台風12号が九州接近 ごく小さいだけにより危険
台風12号が九州南部に接近中です。
今年5個めの台風上陸になるかもしれません。
台風の強風域と台風の大きさ
台風12号の強風域は、北東側170キロメートル、南西側120キロメートルの平均140キロメートルです。
1999年まで使われていた、気象庁の台風の大きさの分類では、次のように、「ごく小さい台風」ということになります。
強風域の半径(平均)が200キロメートル未満 ごく小さい台風
200~300キロメートル 小型(小さい)台風
300~500キロメートル 中型(並の大きさ)台風
500~800キロメートル 大型(大きい)台風
800キロメートル以上 超大型(非常に大きい)台風
2000年からは、台風の大きさのうち、ごく小さい、小型、中型の3つは使用しなくなっています。
これは、1999年8月14日の神奈川県の玄倉川での水難事故(13人が死亡)などのときに、「台風を小型とか、弱いなどと言うから、たいしたことがない台風と誤解する」などの批判があったからです。
小型の台風の危険性
昔でいう、ごく小さい台風や小型の台風は、すぐ近くに来るまで強い風が吹かないので油断し勝ちです。
そして、吹き出すと極端に強い風が吹きます。
中心気圧が同じであれば、大型より中型、中型より小型のほうが強い風が吹きます。
等圧線の間隔が小型になればなるほど狭くなるためです。
また、台風の速度が速ければ、極端に強い風が吹く時間が短いのですが、速度が遅ければ極端に強く吹く時間も長くなり、被害が拡大する可能性が高くなります。
台風12号は、ごく小さい台風で、中心付近で等圧線の間隔が狭く、強い風が吹いており、しかも、速度が時速10キロメートルと遅いので、厳重な警戒が必要です。