東京で4度の予報 本格的な霜の季節の到来、霜注意報はそろそろ発表中止
日本付近を低気圧と移動性高気圧が交互に通過し、移変りの天気の中で気温が段階的に低くなってきました。
今週半ばの寒さ
東京では、10月のはじめは、平年より高い状態が続いていましたが、中旬以降は、低気圧が通過したときに暖かくなって雨が降り、移動性高気圧が通過時には晴れて寒くなる(日射がある昼間は気温が上がる)を繰り返しながら、気温が低くなって冬に向かっています(図1)。
そして、10月30日に最低気温が9.6度となり、今年4月20日の9.8度以来、約半年ぶりに10度を下回りました。その後、10月30日、11月2、3、4、6、7日と連日10度を下回っていますが、東京地方の週間天気予報によると、11月10日(木)の最低気温は4度(2~5度)と、霜が降りる気温にまで下がります(図2)。
霜は、氷点下(0度以下)の物体の表面に、大気中の水蒸気が昇華し、氷の結晶となって堆積したものです。気温は地表から約1.5メートルの高さで測定しますので、放射冷却等で冷える場合は、気温が3~4度以下であれは、地表面付近では氷点下となって霜がおります。
植物が活動しているときに霜害
植物が活動中に霜がつくと、霜が植物を直接冷やして中の水分が凍って養分が行き渡らなくなるなどで枯れるなどの被害がでますが、冬に入って活動を停止した植物は、寒さに対する備えができていますので、霜による被害は、植物が生育を始めたあとの霜(遅霜)か、植物が活動を中止する前の霜(早霜)のときにおきます。冬の最中は、いくら霜がおりても被害は発生しません。
このため、霜注意報は、遅霜と早霜の時期だけ、地方によっては、遅霜の時期だけの季節限定の注意報です(表)。
北海道の後志、上川、留萌地方では、9月19日に霜注意報が発表となっています。20日の朝は移動性高気圧に覆われ、放射冷却によって冷え込むとしての霜注意報の発表ですが、これが今シーズンにおける全国で初めての霜注意報です。
その北海道ですが、10月19日に全道で発表された霜注意報を最後に、今年の霜注意報は終了しています。霜注意報の再開は、来年の早霜の時期です。
なお。北海道の霜注意報の発表期間は、気象台と振興局が協議して決めたものです。
東京に「木枯らし1号」吹くかも
気象庁では、関東地方(東京)と近畿地方(大阪)について、最初に吹いた木枯らしを「木枯らし1号」として発表しています。
「春一番」と同じく、最初だけの情報です。
日本人にとってなじみ深い言葉である木枯らしは、正確さを期す気象庁で、東京と大阪について、別々の定義をしています。東京と大阪以外では、定義がありません。
東京と大阪では、西高東低の冬型の気圧配置のときに最大風速が毎秒8メートル以上というのは同じですが、東京では10月中頃から11月30日の間で北〜西北西に吹く風というのに対し、大阪では二十四節季の霜降(10月23日頃)から冬至(12月22日頃)の間で、北北東〜西北西に吹く風です。
「木枯らし1号」は、気象庁で統計の対象とはなっていませんので、平年値というものはありません。だいたい東京では11月5日頃、大阪では11月10日頃に吹きますが、最近は遅くなる傾向があります。
今年は、大阪で10月29日に木枯らし1号が吹きましたが、東京ではまだです。
11月10日頃に高気圧が張り出し、一時的に西高東低の気圧配置となって寒気が南下する予報です(図3)。このため、最大風速が毎秒8メートル以上の北風が吹いて「木枯らし1号」となるかもしれません。
ただ、吹く、吹かないにかかわらず、季節は一歩一歩、着実に真冬に向かっています。