなお話をさせてもらっていても、ウソみたいです…。

そもそも、このお仕事をしたいと思ったのは、小学1年の時にミュージカルを見て、ミュージカルをやりたいなと。10歳の時に“2分の1成人式”というのがあって、私は「女優になりたいです」とそこで言ったんですけど、それが本当にできていて、しかも、朝ドラにも出してもらえている。やっぱり、やっぱり、ウソみたいです(笑)。

ただ、正直な話、不安も大きかったです。単発のドラマに出演させてもらったことはあったんですけど、連続ドラマというのが初めて。しかも、それが朝ドラ。細かいところで言いますと、表情の演技をすることが多いんですけど、表情だけで相手に何かを伝えると言うのがなかなか難しくて。その場面が終わった後に、一回一回モニターで研究しながら、なんとか皆さんについていこうとやっています。

そんな時も、本当にありがたいんですけど、芳根さんが助けてくださって。「リラックスして、思っていることをそのまま出すだけでいいんだよ」と本当に優しい言葉をかけてくださるんです。その言葉がとても温かくて、本当のお母さんみたいで(笑)。実際の年齢で言うと4つ違いなんですけど、収録の合間にふと私が好きなお菓子の話をしていたら、さりげなくそのお菓子を買ってきて「食べてね」と渡していただいたり。

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親子の関係を深めていけたら…

去年を振り返ると、朝ドラの仕事も決まったし、本当に濃い一年だったなと。たくさんのことに挑戦させてもらった年でしたし、その中で“代わりは誰もいない”ということを痛感した年でもありました。その分、自分自身が強くなれた年になっていればいいなと思うんですけど、もっともっと努力して、磨かなきゃなと。そして、厚かましい話ですけど、いつかは「井頭愛海さんみたいになりたいです」と言ってくれる人がいる女優さんになりたいと思います。

…え、芳根さんにメッセージですか。そうやなぁ…。いつも気を遣ってくださって、話しかけてくださって。そうしていただくおかげで親子になれたと思いますし、またこれからも親子の関係を深めていけたらいいなと思いますので、何卒よろしくお願いします。こんな感じです。

あ、でも、本当に思っているんですけど、いざ文字になると思うと、なんだか恥ずかしいですね(笑)。ただ、やっぱり、本当に思っていることなので、もし芳根さんがこのインタビューを読んでもらえたならうれしいです!!

■井頭愛海(いがしら・まなみ)

2001年3月15日生まれ。大阪府出身。オスカープロモーション所属。幼少時からミュージカル女優への憧れを持ち、2012年、小学6年の時に「第13回全日本国民的美少女コンテスト」に応募。10万2564通の中から21人のファイナリストとなり、「審査員特別賞」を受賞する。次世代ユニット「X21」や雑誌「ラブベリー」の専属モデルとして活動し、映画「おしん」にも出演。現在放送中のNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」にヒロインの娘・さくら役で出演している。3月15日には「X21」のセカンドアルバムが発売される。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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