Yahoo!ニュース

今週の週間予報は台風18号のせいで信頼度が悪い

饒村曜気象予報士
波しぶき(写真:アフロ)

週間天気予報の信頼度

週間天気予報は、日ごとの天気、最高・最低気温、降水確率などが発表され、そこに予報の信頼度がついています。

週間天気予報の信頼度は、降水の有無の予報について「予報が適中しやすい」ことと「予報が変わりにくい」ことを表す情報で、予報の確度が高い順にA、B、Cとなります(表)。

表 信頼度の階級の内容
表 信頼度の階級の内容

気象庁HPの解説によると、

信頼度Aは、適中率が平均で明日予報並みの86%という、確度が高い予報です。降水の有無の予報が翌日に変わる可能性は2%と、ほとんどありません。

これに対し、信頼度Cは適中率が平均で56%という、確度がやや低い予報です。明日になれば予報が変わる可能性が21%と、やや高いことを意味します。

今週の週間天気予報

天気予報は、先の予報になるほどいろいろな不確定要素が重なってきて精度が悪くなります。

日曜日に発表される週間天気予報でいえば、水曜日より木曜日、木曜日より金曜日の予報のほうが先の予報ということであり、一般的には精度が悪くなります。

しかし、今週の週間天気予報では、ほとんどの地方で月~木曜日の信頼度はB~Cと、金曜日の信頼度のA~Bより悪くなっています(図1)。

図1 東京管区気象台管内の週間天気予報(10月2日23時発表)
図1 東京管区気象台管内の週間天気予報(10月2日23時発表)

これは、北上している台風18号がどのタイミングで北東に向きを変えるかによって、台風の影響を受ける期間の天気が大きく変わるからで、台風が過ぎ去った後の週末より信頼度が悪いのです。

図2 台風18号の進路予報
図2 台風18号の進路予報

台風18号が火曜の夜に向きを北東に変える見込みですが、このタイミングが少しずれただけで、各地の天気予報は大きく変わります(図2)。

今週は、週間天気予報の信頼度が低いことを頭の片隅に入れておく必要があります。

図表の出典:気象庁ホームページ。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

饒村曜の最近の記事